転移したらダンジョンの下層だった
二百五十三話狩って狩って狩り尽くす
ランドリザードを討伐した翌日、ソウスケ達は朝からダンジョンに潜って一階層から十階層までのモンスターを討伐・・・・・・いや、殺戮していた。
一階層から十階層までにランク不相応のモンスターが出れば多少の余裕がある冒険者達はダンジョンに潜ろうとしない。
それを読んでいたソウスケはランドリザードが現れたと分った翌日からエアーホッケーに必要な魔石を集める為に狩りつくす勢いでモンスターを倒し続けている。
「ザハーク、これで今日何体ぐらいのモンスターを倒した?」
「おそらくですが三百体程のモンスターは倒しているかと。そしてまだ自分達がいる階層は七階層なのでまだまだ魔石を集められるかと」
「まだ百数十程集められそうですね」
狩りつくせば魔石の合計数は四百オーバーになる。
普通に考えればとんでもなく多い数なのだが、それらを組み合わせて一枚の板に加工するソウスケにとって小さい魔石が大量に無ければ一枚の板を造るのにもかなり苦労する。
そんなソウスケにとって今回の一階層から十階層にランドリザードが現れた事は朗報であった。
一定間の階層のモンスターを狩りつくせばギルドは危険視すべきモンスターが現れたのか、それともそれだけの力を持った冒険者がいるのかの二択を考える。
前者ならソウスケに害は無いが、後者はソウスケが疑われてしまう可能性がある。
なので一定間冒険者が潜らない状況でモンスターを狩り尽くしたとしても、ある程度日が経てば元に戻る。
「さて、もう一時間倒しまくるぞ」
それからソウスケ達はトップスピードでダンジョンを賭け回り、出会うモンスターを全て倒し気配感知のスキルを使って視界に映らないモンスターを探し出して殺す。
その日、上層から殆どの命が消えた。
ダンジョンから戻ってギルドへ向かったソウスケはギルドの職員に呼ばれ、個室へと案内された。
そこでソウスケは職員から以前モンスターから助けた貴族の子供達の親から会いたいと要望が届いていると伝えられ、貴族街へ入る事が出来る証明書を渡された。
言ったからといって理不尽な事は起こらないだろうと思ったソウスケはギルドの職員へそれぞれの家へ行く日にちを伝えた。
「何とも言えない顔をしていますねソウスケさん」
「いや、別に面倒な事は起こらないとは思うんだが、あまり畏まった態度を取るのは得意じゃないからさ」
自分の息子の命を助けた人物に対してそこまで細かい事は言わないだろうと考えているが、それでもそれを周囲の人までが同じように感じているかはまた別。
「ソウスケさんはやはり権力者の相手をするのが嫌いなのですか?」
「嫌いというか、相手がどんな道を歩んできたのかは知らないけど、俺より話し合いに関して経験豊富なのは間違いない。だから俺が物事を有利に運べることは殆ど無いだろう。相手が良識のある人なら別だけど」
以前娯楽の商品の値段を決める為に話し合ったトーラスなどはソウスケの中で良識のある人物判定だった。
「ただ、権力を持っていて傲慢な相手は面倒だ。俺はここに来て大きな力を手に入れた。おそらくだが、その傲慢な相手を殺す事だって出来る。傍にいる護衛次第だけどな」
「その時は私達がその護衛を始末します」
ミレアナの即答に、ザハークの頷きにソウスケは目を丸くした後ニヤっと口角を上げる。
「ほんっと、お前らは頼りになるな。んでな、そのムカつくクソッタレ野郎を殺す事は出来る筈。でも俺達にいくら正当な理由があったとしても、世間的には俺達が悪いと思われても可笑しくない。権力者は自分達の不祥事を隠すのが上手いからな」
「・・・・・・そういえば、前に似たような話をしましたね。そういったクソッタレ野郎を始末する場合、どういった手段を取られるのですか? 私としては新たにそのような技能を持った奴隷を買うのも一つの手だとは思いますが」
ミレアナの考えは決して間違ってはいない。
事実、爵位の高い貴族が有する暗殺集団の中には奴隷としてその技能を買われた者もいる。
しかし日本で生まれ育ったソウスケは買った奴隷をその様に扱うと判断する程、割り切れる感情は持っていない。
