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転移したらダンジョンの下層だった

Gai

六十一話チートにも問題はあるな

娼館から出て宿にただり着いたソウスケは、直ぐに部屋へ向かった。

「ふぁ~~~~、本当はあんまり長居するつもりは無かったんだけどな。つい熱くなってしまったな。まぁ、収穫があったんだし良しとしよう」

部屋の中に入ったソウスケはベットへダイブした。
そしてセルガ―と話し合った商談? の内容を思い出していた。

「実際言って体験した訳じゃないからあまり正確な事は伝えることが出来なかったけど、そこら辺はセルガ―さんが何とかしてくれるだろう。それよりも俺は約束した物を考えないとな」

ソウスケはセルガ―と約束した、リフレで客が娼婦と過ごす時間の間に一緒に楽しめる道具を何にするか考えていた。

(普通に考えたらトランプが一番良いんだけど、あんな紙をどうやって作るか全く分からないからな。順当にいけば、簡単なのはやっぱりオセロとジェンガ・・・・・・チェスは作るのが少し面倒かもしれないな。すごろくは・・・・・・トランプと同じように紙に作り方が分からないからな。いや、すごろくなら薄い木の板の上に書けばいけるか? というか、その前に商業ギルドってのにそう言うのは作ったら商品登録みたいな事をしなければいけないのか? ん~~~~~、今悩んでも答えは出ないんだし、今日はもう寝よう)

眠気に負けたソウスケはセルガ―からの注文を頭の中から消して、布団の中にもぐりこんだ。
夜の戦い・・・・・・夜戦で着かれたソウスケは十秒と経たず深い眠りについた。

翌日、ソウスケは昼手前までぐっすりと寝ていた。
それから朝食を済ませ、ギルドに頼んだ解体してもらったモンスターの回収に向かった。

「はーーー、好きな時間までぐっすり寝られるってのは本当に良い事だな」

ソウスケはこの世界に来た最大の利点は、金に余裕さえあれば好きなだけ寝られる事ではないのかと思った。

(マジで睡眠欲が満たされるな。・・・・・・いや、金に余裕があれば好きなだけ寝られる。調味料が地球と比べて少ないかもしれないけど、モンスターのランクが上がればそれだけ肉は基本的に旨い。女性も地球と比べて圧倒的に容姿のレベルが高い人が多い。睡眠欲どころか、人間の三大欲求すべてが満たされる世界だな。・・・・・・まぁ、条件付きではあるが)

ソウスケの考え通り、地球と比べて人間の変わらない三つの欲、食欲、性欲、睡眠欲はこの世界の方が充実しているかもしれない。
だが、安定してそれらを得るには、金と力が必要だった。
地球の場合は、ある程度社会人になるまでのレールが引かれているので、金はそのレールを辿って行けばある程度は手に入る。ある程度から上に行くには個人の才能と努力が必要だが、三大欲求の内の二つの食欲と性欲は金で買える。睡眠欲だけは就く仕事によって変わってしまうが、三大欲求を手に入れるのに物理的な力は基本的に要らない。そして日常生活の中に大きな危険を基本的には無い。

しかし、この世界では物理的な力と、多くの金が三大欲求を満たすためには必要になる。そして地球・・・・・・いや、日本と比べて危険が圧倒的に多い。
金を手に入れるにしてもソウスケの方法だと、常に死の危険がある。安定とは程遠い職場環境? と言える。

「後は・・・・・・平成っ子の俺としては、娯楽欲? が満たされないな。まぁ、あの神様からチートなスキルを貰ったから、ある程度良い生活は出来てるからそこまで文句はないんだけどな。貰った武器も、意外と使えるしな」

ソウスケは、ニヤリと笑いながら自分がアイテムボックスに閉まっている、切り札の武器を思い出した。
ソウスケの今の切り札は二つ、蛇腹剣に水龍の蒼剣。二つとも性能は超チート級の武器だ。

(蛇腹剣の方はダンジョンにいる間ずっと使っていたから、切り札として実戦で使うときは難なく使えると思うけど、問題は水龍の蒼剣なんだよな)

ソウスケは今まで一回も水龍の蒼剣を使ったことが無いので、いざという時に上手く扱う事が出来るのかとても心配だった。

(本当は少し水龍の蒼剣を使って実戦を体験しておきたいんだけど、物の目利きに関して素人の俺でも一目で業物、宝剣って分かる代物だからな。もし扱っているところを他人に見られたら良いか悪いかは分からないけど、とにかく目立つ。そして面倒ごとに絡まれる。うん、なんか容易に想像できる。だから素振り、シャドーで練習するのも躊躇うんだよな)

自分が抱えている問題に対してため息を一つ吐き、頭をポリポリとかきながらソウスケはギルドの中へ入った。

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