無欲、転生させられ世界をとる
修行
父が左腕を無くしてから1年が経過した。あの日から俺は赤ちゃんでも出来る事をやっていた。
それは魔導書を読むことだ。母は魔導師だ。母は魔導書で魔法の基礎を学んだと言っていた。
「あなたを大切な人は自分の力で守れるくらい強くしてあげる。ビシバシ鍛えるから覚悟しなさい。」
と、俺をあやしながら笑って言っていた。
その時に魔道書の存在を教えてくれたのだった。
まだ赤ちゃんなので魔道書を堂々と読むことはできない。
もし堂々と読んで母に見つかってしまったら恐らく母は倒れてしまうだろう。
母はエルフという虚弱な体で産まれてきた。エルフは心臓が弱い種族なのだ。
それなのにエルフが耐えられる魔力量を遙かに上回ってしまった。その結果魔力を使った後しばらくすると反動がくるのだ。
下手に驚かれて心臓が止まりでもしたら守ろうとしているのに本末転倒だ。
そのため、俺は父と母が寝静まった後に魔道書を読んでいる。
赤ちゃんの体で本のページをめくる難しさを知った。
魔道書を読んで知識ばかりつけても喋れるようにならなければ、魔法の発動はできない。
そのため毎日喋れるよう努力をした。初めて母を呼んだときは涙を流して喜んでいたな……
父は「タイガが初めて喋った記念だ!」などと言って張り切ってお祝いの席を作っていた。
その日の食卓はいつもより豪華だった。
まあ、俺の食事は変わらなかったけど……
俺はなぜ初めて来た世界の言語を理解できるのか、なぜ魔道書を読むことができるのか、ずっと疑問に思っていた。
どうやらこの能力は神の権能らしい。
俺の1歳の誕生日に誕生日ではしゃいでいた両親が寝静まり、俺も寝ようと目をつぶっていると頭の中に声が流れ込んできたのだ。
「1歳の誕生日おめでとう。」
あの真っ白い世界で聞いたあの声だった。
「お前も疑問を持っていたことだろう。なぜこの世界の言語、そして魔法文字を読めるのかを……」
長い間溜めて
「それは私のおかげだ!」
と言い放った。それを聞いて俺は
(なんだこいつ、無理矢理転生させたくせに偉そうに……)
と思っていたら
「全部聞こえてるぞ。私もあの時は大人げないと思ったからお前に言語理解能力を授けたと言うのに……感謝の1つくらいしたらどうだ?」
それを聞いて
(まあ、助かってるんだけど。)
そう思っただけなのに彼女は、
「そうだろう、そうだろう。最初からそう言えよな。もしやこれがツンデレというやつなのか?可愛い奴め。」
と大げさに喜んでいた。
不思議と悪い気はしなかった。
「神界も飽きたし私も転生しちゃおうかな。」
(神なのにそれ、大丈夫なのかよ?)
「ああ、全能神様の許可をとったらな。私はお前の誕生日祝いと謝罪に来ただけだから、ではな。」
その言葉を最後に俺の意識は闇に沈んでいった。
まさか本当に転生してくるとは思ってもいなかったのだった。
それは魔導書を読むことだ。母は魔導師だ。母は魔導書で魔法の基礎を学んだと言っていた。
「あなたを大切な人は自分の力で守れるくらい強くしてあげる。ビシバシ鍛えるから覚悟しなさい。」
と、俺をあやしながら笑って言っていた。
その時に魔道書の存在を教えてくれたのだった。
まだ赤ちゃんなので魔道書を堂々と読むことはできない。
もし堂々と読んで母に見つかってしまったら恐らく母は倒れてしまうだろう。
母はエルフという虚弱な体で産まれてきた。エルフは心臓が弱い種族なのだ。
それなのにエルフが耐えられる魔力量を遙かに上回ってしまった。その結果魔力を使った後しばらくすると反動がくるのだ。
下手に驚かれて心臓が止まりでもしたら守ろうとしているのに本末転倒だ。
そのため、俺は父と母が寝静まった後に魔道書を読んでいる。
赤ちゃんの体で本のページをめくる難しさを知った。
魔道書を読んで知識ばかりつけても喋れるようにならなければ、魔法の発動はできない。
そのため毎日喋れるよう努力をした。初めて母を呼んだときは涙を流して喜んでいたな……
父は「タイガが初めて喋った記念だ!」などと言って張り切ってお祝いの席を作っていた。
その日の食卓はいつもより豪華だった。
まあ、俺の食事は変わらなかったけど……
俺はなぜ初めて来た世界の言語を理解できるのか、なぜ魔道書を読むことができるのか、ずっと疑問に思っていた。
どうやらこの能力は神の権能らしい。
俺の1歳の誕生日に誕生日ではしゃいでいた両親が寝静まり、俺も寝ようと目をつぶっていると頭の中に声が流れ込んできたのだ。
「1歳の誕生日おめでとう。」
あの真っ白い世界で聞いたあの声だった。
「お前も疑問を持っていたことだろう。なぜこの世界の言語、そして魔法文字を読めるのかを……」
長い間溜めて
「それは私のおかげだ!」
と言い放った。それを聞いて俺は
(なんだこいつ、無理矢理転生させたくせに偉そうに……)
と思っていたら
「全部聞こえてるぞ。私もあの時は大人げないと思ったからお前に言語理解能力を授けたと言うのに……感謝の1つくらいしたらどうだ?」
それを聞いて
(まあ、助かってるんだけど。)
そう思っただけなのに彼女は、
「そうだろう、そうだろう。最初からそう言えよな。もしやこれがツンデレというやつなのか?可愛い奴め。」
と大げさに喜んでいた。
不思議と悪い気はしなかった。
「神界も飽きたし私も転生しちゃおうかな。」
(神なのにそれ、大丈夫なのかよ?)
「ああ、全能神様の許可をとったらな。私はお前の誕生日祝いと謝罪に来ただけだから、ではな。」
その言葉を最後に俺の意識は闇に沈んでいった。
まさか本当に転生してくるとは思ってもいなかったのだった。
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