俺の周りの女性は全員美少女なんだが必ず何か重大な欠点がある!

サクえもん

12話 冒険者ギルドの受付嬢が女神すぎる!

 森から町までは徒歩で約一時間程度の距離だった。
 そして今俺が冒険者ギルドの前にいる。
 なぜ冒険者ギルドにいるかは、 千鶴と合流するためでは当然なく、 ラピスさんを口説く絶好のチャンスだからだ。
 何せ今この場には、 あの殺人鬼がいない。
 このチャンスを逃すわけには絶対に行かない!
 そして絶対に俺はラピスさんを口説き、 童貞を卒業するんだ!
 

 「冒険者ギルドよ! 私は帰ってきたぁ!」


 俺はそう大声で宣言しながら冒険者ギルドの中へと入っていった。


 「お帰り俊。 早かったわね」


 あれ? なんで千鶴がここにいるの? 俺達待ち合わせなんてしてないよね?


 「ん? どうかしたの俊? そんな鳩が豆鉄砲くらったみたいな顔して?」
 「うるさい! それとなんでお前ここにいるんだよ! お前別に冒険者ギルドにようなんてないだろ!」
 「そんなの決まってるじゃない。 俊ならここに来ると確信を持ってたからここで待ってたのよ。 どうせ俊のことだからそこの受付嬢でも口説くつもりだったんでしょ? でも残念だったわね。 そんなこと私が許すわけないのに。 俊は私だけの物なんだから……」
 

 思いっきりばれてるぅぅぅぅぅぅぅぅ!
 てかなんでこいつはここまで俺の行動パターンが理解できてるんだよ!
 怖すぎだわ!
 

 「誰がいつお前の物になったって?」
 「俊の事よ。 もしかして昨日約束したこともう忘れたの? もし忘れたなら思い出すくらい痛めつけなくちゃね……」
 

 そう言いながら千鶴は、 釘バットを持ちながらこちらに近づいてきた。
 てかお前一体どこからそんなもの出してるんだよ!
 それになんで向こうの世界の物をこっちで使えるんだよ!
 

 「あ、 安心しろ。 ちゃ、 ちゃんと覚えてるから……」
 「じゃあここで大声でこう言って。 “私は千鶴の夫であり千鶴以外の女性に声をかけもしないし、 浮気もしません”って言って」
 

 なんだとぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
 冒険者ギルドにはラピスさんがいる!
 そんな前でそんなことを言ったら確実にラピスさんに誤解される!
 しかもそれだけじゃない!
 きっと俺がそんなことを言えば俺の発言は噂になる。 
 そしてその噂のせいで俺が他の女性に声をかけづらくなってしまう!
 これらの結果より導き出される答えはたった一つ!


 「死んでもそんなこと言うか! ブス!」


 はい。 これで俺の死刑は確定した。
 だが後悔はない。
 確かに俺は痛いのは嫌いだ。
 だがラピスさんに誤解されるほうがもっと嫌だ!


 「俊。 死ぬ覚悟はできてるんでしょうね?」
 「ああ! 好きにすればいい! だがな俺はお前に何度痛めつけられようが絶対に屈しないからな!」
 「それじゃあ好きにさせてもらうわね」


 その後俺は、 千鶴のお仕置きによって再び三途の川へを見る羽目になった。
 まさか一日で二度も三途の川を見る羽目になるとわな。
 そして死んだじいちゃんと再びあったのだが“来る頻度が速すぎる!”と怒られてしまった。
 こっちだって好きで来てるわけじゃねぇんだよ!
 

 「シュン様。 シュン様大丈夫ですか?」
 「へ?」


 俺は、 女神と思われる声を聴き目を覚ました。
 そして俺は目が覚めるとラピスさんに膝枕されていた。
 

 「これは夢か?」


 俺はそう言った後自分の頬をつねったが痛みがあったためこれがまぎれもない現実だと理解した。
 ヤッホォォォォォォォォ!
 ラピスさんの太ももだ!
 千鶴にされたときは、 最悪な気分で目が覚めたが今は全くの逆で最高にハイってやつだぁぁぁぁぁ!


