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職業執行者の俺、 天使と悪魔と契約して異世界を生き抜く!!(旧題: 漆黒の執行者)

サクえもん

第十二話 堕天使ルシファー

 「この部屋、 少し血なまぐさいわね。 それに、 死体らしきものも沢山あって邪魔ね。 よし消しましょう。  バニッシュ」


 金髪の女性がそう言った瞬間地面にあった死体は一瞬にして消え、 そのことに女性は満足な表情をした。


 「ふぅ。 これですっきりしたわね。 では、 始めましょうか」


女性はそう言うと優の事を見た。


 「待て。 始めるとは、 一体何をだ? 正直に言って俺は今のこの状況を完全に理解できていない。 それにお前は、 何者なんだ? 天使のようにも見えるし悪魔のようにも見えるのだが? そして何よりも四人を気絶させたのはお前か?」
 「そんなに一気に質問しないでよ。 一応最低限の質問には答えてあげるから」
 「それは助かる」
 「さてまず初めに今の状況についてだけど簡潔に言うと今からあなたが私の契約者にふさわしいかのテストを受けてもらうわ
 「テストだと?」
 「そうテスト。 あ、 因みに合格条件は教えてあげないから」
 「そんなこと百も承知だ。 それでテストって何するんだ? それくらいは教えてくれ」
 「テストの内容は至ってシンプル。 私と殺し合いをするだけ」


 女性の態度は言葉の意味とは裏腹に飄々としていたものだった。  


 「もしテストに不合格だった場合俺はどうなる?」
 「そんなの死以外あるわけないでしょう?」
 「マジかよ……」


 この時優は自分はもしかしたら相当な悪運の持ち主ではないかと思った。


 「次に私の事ついてだけど、 私の名前は堕天使ルシファー。 こんな天使みたいな形をしているけど一応悪魔よ」
 「ちょっと待って! お前があの堕天使ルシファ―なのか!?」


 堕天使ルシファーと言えば元天使であったが神に反乱を起こし、 その結果最終決戦で天使長ミカエルに敗れ、 地上に落ち悪魔の王になったと言われる大悪魔である。
 だが堕天使ルシファーの性別は普通男である。
 だが今優の目の前にいるのは紛れもない女性であった。


 「おい。 普通ルシファーと言ったら男じゃないのか?」
 「その質問には答えてあげない」
 

 -コイツ!
 優はいら立ちのあまり舌打ちをしたのだが女性はたいして気にした素振りは見せなかった。


「さて最後にあの四人を気絶させたのは私よ。 だって今からするのはテストなんだし、 一対一じゃないとフェアじゃないでしょ?  はい。 これで説明終わり。 さあ武器を構えなさい。 一分待ってあげるわ」
 「は!? 急すぎだろう!」
 「そんなこと言ってる暇があるなら早く構えなさい。 じゃないと死ぬわよ?」


 ルシファーの目は殺意に満ちており、 ルシファーのその言葉が本気であると物語っていた。
 

 「糞が! クリエイト!」


 優は先ほどの戦闘で武器が壊れていたため止むを得ず創造魔術を使い先ほど壊れた自身の武器を作り出した。


 「よし一分たったわね。 じゃあ、 始めましょうか」


 その瞬間ルシファーは優の後ろに出現した。
 

 「な!」


 -速すぎる!
 優はルシファーの実力を見誤っていた。
 ルシファーは優の背中に回ると首目掛け手刀をはなってきた。


 「死んでたまるか!」


 優はルシファーの攻撃にギリギリ反応が間に合い、 手に持っていた短剣をルシファーの顔めがけ投擲した。 
 ルシファーはそれを自身の腕を盾にすることで防いでいた。


 「正直驚いたわ。 まさか私の初撃に気づくなんてね。 てっきりあのまま終わりかと思ったけれど なかなか楽しませてくれそうね」
 「言ってろ。 化け物」


 優の短剣はルシファーの腕を貫いており、 腕からは血が流れていた。
 だがルシファーが短剣を引く抜くと血は止まり、  傷跡はそこにはなかった。
 ーこの状況かなりつらい
 優の武器は自身の寿命と引き換えに作り出すものである。
 その為耐久戦に持ち込んだ場合優の勝率は限りなく薄い。
 かといって短期戦に持ち込もうとしたとしても優のステータスはルシファーから見たら圧倒的にしたであり、 一撃でもくらえばまともにくらえば即死である。
 唯一の救いは速さだけが相手より勝っている点だが、 火力が出ない為優の攻撃をいくら与えようが瞬時に回復されるだけであり、 まさに絶対絶命の状況と言えた。
だが優にはそんな状況を打開する作戦が一つだけあった。


 「さて今度はこちらから仕掛けさせてもらうぞ! 堕天使ルシファー!」


 優はそう叫ぶと創造魔術を使い短剣を作ってはすぐにルシファー目掛けて投擲した。
 ルシファーは自身に生えている翼を使い、 優の攻撃をあっさりすべて躱してしまった。


 「あなたがさっき私に短剣を当てれたのは私が油断していたからなのよ? そんなこともわからないなんて、 興ざめにも程があるわ」
 

 ルシファーは優のそんな行動に不快感を露わにした。
 だがこの時点で優の作戦は成功していた。


 「かかったな! ルシファー!」
 「な!? これは!?」
 

 ルシファーの周りには無数の糸が張られていた。
 実は優は短剣を投げる際柄の部分に糸を結びつけておいたのだ。
 それを優はあたかもルシファーを狙って投げていると見せかけ壁に放っていたのだ。


