転移したらダンジョンの下層だった
八十八話一長一短
ソウスケとミレアナが再び手ごろなモンスターを探し始めてから約二十分後、二人はようやく手ごろなモンスターと遭遇した。
「・・・・・・ミレアナ、こいつは何て名前のモンスターなんだ? 熊系って事は分かるんだが」
自分のスキルに鑑定がある事をすっかりと忘れていたソウスケは、目の前のモンスターについてミレアナに尋ねた。
「名前はグレーグリズリーです。体毛が灰色なのが一番の特徴ですね。あの毛皮のおかげで火と風の魔法には少し耐性があったはずです。ランクはDですが、オークよりは普通に強いです」
「へーーー、まぁ、ただの熊じゃ無いんだから毛皮にそんな効果があっても可笑しくはないか」
グレーグリズリーの毛皮の効果に感心しながらソウスケは自分の手に付けている指輪を撫でていた。
(そういえば、あの日娼館に行って以来指輪に変換しっぱなしだったな。ミレアナに俺のメインの武器を見せるって言ったし、こいつでちゃちゃっと日が暮れる前に終わらそう)
手に付けている指輪を蛇腹剣に戻し、左手でグレーグリズリーを挑発するように指を動かした。
ミレアナはいきなり姿を指輪から見た事が無い剣に変えたのに驚いているが、ソウスケは今は取りあえず無視した。
「グウウウゥゥゥゥ・・・・・・」
ソウスケに挑発されたグレーグリズリーは見事にソウスケの挑発に乗り、四足歩行から二足歩行に変わった。
(・・・・・・四足歩行の方が良いんじゃないのか? いや、二足方向が悪いって訳じゃないんだけどな。まっ、これから戦う相手の心配をしても仕方ないか)
ソウスケはその場で数回ステップを刻み、左足を蹴り出し一直線に前へ飛んだ。
自分に向かって来る敵に対し、少し反応が遅れながらグレーグリズリーは右手をタイミングを合わせて力強く振り回した。
(へぇーーーー。良い目か感覚は持っているんだな)
自分にジャストに爪が当たる様に右手を横に振り回すグレーグリズリーに、ソウスケは驚きながらも冷静に対処した。
空中で上体完全に逸らしてグレーグリズリーの剛腕を躱した。
このソウスケの行動にグレーグリズリーだけでなくミレアナも驚いていたが、攻撃を避けた本人はたまたま運が良かっただけだと思っていた。
(真横にじゃなく、斜めに腕を振られていたたら今の様な避け方はできなかったから、な!!!)
右腕の剛腕を躱したソウスケはグレーグリズリーの腹に両足で蹴りを決めた。
グレーグリズリーは右手でソウスケの蹴りを防御しようとしたが間に合わず、もろに腹に蹴りを貰い後ろに吹き飛んだ。
だが、吹き飛ばされたグレーグリズリーは直ぐに体を起こし、今度は自らソウスケに突っ込んできた。
(蹴りを加えた感触からして骨は何本か折れたと思うんだけどな・・・・・・物理耐性とか鈍感みたいなスキルでも持っているのか? それとも自然の中で生きてきたからそれくらいの傷では怯まないって事か?)
自分の蹴りがあまり効いていない理由を考えながらも、ソウスケは蛇腹剣に魔力を纏い始めた。
そして自分に向かって来るグレーグリズリーに対して蛇腹剣を刃を伸ばし、右足を抉り斬った。
「グアアアアアア!!???」
グレーグリズリーは抉り斬られた痛みで声を上げながら右斜め方向に転がり込んだ。
後ろからソウスケがグレーグリズリーに仕掛けた攻撃を見たミレアナは、直ぐに蛇腹剣の有能性を理解した。
(あの武器は剣というよりは鞭に近いですね。そしておそらく操るのに必要なのは技術でなく意識。いえ、勿論技術は必要だと思いますけど、戦闘中にあの武器を自在に操るとなるとどれだけ武器と体、二つを意識して動けるかが重要なはずです。私ではそんな事出来ませんね。というか怖くてしたくないです)
操り方を一歩間違えれば相手の攻撃を貰に喰らってしまう蛇腹剣を、ミレアナは自分も使って見たいとは思わなかった。
右腕を抉り斬られたグレーグリズリーは少しの間、何が自分の身に起こったのか理解出来なかったが、鈍く強い痛みにより自分の右腕がなくなった事を自覚した。
そしてその事がトリガーにになり、グレーグリズリーの怒りは最大値まで上昇した。
「グオオオオアアアアア!!!!!!!!」
周りに大きな振動を与えるほどの方向を上げながらソウスケを睨み付け、今度は上に大きく跳躍した。
「おいおい、痛みは感じていないのか? もしかしてアドレナリンがドバドバ出て本当にそうなのかもな。そんで・・・・・・」
ソウスケは上に大きく飛んだグレーグリズリーに違和感を感じた。
ミレアナもそれに気づき、ソウスケに自分が感じた違和感を伝えた。
「ソウスケさん!!! おそらくグレーグリズリーは身体強化のスキルを使っている筈です!!!」
「・・・・・・やっぱりか。今まで使わずに舐めプしていたのか、それとも本当に使い方が分かっていなかったのか。もし後者だとしたら、次の攻撃も気をつけた方が良さそうだな」
自分が追い詰められた事で身体強化のスキルを発動させた、なら攻撃時にも何かしらの攻撃系スキルを使ってくるかもしれないと思い、迎撃準備に入った。
