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職業執行者の俺、 天使と悪魔と契約して異世界を生き抜く!!(旧題: 漆黒の執行者)

サクえもん

第五十二話 不安

 俺は部屋に入るとすぐにルーへと連絡をした。


 (ルー。 今いいか?)
 (いいわよ。 優の部屋に行けばいいの?)
 (理解が速くて助かる)


 俺がそう伝えた瞬間、 ルーは俺の部屋の中に入ってってきた。


 「私を呼んだっていうことは優は城に行くつもりなの?」
 「そうだ」
 「わかったわ。 それじゃあ装備渡すわね」
 「助かる。 それと今日なんだがお前も城に連れて行こうと思うんだが……」
 「構わないわよ。 私もあの王女に一体誰が優の妻なのかいい加減はっきりさせたかったしね」
 

 ルーはそう言いながらどこか黒い笑みを浮かべていた。
 やっぱり連れて行くのやめた方がよかったかな?
 

 「私も行く」
 

 そう言ったのは本来ここにいるはずのないミカだ。


 「お、 お前いつの間に……」
 「そんな事より私も城に連れて行って」
 「なんでだ?」
 「私も優の偽りの妻の存在が気になるから」
 「い、 偽りって……」
 「まあ確かに俺とアリシアは契約でつながっているだけの関係だが、 もう少し言い方とか何とかならないのか?」
 「私は事実を述べただけ」
 「まあその点に関しては不本意ながら私も我が愚妹と同じ意見ね」
 「お、 お前らなぁ……」
 

 俺はこの二人には何を言っても無駄だと知っているので、 その後何も言わず反逆シリーズに着替えた。


 「やっぱり優はこっちの装備の方が似合うわよね! さすが私がデザインした装備ね!」
 

 ルーはこういうがミカからは今の俺の装備は不評のようだった。


 「優には黒より白の方が似合う。 だから今すぐ私のあげた装備に着替えるべき」
 「あんた目腐ってるんじゃないの? どっからどう見ても優には黒の方が似合うに決まってるじゃない!」
 「目が腐ってるのはそっち」
 「何? 今ここであんたの存在消してやりましょうか?」
 「望むところ。 跡形もなく塵にしてあげる」
 「二人とも喧嘩するなら城に連れて行かないぞ!」
 「だ、 だって優! この女が!」
 「私は悪くない。 悪いのはこいつ」
 「お前らいい加減にしろ!」


 俺はそう言うと二人の頭目掛けてゲンコツをおみまいした。


 「痛い!」
 「あう!」
 「全く。 なんでお前らは姉妹なのにどうしてこうも仲が悪いんだ?」
 「それはこの女の趣味が悪いから」
 「趣味が悪いのはそっち」
 「あのさ。 その言い分だと俺も男として最低な部類に入ることになるんだが?」
 「ち、 違うわよ! 優はとっても素敵な男性よ!」
 「優が素敵なのは当たり前」
 「お前らよくもまあそんな恥ずかしいセリフをすらすら言えるな……」
 

 俺の今の表情。 仮面のおかげで何とかごまかせているが多分真っ赤だぞ?


 「だって事実だもね」
 「この点に関しては同意する」
 

 まあ双子の姉妹って男の趣味が似るっていうし、 これも仕方ないことなのかねぇ。


 「優。 そろそろ城に行かない? このままだと本当に一日終わっちゃうわよ?」
 「そうだな。 それじゃあルー。 ワープを頼む」
 「わかったわ」
 「この点に関してはまだ私にできないのが悔しい」
 「ふふふ。 ざまあないわね」
 「お前らまた殴られたいのか?」
 「「ごめんなさい……」」


 反省する態度もそっくりなんだな。


 「別に怒ってないから早く開けてくれ。 それと城に入る時俺が合図するまでお前たちは入ってくるな」
 「了解よ」
 「わかった」


 ルーはそう言った後城への道をワープを使い作ってくれた。
 そして俺は穴の中に入り久しぶりに城へと向かった。
 俺は穴の出口から出るといきなり何者かに切りかかられ右腕を切り落とされた。
 

 「おいおい。 いきなり切りかかってくるとはずいぶん物騒な挨拶じゃないか?」


 俺は右腕を切り落とされたにも関わらず冷静だった。
 なぜ俺がこんなに冷静にいられたかというと理由は主に二つある。
 一つは、 俺はミカとの戦闘で体中に風穴をあけられたことによって右腕を切り落とされる程度の痛みには、 完全に慣れてしまったからだ。
 もう一つの理由だがそれは俺に切りかかった犯人が俺のよく知る人物だったからだ。