 「シュン様急にどうしたんですか? 自分の頬をつねったりして? それに変な顔してますよ?」
 「いえ。 なんでもありません。 それで千鶴の奴は何処に行ったんですか?」
 「チヅル様は、 今役人に捕まっていますね」
 「なんでですか?」
 「それはですね。 シュン様を痛めつけているところを町長が偶然見つけましてね。 それでさすがに今回のは度が過ぎているレベルで本当にシュン様が死んでしまうのではないのかと危惧した町長が役人を呼んだんです。 でもなんで町長はこんなところにいたんでしょうね。 きっとシュン様にようがあったのだろうと私は、 思うんですけどね」
 「そうなんですか。 それでラピスさんは何故俺を膝枕しているんですか?」
 「もしかしてお嫌でしたか? 嫌ならすぐにでも……」
 「いえ!ずっとこの状態でいいです!」
 「さすがにずっとは無理ですよ」
 

 俺の発言を冗談だと捉えたのかラピスさんは笑ってくれた。
 

 「そういえばシュン様。 ブラックマウスは、 無事討伐できましたか?」
 「いえ! 色々な事情が重なり狩ることができませんでした!」
 「ええと。 それじゃあ今日の成果は?」
 「なんの成果も得られませんでしたぁぁぁぁぁぁぁ!」
 

 俺は、 半泣き状態でそう言った。
 もしかして幻滅されたかな?
 もしラピスさんに幻滅されたら俺今後生きていけない!
 

 「落ちついてください。 時にはそんなこともありますよ。 だからまた明日頑張りましょう!」


 ラピスさんはそう言うと俺の頭を優しく撫でてくれた。
 この人女神やでぇぇぇぇぇ!


 「それでシュン様。 もしよかったら今後私の家で一緒に住みませんか?」
 「いいんですか!」
 「はい。 昨日シュン様と一緒にいた時間があまりにも楽しくて、 一人であの家に住むのが寂しくなっちゃったんです」
 「そうなんですか!」


 よっしゃぁ! 今日は不幸な一日で終わると思っていたが最後の最後で最高な幸運が舞い降りたぜ!


 「あ、 でも寝る部屋だけは昨日と違って別にしてくださいね」
 「わかりました!」


 クッソ! さすがにそこまでうまくはいかないか!
 だが時間はたっぷりある。
 それにラピスさんの家なら千鶴の奴にもばれないし、 口説くには絶好のチャンスだ!
 ふふふふ、 夜が楽しみだ。


 「どうかしたんですかシュン様? すごく悪そうな顔をしてますよ?」
 「いえ! なんでもありません!」
 「そうですか。 それじゃあ私ももう今日は、 勤務時間終わりなので一緒に帰りましょうか」
 「はい! 喜んで!」


 そして俺は、 ラピスさんと手をつなぎながら帰った。
 冒険者ギルドを出る時周りの男冒険者から凄まじいブーイングと嫉妬の声が聞こえたが、 その声がとても気持ちよかった。
 ふん! 俺とて元非リアだ。
 貴様らの嫉妬もよくわかる。
 だがな!
 今の俺は完全なるリア充だ!
 だから貴様らのことなど知ったことか!
 ハッハハ!


 「そう言えばシュン様。 夕食はもうとられましたか?」
 「いえ、 まだです」
 「それなら私がシュン様の夕食を作ってもいいですか?」
 「そ、 それってもしかして手料理ですか!」
 「え、 ええ。 そうですよ? それがどうかなされましたか?」
 

 よっしゃぁぁぁ!
 女子からの手料理きたぁぁぁぁ!
 

 「早く家に帰りましょう! それとラピスさんの手料理とっても楽しみです!」
 「あんまり期待しないでくださいね?」
 

 結果から言おう。
 ラピスさんの料理はかなりうまかった。
 そして改めて俺は、 ラピスさんのことを好きになった。
 てかなぜラピスさんには、 彼氏がいないのだろう。
 こんなに美人で、 料理もうまいなら世の男がほっておくわけないのにな。
 まあそんなことはいいか。
 今はそれよりもラピスさんをどう口説くかだ!
 でも今日は、 とりあえず寝るか!
 正直森から町に戻るまでかなり疲れたしな。
 それに時間はたっぷりあるんだ今日ぐらいはゆっくりしてもいいよね?
 俺はそう決めるとラピスさんに俺の部屋へと案内してもらった。
 部屋の中は、 ベットしかなかったが部屋の広さはかなりあった。
 

 「部屋の装飾については、 シュン様の好きにしてくださっていいですよ」
 「わかりました。 それじゃあ、 おやすみなさい。 ラピスさん」
 「はい。 おやすみなさい。 シュン様」


 ベットは、 ふかふかで昨日あまりぐっすり寝れなかったのもあり俺は、 ベットに入った瞬間すぐに寝ることができた。
 

 




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