賢者様の回想録
1 生きるために
「くそっ、どうしても足りない」
 悪態をつきながら俺はそう呟いた。
俺の名前はグリム。年は10才。
セイル王国王都のダートで生まれた。
 そんな俺は今、冒険者と呼ばれる職業を目指している。この職業はダンジョンという魔物が出てくる洞窟を探索することだ。
 ただこの洞窟、国が管理してるせいで勝手に入る事が出来ない。入るにはギルドで冒険者カードを発行してもらう必要がある。 カードを発行してもらえるのは10才からだ。
 先日、俺は念願の10才となった。しかし受付でお金が必要だという事が分かった。でも 俺にはそのお金がない。
 俺はお金を持たず、この都の底辺と呼ばれるスラムでその日暮らしをしている。そんな俺がお金など貯めれているはずがない。
「冒険者になってこんな生活から抜け出そうと思ってたのに」
 まさか銀貨10枚も必要だとは思ってなかった。その日暮らしをするなら賎貨2枚も要らないのに・・・。俺みたいなスラムで生まれたものにとっては簡単には手が届かない。
 「お手伝いとかで貯まるには後どれだけかかるんだ」
 お手伝い1日稼ぎが多い時でせいぜい賎貨5枚だ。銀貨10枚になるまでを考え身震いした。そんな時に俺の目に飛びこんできた。
 「おばちゃん、パンを6つ買いたいんけど」
 「あいよ、賎貨2枚ね。まいどあり。今日はいつもより多く買っていくね」
  「ええ、今日はダンジョンに潜るために色々と物を揃えようと思っているからね。」
 「ほう、そりゃ大変だね。頑張りなよ」
 「ありがと、おばちゃん」
 パン屋のおばちゃんと親しげに話をしている若い女がいた。こちらには気付いてないようでそのまま立ち去っていく。
 「あいつは今、お金を持っている」
 俺はごくりとのどをならした。今ならまだ俺の姿に気付いてない。行ける。そう判断した俺は見つからないように壁に沿いながら距離を詰め・・・
 「きゃっ」
 俺は女性にぶつかりそのままの勢いでお金が入っていた袋を取り走った。よしこのまま逃げてやる。幸いにも女はまだ気付いてないようだ。
 「あれっ?、ないっ、袋がないっ、・・・そうか!、さっきのガキが取っていったんだ」
 ヤバい、気づかれた。早くここから逃げないと。足音がこっちに向かって来ている。
「待てー!、くそガキーー!!」
 
 路地裏に入りながら振り切るために俺はそこにあったゴミ入れ用の樽を女に向けて蹴り飛ばした。
「うわっ、汚い、ぺっ、ぺっ、お気に入りの服が、もう頭に来た。絶対に許さない!」
 そう女が呟いたのが聞こえ、俺のすぐ傍を風の刃が通っていった。後ろを振り返ると走りながら鬼の形相で右手をこちらに向けている女が見えた。
「ウィンド・カッター」
「うわっ、危な!」
 あいつ、魔法使いかよ。よりによってそんなやつから金を盗もうとしているなんて。もし捕まったらと考えた瞬間、冷や汗が全身を覆った。
「待てって言ってるだろーがーー!」
あんな鬼の形相をされ、追いかけられて待つやつが居るのだろうか?
もちろん俺は逃げる。逃げの一手しかない。
しかもあの鬼女......
「ウィンド・カッターー、ウィンド・カァッターー!、ウィンド・カァッタァーーー!!」
 