一階層から十階層までにランク不相応のモンスターが出れば多少の余裕がある冒険者達はダンジョンに潜ろうとしない。
それを読んでいたソウスケはランドリザードが現れたと分った翌日からエアーホッケーに必要な魔石を集める為に狩りつくす勢いでモンスターを倒し続けている。
「ザハーク、これで今日何体ぐらいのモンスターを倒した?」
「おそらくですが三百体程のモンスターは倒しているかと。そしてまだ自分達がいる階層は七階層なのでまだまだ魔石を集められるかと」
「まだ百数十程集められそうですね」
狩りつくせば魔石の合計数は四百オーバーになる。
普通に考えればとんでもなく多い数なのだが、それらを組み合わせて一枚の板に加工するソウスケにとって小さい魔石が大量に無ければ一枚の板を造るのにもかなり苦労する。
そんなソウスケにとって今回の一階層から十階層にランドリザードが現れた事は朗報であった。
一定間の階層のモンスターを狩りつくせばギルドは危険視すべきモンスターが現れたのか、それともそれだけの力を持った冒険者がいるのかの二択を考える。
前者ならソウスケに害は無いが、後者はソウスケが疑われてしまう可能性がある。
なので一定間冒険者が潜らない状況でモンスターを狩り尽くしたとしても、ある程度日が経てば元に戻る。
「さて、もう一時間倒しまくるぞ」
それからソウスケ達はトップスピードでダンジョンを賭け回り、出会うモンスターを全て倒し気配感知のスキルを使って視界に映らないモンスターを探し出して殺す。
その日、上層から殆どの命が消えた。
ダンジョンから戻ってギルドへ向かったソウスケはギルドの職員に呼ばれ、個室へと案内された。
そこでソウスケは職員から以前モンスターから助けた貴族の子供達の親から会いたいと要望が届いていると伝えられ、貴族街へ入る事が出来る証明書を渡された。
言ったからといって理不尽な事は起こらないだろうと思ったソウスケはギルドの職員へそれぞれの家へ行く日にちを伝えた。
「何とも言えない顔をしていますねソウスケさん」
「いや、別に面倒な事は起こらないとは思うんだが、あまり畏まった態度を取るのは得意じゃないからさ」
自分の息子の命を助けた人物に対してそこまで細かい事は言わないだろうと考えているが、それでもそれを周囲の人までが同じように感じているかはまた別。
「ソウスケさんはやはり権力者の相手をするのが嫌いなのですか?」
「嫌いというか、相手がどんな道を歩んできたのかは知らないけど、俺より話し合いに関して経験豊富なのは間違いない。だから俺が物事を有利に運べることは殆ど無いだろう。相手が良識のある人なら別だけど」
以前娯楽の商品の値段を決める為に話し合ったトーラスなどはソウスケの中で良識のある人物判定だった。
「ただ、権力を持っていて傲慢な相手は面倒だ。俺はここに来て大きな力を手に入れた。おそらくだが、その傲慢な相手を殺す事だって出来る。傍にいる護衛次第だけどな」
「その時は私達がその護衛を始末します」
ミレアナの即答に、ザハークの頷きにソウスケは目を丸くした後ニヤっと口角を上げる。
「ほんっと、お前らは頼りになるな。んでな、そのムカつくクソッタレ野郎を殺す事は出来る筈。でも俺達にいくら正当な理由があったとしても、世間的には俺達が悪いと思われても可笑しくない。権力者は自分達の不祥事を隠すのが上手いからな」
「・・・・・・そういえば、前に似たような話をしましたね。そういったクソッタレ野郎を始末する場合、どういった手段を取られるのですか? 私としては新たにそのような技能を持った奴隷を買うのも一つの手だとは思いますが」
ミレアナの考えは決して間違ってはいない。
事実、爵位の高い貴族が有する暗殺集団の中には奴隷としてその技能を買われた者もいる。
しかし日本で生まれ育ったソウスケは買った奴隷をその様に扱うと判断する程、割り切れる感情は持っていない。
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