 「お前! 今まで一体どこで何をしていたんだ!」
 「そう怒るなよアリシア」


 そう。 俺の右腕を切り落とした人物はアリシアだったのだ。
 今のアリシアは怒りで顔を真っ赤にしており、 目の下にものすごい隈が出来ていたが、 それでもアリシアの美しさは全く損なわれていなかった。


 「怒るなだと? 城の仕事を放り出しておいて怒るなと言うほうが無理だ!」
 「その点に関しては本当に悪かった。 だから俺のもう片方の腕も切り落としていいからそれでもう許してくれないか?」
 「ファントム様は本当に女性心がわかっていないですね 」


 そう言いながら現れたのはリーゼだ。
 リーゼは顔こそは笑顔なのだが、 目だけが全く笑っていなかった。


 「な、 なあリーゼ。 お前も怒っているのか?」
 「いえいえ。 私は全然怒っていませんよ詐欺師さん?」
 「あのお願いだからその名前だけは勘弁してくれ……俺だってまさかこんなに城にこれなくなるとは思ってなかったんだ……」
 「ならお前が城にこなかった理由を言え!」
 「ダンジョンに潜ってたんだよ……」
 「ダンジョンですか?」
 「それでなぜお前はダンジョンなんかに潜っていたんだ?」
 「それは言えない」
 「それは何故ですか?」
 「俺の正体がバレる可能性があるからだ」
 「はぁ。 全くお前は……」


 アリシアは大きなため息をつきながら、 左手に握っていた剣を下ろしてくれた。


 「えっと……もしかして許してくれるのか?」
 「今回は一回目と言うことで特別に許してやる! だが次無断で城に何日も来なかったときはわかっているだろうな?」
 「わ、 わかった」
 「ふん!」
 「全くアリシア様は本当に素直じゃないですね」
 「そう言おうお前だってファントムの奴が城に来なくて、 ずっとソワソワしていたじゃないか!」
 「そ、 それは……」
 「リーゼ...…」


 俺は感激のあまりついリーズの手を握ってしまった。


 「あ、 あのこんなことをされたら……」
 「おい。 お前なぜリーゼの手を握っている?」
 「えっとそれは……」
 「ほう……私に口答えしようというのか?」


 あ、 これかなりまずい奴だ。


 「も、 もちろんアリシアにもするつもりだったぞ?」
 

 俺はそう言った後アリシアの手を握るのではなく、 アリシアの体に抱き着き、 耳元で次のような言葉を囁いた。


 「今回ばかりは本当に俺が悪かったと思っているし、 反省もしている。 だからもうこれ以上いじめないで欲しいな?」
 「わ、 わかった! わかったから! 離れろ!」
 

 アリシアの奴照れてるのか?
 アリシアが落ち着くまでは数分の時間を要した。


 「そう言えばリーゼ。 なんでアリシアの目には隈が出来ているんだ?」
 「それはファントム様のやるべき仕事をすべてアリシア様がやっていたからですよ」
 「そうなのか?」
 「そうだが何か文句あるか?」
 「いや本当にお前には迷惑かけてばかりで本当にすまないと思ってな……」
 「夫婦が互いに助け合うのは当然のことだ。 だからそう気にするな」
 「アリシア様はそう仰っていますが本当は、 ファントム様がずっと城に来なくて自分が捨てられたのではないかと不安になって眠れなかったので仕事をしてごまかしていただけなんですけどね」
 「おい! リーゼ! 変なことを言うんじゃない!」
 「アリシア……」
 「おい! そんな温かい目でこっちを見るんじゃない!」
 「ということでファントム様の仕事は今ないんですけどどうなされますか?」
 「そうか。 それなら今からお前らに俺の契約している天使と悪魔を紹介しようと思うんだがいいか?」 
 「お前今回のダンジョン探索で天使とも契約したのか?」 
 「そうだ」
 「本当にファントム様は規格外の方ですね」
 「それじゃあ今からここに来るよう連絡するから少し待ってくれ」
 「わかった」
 「わかりました」


 (おいルー。 聞こえるか?)
 (聞こえるわよ)
 (優。 連絡はこの負け犬じゃなくて私にすればいい)
 (その点に関しては後で話し合おうな。 とりあえず今から城に来てくれるか?)
 (了解よ)
 (わかった)


 俺は二人の返事を聞くと会話をきった。





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