 魔法を打ちまくってやがる。俺はそんな状況で思った。絶対に生き延びてやる、と。
 はたしてグリムは鬼女さんから逃げきれるのか?
 そしてギルド登録が出来るのか?
 楽しみにしてて下さいね(*´ω`*)
 悪態をつきながら俺はそう呟いた。
俺の名前はグリム。年は10才。
セイル王国王都のダートで生まれた。
 そんな俺は今、冒険者と呼ばれる職業を目指している。この職業はダンジョンという魔物が出てくる洞窟を探索することだ。
 ただこの洞窟、国が管理してるせいで勝手に入る事が出来ない。入るにはギルドで冒険者カードを発行してもらう必要がある。 カードを発行してもらえるのは10才からだ。
 先日、俺は念願の10才となった。しかし受付でお金が必要だという事が分かった。でも 俺にはそのお金がない。
 俺はお金を持たず、この都の底辺と呼ばれるスラムでその日暮らしをしている。そんな俺がお金など貯めれているはずがない。
「冒険者になってこんな生活から抜け出そうと思ってたのに」
 まさか銀貨10枚も必要だとは思ってなかった。その日暮らしをするなら賎貨2枚も要らないのに・・・。俺みたいなスラムで生まれたものにとっては簡単には手が届かない。
 「お手伝いとかで貯まるには後どれだけかかるんだ」
 お手伝い1日稼ぎが多い時でせいぜい賎貨5枚だ。銀貨10枚になるまでを考え身震いした。そんな時に俺の目に飛びこんできた。
 「おばちゃん、パンを6つ買いたいんけど」
 「あいよ、賎貨2枚ね。まいどあり。今日はいつもより多く買っていくね」
  「ええ、今日はダンジョンに潜るために色々と物を揃えようと思っているからね。」
 「ほう、そりゃ大変だね。頑張りなよ」
 「ありがと、おばちゃん」
 パン屋のおばちゃんと親しげに話をしている若い女がいた。こちらには気付いてないようでそのまま立ち去っていく。
 「あいつは今、お金を持っている」
 俺はごくりとのどをならした。今ならまだ俺の姿に気付いてない。行ける。そう判断した俺は見つからないように壁に沿いながら距離を詰め・・・
 「きゃっ」
 俺は女性にぶつかりそのままの勢いでお金が入っていた袋を取り走った。よしこのまま逃げてやる。幸いにも女はまだ気付いてないようだ。
 「あれっ?、ないっ、袋がないっ、・・・そうか!、さっきのガキが取っていったんだ」
 ヤバい、気づかれた。早くここから逃げないと。足音がこっちに向かって来ている。
「待てー!、くそガキーー!!」
 
 路地裏に入りながら振り切るために俺はそこにあったゴミ入れ用の樽を女に向けて蹴り飛ばした。
「うわっ、汚い、ぺっ、ぺっ、お気に入りの服が、もう頭に来た。絶対に許さない!」
 そう女が呟いたのが聞こえ、俺のすぐ傍を風の刃が通っていった。後ろを振り返ると走りながら鬼の形相で右手をこちらに向けている女が見えた。
「ウィンド・カッター」
「うわっ、危な!」
 あいつ、魔法使いかよ。よりによってそんなやつから金を盗もうとしているなんて。もし捕まったらと考えた瞬間、冷や汗が全身を覆った。
「待てって言ってるだろーがーー!」
あんな鬼の形相をされ、追いかけられて待つやつが居るのだろうか?
もちろん俺は逃げる。逃げの一手しかない。
しかもあの鬼女......
「ウィンド・カッターー、ウィンド・カァッターー!、ウィンド・カァッタァーーー!!」
 
 魔法を打ちまくってやがる。俺はそんな状況で思った。絶対に生き延びてやる、と。
 はたしてグリムは鬼女さんから逃げきれるのか?
 そしてギルド登録が出来るのか?
 楽しみにしてて下さいね(*´ω`*)
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コメント
silf
ありがとうございます(*´ω`*)
楽しめる物語を
作っていきたいですo(^o^)o
みーは
読ませていただきましたっ!
物語に入りやすくて先が楽しみです
silf
そこは更新してからのお楽しみです(*´ω`*)
あいな☆
鬼女さんから逃げ切れるかな?Σ(;゚∀゚)ノ
続きが気になりますね~(*^^*)
楽しみにしてます(*≧∀≦*)♪
silf
読んで頂いてありがとうございます(*´ω`*)
これからは主人公の過去の物語に入って行きます(*´ω`*)
師匠と弟子として出て来るのは大分先の予定なので楽しみにしてて下さい(*´ω`*)