賢者様の回想録

silf

12 魔力の危険性

「全然出来ねぇ、しかも体がだるくなってきた」

 師匠から魔法の基礎を覚えるため、魔力のコントロールを覚えろと言われ、6つある魔石のうち赤い魔石だけを光らせるという事をしている。

 しかし朝日が昇るまでやっていたが成果は出ない。6つとも光るだけで魔力がだだ漏れしているのが分かっただけだ。

  師匠は俺がはじめてからすぐにそのまま続けるように言い、家に戻って行ってすでにここにはいない。

「飯の時間だ。戻って来い」

 師匠の言葉が聞こえると俺は立ち上がり家へと向かった。しかし思っていたよりも消耗していたようでフラフラしながら家に入る事になった。

「魔力の枯渇だな。ぶっ続けでしてたのか」

 ため息をつきながらフラフラな俺を師匠は支えた。行くぞと言ってそのまま首を掴まれてリビングまで引きずられていった。抵抗する力も出ないので大人しく連れられた。

 リビングに着くなり、テーブル手前で離された。女は起きていたようでフラフラの俺を見て驚いた顔をした。

「あなたバカなの?」
「バカって何だよ」
「バカはバカよ。魔力が空っぽ寸前じゃない。何をしたらそんな事になるのよ」
「師匠に教えてもらった魔力のコントロール訓練してた」
「師匠?」

 俺は指差すと納得した顔になってそのままテーブルに着きだした。

 俺はフラフラしながらも席に着くとテーブルには女が用意していたのかパンにベーコン、レタスにチーズが挟んであるサンドイッチが皿に乗せられていた。

 朝、早い時間から魔力をコントロールする訓練をしてたせいかお腹が空いていてヨダレが垂れそうになった。

 師匠と女は食べ出しており、俺もそれに続いて食べると、口の中にはシャキシャキとしたレタスと軽く味付けされたベーコンにチーズのコクが合わさってより一層食欲を刺激してきた。すぐさま次のサンドイッチに手を付けて気付いた時には3つ目、4つ目と口にしていた。5つ目になるとさすがにお腹も溜まり満腹となった。

 師匠、女はすでに食べ終わっており、皿を片付けはじめていた。それを見て俺も皿を洗い、棚に戻した。

 頭も働きはじめ、俺の魔力が空っぽ寸前になっているのを見た女の態度が気になり出した。そのままにしておくのは駄目だと思い女に話かけた。

「さっき、何で魔力が空っぽ寸前になった俺を見てあんな事言ったんだ?」
「あなた、体重いでしょ」
「確かに重いけどそれがどうしたんだよ」
「魔力は体を守る役割を持っていて少なくなると体が弱くなるし、完全になくなると最悪死もありえるの」
「何だって?死ぬ?」
「そうよ。でも、変わりに魔力が回復した時は前よりも量が増えるから先生はそれを見込してあなたの魔力コントロールの訓練をさせていたみたいね」
「って事は鬼女、お前も経験あるのか?」
「鬼女じゃないユフィナよ!ちゃんと名前あるわ!」
「分かった、ユフィナは経験あるのか?」
「あるわよ。あれは死んだ方がマシだと思えるぐらいギリギリだったわよ」

 その経験を思い出したのか肩を抱いてぶるぶる震え出した。俺とユフィナは話をしながら少しずつだがお互いに打ち解けてきたように感じた。

 その後、俺はユフィナからダンジョンの事、魔法について色々聞き、それについて詳しく教えてくれた。話は一時間ほど後に師匠が話しかけてくるまで続いた。


途中で書いたのがミスして消えたので
急いで書き直しました( ̄▽ ̄;)
何とか今日中に出せて良かったです(^^)

コメント

  • silf

    前、サンドイッチを食べていたのを
    思い出して書きました(^^)
    トントン拍子ではなかなか
    上手く進めないのは
    もどかしいかもですが( ̄▽ ̄;)
    これからも頑張りますo(^o^)o

    4
  • あいな☆

    魔力のコントロール訓練って大変なんですね~Σ(;゚∀゚)ノ

    サンドイッチの美味しそうな感じが1つ、1つ丁寧に伝わってきてとても良いと思いました~(*´∇`*)

    あと、グリムがユフィナの名前を初めて呼んだような気がするんですけど!
    それにも感動しました~(*≧∀≦*)

    投稿楽しみにしてたので嬉しいです(*^▽^*)また楽しみにしてます♪

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