「・・・・・・ミレアナ、こいつは何て名前のモンスターなんだ? 熊系って事は分かるんだが」
自分のスキルに鑑定がある事をすっかりと忘れていたソウスケは、目の前のモンスターについてミレアナに尋ねた。
「名前はグレーグリズリーです。体毛が灰色なのが一番の特徴ですね。あの毛皮のおかげで火と風の魔法には少し耐性があったはずです。ランクはDですが、オークよりは普通に強いです」
「へーーー、まぁ、ただの熊じゃ無いんだから毛皮にそんな効果があっても可笑しくはないか」
グレーグリズリーの毛皮の効果に感心しながらソウスケは自分の手に付けている指輪を撫でていた。
(そういえば、あの日娼館に行って以来指輪に変換しっぱなしだったな。ミレアナに俺のメインの武器を見せるって言ったし、こいつでちゃちゃっと日が暮れる前に終わらそう)
手に付けている指輪を蛇腹剣に戻し、左手でグレーグリズリーを挑発するように指を動かした。
ミレアナはいきなり姿を指輪から見た事が無い剣に変えたのに驚いているが、ソウスケは今は取りあえず無視した。
「グウウウゥゥゥゥ・・・・・・」
ソウスケに挑発されたグレーグリズリーは見事にソウスケの挑発に乗り、四足歩行から二足歩行に変わった。
(・・・・・・四足歩行の方が良いんじゃないのか? いや、二足方向が悪いって訳じゃないんだけどな。まっ、これから戦う相手の心配をしても仕方ないか)
ソウスケはその場で数回ステップを刻み、左足を蹴り出し一直線に前へ飛んだ。
自分に向かって来る敵に対し、少し反応が遅れながらグレーグリズリーは右手をタイミングを合わせて力強く振り回した。
(へぇーーーー。良い目か感覚は持っているんだな)
自分にジャストに爪が当たる様に右手を横に振り回すグレーグリズリーに、ソウスケは驚きながらも冷静に対処した。
空中で上体完全に逸らしてグレーグリズリーの剛腕を躱した。
このソウスケの行動にグレーグリズリーだけでなくミレアナも驚いていたが、攻撃を避けた本人はたまたま運が良かっただけだと思っていた。
(真横にじゃなく、斜めに腕を振られていたたら今の様な避け方はできなかったから、な!!!)
右腕の剛腕を躱したソウスケはグレーグリズリーの腹に両足で蹴りを決めた。
グレーグリズリーは右手でソウスケの蹴りを防御しようとしたが間に合わず、もろに腹に蹴りを貰い後ろに吹き飛んだ。
だが、吹き飛ばされたグレーグリズリーは直ぐに体を起こし、今度は自らソウスケに突っ込んできた。
(蹴りを加えた感触からして骨は何本か折れたと思うんだけどな・・・・・・物理耐性とか鈍感みたいなスキルでも持っているのか? それとも自然の中で生きてきたからそれくらいの傷では怯まないって事か?)
自分の蹴りがあまり効いていない理由を考えながらも、ソウスケは蛇腹剣に魔力を纏い始めた。
そして自分に向かって来るグレーグリズリーに対して蛇腹剣を刃を伸ばし、右足を抉り斬った。
「グアアアアアア!!???」
グレーグリズリーは抉り斬られた痛みで声を上げながら右斜め方向に転がり込んだ。
後ろからソウスケがグレーグリズリーに仕掛けた攻撃を見たミレアナは、直ぐに蛇腹剣の有能性を理解した。
(あの武器は剣というよりは鞭に近いですね。そしておそらく操るのに必要なのは技術でなく意識。いえ、勿論技術は必要だと思いますけど、戦闘中にあの武器を自在に操るとなるとどれだけ武器と体、二つを意識して動けるかが重要なはずです。私ではそんな事出来ませんね。というか怖くてしたくないです)
操り方を一歩間違えれば相手の攻撃を貰に喰らってしまう蛇腹剣を、ミレアナは自分も使って見たいとは思わなかった。
右腕を抉り斬られたグレーグリズリーは少しの間、何が自分の身に起こったのか理解出来なかったが、鈍く強い痛みにより自分の右腕がなくなった事を自覚した。
そしてその事がトリガーにになり、グレーグリズリーの怒りは最大値まで上昇した。
「グオオオオアアアアア!!!!!!!!」
周りに大きな振動を与えるほどの方向を上げながらソウスケを睨み付け、今度は上に大きく跳躍した。
「おいおい、痛みは感じていないのか? もしかしてアドレナリンがドバドバ出て本当にそうなのかもな。そんで・・・・・・」
ソウスケは上に大きく飛んだグレーグリズリーに違和感を感じた。
ミレアナもそれに気づき、ソウスケに自分が感じた違和感を伝えた。
「ソウスケさん!!! おそらくグレーグリズリーは身体強化のスキルを使っている筈です!!!」
「・・・・・・やっぱりか。今まで使わずに舐めプしていたのか、それとも本当に使い方が分かっていなかったのか。もし後者だとしたら、次の攻撃も気をつけた方が良さそうだな」
自分が追い詰められた事で身体強化のスキルを発動させた、なら攻撃時にも何かしらの攻撃系スキルを使ってくるかもしれないと思い、迎撃準備に入った。
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