賢者様の回想録

silf

5 こんな女とパーティー!?

「その方が面白そうだって?」
「ああ、そうだ」
「そんな理由でパーティーを組めと?」
「悪くない話のはずたが?」
「・・・」

  確かにそうだがあんな女と組むなら他のやつを探した方が良い気もする。絶対にそりが合わない。むしろ邪魔しかしてこない気がする。

「面倒だ、ちゃっちゃっと済ませよう」
「何をする気だ」
「ただの隷属魔法だ」
「何だって!ふざけるなよ!」
「安心しろ、ユフィナにしっかりと金を返せれば解いてやる」
「・・・っつ」
 こいつ、目がマジだ。だが体が重くなっていて逃げる事も出来ない。くそっ!

「とりあえず逃げれないようにだけにしとく」
「ぐわああぁぁぁぁ!!」

 胸元に手を当てて来た瞬間、とてつもない痛みが全身を貫いた。

「面倒をかけさせたからだ」

 痛みが抜けて来た頃に胸元に赤い光があるのに気付いた。次第にそれも収まり光が消えた。

「普段はその紋が見えないようにする」
「そういう問題じゃないだろ」
「知らん、逃げ出したりしたらさっき味わった痛みとともに紋が出てくる」

 少しは俺の言葉を聞けよ。ちくしょうが!

「紋を見られたらどうするんだよ」
「どうもしない、お前がユフィナに金を返せるまで逃げなければ良い話だ」

 どうしてもあの女と組ませたいようだ。紋がばれると色々と不利になる事をしっかりと分かって言っているのが余計に質が悪い。

「分かった、逃げないから、この体の重さをどうにかしてくれ」
「始めからそうすればこういった事をせずに楽だったのにな」

 そう言うと魔法を解いてくれた。絶対に許さねぇ、紋が消えたら覚えてろよ。

「うーん、確か広場に来て・・・」

 そうこうしてる内に女は起きだしてきた。

「そうだ!お金の事を言ったら先生が・・・」

 そう言って体を震わせていた。

「おい」
「はいっ!先生っ!」

 ビクッとしながら反応していた。

「お前のパーティーこいつな」
「え?」

 女は思考停止したのか反応した時の顔のまま数瞬の間完全に固まっていた。そして笑顔で・・・

「先生もう一度お願いします」
「お前のパーティーこいつな」
「えええぇぇぇ!嘘と言って下さい、先生」
「本当だ」
「何で?どうして?さっき私言いましたよねこいつがお金取ったって!」
「だからだ」

 女は呆然としながらウソでしょ、とこぼした。

「お前のお金は報酬金から差し引いて払わせる」
「それでもこんなやつを信頼出来るわけないじゃないですか」
「分かった、それなら少しの間私が一緒について行こう」
「いやいや、さすがにそれは・・・」
「なら決まりだな」
「え!?」

 女は押しきられる形で俺とのパーティーというものを決定された。女はぶつぶつと先生は理不尽、どうしてこんなやつとなどということを言いはじめた。

「まずはパーティーについて話さないとな、どうせ知らないだろ」
「知らない」

 話をまとめるとダンジョンではソロでの生存率が低いということで一定以上のランクの者以外は2人以上でないとダンジョンに入るのを禁じられてしまったそうだ。しかもこれが出来たせいでこの女はめったにダンジョンに入れなくなったそうだ。

「ユフィナは仲間を探したそうだが新人にしてはレベルが高く、しかも性格が災いしてすぐにパーティー解除される」
「私が悪いんじゃないですよ、着いてこれないあいつらが悪いんです」
「こういう事だ」
「なるほど」
「何納得してんのよ」

 女はむくれはじめた。そんなの知るか、お前のせいだろ。

 「説明は終わりだ、パーティー契約に行くぞ」
「はぁ、仕方ないか、でもあんたの事を認めたわけじゃないから」

 この女は一言余計だ。そう思いながらもパーティー契約の為に俺達はギルドに戻りはじめた。


ユフィナとグリムは
パーティーになります(*´ω`*)
ハラハラする展開間違いなし?(  ゜Д゜)

コメント

  • silf

    この二人がパーティーを組んだらどうなるのか( ; ゜Д゜)
    そして先生の理不尽を止める者が
    現れるかに注目ですね( ̄▽ ̄;)

    1
  • あいな☆

    おぉー(*≧∀≦*)
    ユフィナとグリムがパーティー組むようになるんですねっ♪
    物語が、ますます楽しくなりそうでワクワクします(*>∀<*)

    先生の理不尽な感じが凄く伝わってきました~Σ(;゚∀゚)ノ

    1
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