 「お前は自分の力に慢心している部分がある。 そんなお前のことだ。 俺が短剣を無闇に投げている姿を滑稽に思い、 よく見れば気づくような些細なことも見逃す。 そんな馬鹿なミスをしてくれると信じてたよ」
「やってくれたわね……」
  

 ルシファーはこの時歓喜していた。
 今まで自分をここまで追い詰めた人間はいなかった。
 その為ルシファーはひどく退屈しており、 自分を打ち負かすような人間の出現を心から願っていた。
 そんなときに自分を打ち負かす可能性をもった人間が現れた。
 これほどの喜びをルシファーは味わったことはなかった。




  「降参するなら今の内だぞ? いくら再生力がすさまじいといってもお前の強度は人間並み。 俺の元に来る前には、 お前は肉の塊になっちまうぞ?」
 「ふふふ! いいわ! 貴方には私の本気を見せてあげる!」
 「おいおい。 流石にその状況を抜け出せるわけが……」」  
 「バニッシュ」


 ルシファーはワンフレーズそう呟くと周囲を覆っていた糸の結界は跡形もなく消え去った。


 「さあこれで糸の結界は、 破ったわよ。 次は何を見せてくれるのかしら?」
 「おいおい。 チートも大概にしろよ……」」」
 「あなたの悔しそうな顔。 とてもいいわ! 早く次の策を見せて頂戴!」


 ルシファーの表情はまるで無邪気に笑う子供の様であった。


 「この性悪女め……」
 「早く! 早く!」
 「期待してもらってるところ悪いがもう俺に打つ手はない。 降参だ」
  

 俺は両手を上げ降参の意を示した。


 「なんだ。 結局あなたもその程度だったのね」


 ルシファーは自分の見込み違いに落胆した。


 「まあでも今ままで私をここまで楽しませてくれた人間はいなかったわ。 だからご褒美に、 私の手で直接殺してあげる」


 ルシファーはゆっくりと歩み始め、  優の正面に立った。
 だがルシファーは優の前に立っても一向に優を殺そうとせず、 考え込むような仕草をした。


 「おい。 どうしたんだよ。 早く俺の事殺らないのか?」 
 「よし決めた! 貴方の願い一つだけ聞いてあげるわ!」
 「は?」


 ユウにはルシファーの意図が全く理解できなかった。


 「おい。 それは一体どういうつもりだ?」
 「お礼よお礼。 貴方との殺し合いは非常に有意義なものだったわ。 だからそのお礼。 でも私と契約したいというのはダメよ?」


  -これは中々ついてるな。
 優の願い事など迷いもなく決まっていた。


「じゃああそこに倒れている女性四人の命を取らないでくれ」


 ルシファーは優のその言葉に非常に満足そうな顔をしていた。


「ふふふ、 やっぱりあなた普通の人間とは大分違うのね。 普通この場合自分の命を助けてくれっていうのが普通だと思うのだけれどね」
「あいにく俺は自分の命は惜しくないんでね」
「あなた本当に面白いわね。 本当に殺すのがもったいないくらいに」
 「大体お前俺が自身の命を助けてくれと言っても守る気ないだろう?」
 「ええ。 本当はお願いをかなえるなんて言葉嘘にしようと思っていたわ。 でも気が変わったわ。  あなたのその願いかなえてあげる」
 「それは助かる」
 「ちなみにあなたが命乞いなんて真似していたら死ぬよりもつらい苦痛を一生与え続けようと思っていたのだけれどね」
 「やはりな。 まあそんなことはどうでもいい。 早く殺せ」
 「もうせっかちね」


 ルシファーは少し拗ねた表情を優に見せた。


「じゃあね。 あなたとの殺し合い楽しかったわ」


 ルシファーはその瞬間優の胸を手で貫いた。
 ーああ。 これで終わりなのね
  だがそんなルシファーの思考は腕の痛みによってかき消された。


 「ふはははははは! この間抜けが!  俺がそんな簡単に自分の人生を諦めるわけないだろ!」


 優はルシファーに貫かれた瞬間腕を掴んでいたのだ。
 ただ顔は貫かれた際の苦痛で歪んでおり、 出血もすさまじく腕を抜かれたら出血多量で、 即死と言った状況であった。


 「な!? 腕が抜けない!」
 「アクセル!」
 

 優はアクセルを使い自身の速さを上げると自身の腰にある銃のホルダーから銃を引き抜きルシファーの頭目掛け発砲した。


 「ウッ! でも!」


 優の放った銃弾はルシファーの頭に見事直撃していた。 
 だが銃を撃った際、 腕を掴む力が弱まっており、 引き抜かれてしまった。
 

 「はあはあ……まさかそんなところに銃なんて隠していたなんて予想外だったわよ……もし私がその銃で頭を吹き飛ばされていたら負けだったわ。 でも最終的には、 やっぱり私の勝ちね」
 「……」


 優には喋る気力すら残っていなかった。
 ーここで終わるわけにはいかない!
 優は最後の力を振り絞り、 指で音を鳴らした。

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