転移したらダンジョンの下層だった

Gai

十一話自己紹介

「ふーー、これで終わりか。まぁ、こんなもんだよな。って、手が血だらけになっちまったな」


俺はとりあえず、コボルトウォーリア―の腹を貫いたせいで、血だらけになった手を、水玉を宙に造り洗った。
そして後ろのいる四人組に話しかけた。


「おい、誰か怪我をしてたみたいだけど大丈夫か」


俺の言葉に体格の良い戦士っぽい奴が答えた。


「あ、ああ。大丈夫だ。ポーションを使ったからな。それにしてもあんた・・・・・・いや、まずは先に礼を言わせてくれ。本当に助かった。あんたが助けてくれなかったら、俺達は今こうして生きていることが出来なかった」


体格の良い男の人に続いて、剣士っぽいお兄さんと弓を持ってるから弓術士? 女の人も感謝の礼を言ってきた。


「本当に助かった。君がいなかったら大切な仲間を失うところだった。ここから一時間程歩いたところに僕らが拠点にしている街があるんだ。是非そこでお礼をさせてほしい」


「ええ、是非私たちにお礼をさせて」


俺は別に何か礼が欲しくてこの四人を助けた訳ではないので、断ったが中々折れてくれなかったので街までの案内と、今日の晩飯を驕ってほしいと頼んだ。
四人は俺の言葉にもう少しお礼をしたいという表情だったが、とりあえずそれで納得してくれた。


街に着くまでお互いに自己紹介をした。


「俺の名前はソウスケだ。山の中でじいちゃんと暮らしてたんだけど数年前に死んで、それから自分なりに修行してから山を下りて来たんだ」


俺はこの説明なら、納得してくれるであろうと思った。若干前に読んだことのあるラノベの言葉をパクった。
そして今度は三人が自己紹介をしてくれた。(一人はまだ気絶したまま)


「俺はスラル。パーティーの中で戦士の役割をしている」


スラルはとても体格ががっしりとしていて、いかにも戦士が似合いそうな人だった。
年齢は俺より数歳上って感じだけど、どこか渋さがある。


「僕はアガレス、パーティーの中では剣士の役割をしているんだ。よろしく」


茶髪のいかにも好青年で、一部の人からは妬まれるような顔をしている。体は細く感じるが、以外にがっしりしている感じがする。


「私の名前はエルミよ。パーティーの中では弓術士もしているわ。基本遠距離が担当ね。それでスラルにおぶさられているのがケイ。私たちのパーティーの中で盗賊の役割をしてくれているの」


エルミという女の子は髪を後ろに束ねていて、少し勝気な様子に見える。スラルにおぶさられているケイという女の子は、ショートカットで少しおっとりした様に見える。
ちなみに皆俺より年上だそうだ。


軽い自己紹介が終わると、話題が俺が何故あそこまで強いのかと理由を聞かれた。
俺としてはあのコボルトの上位種を倒しただけで、強いと認識できるのかがいまいちわからなかった。


(あーーーーでも、俺ダンジョンでワイバーンとかと戦ったから、感覚が少し普通の人とおかしくなってんのかな。多分十五歳でワイバーンを倒す人なんてそうそういないだろうな)


俺は少しなんて説明しようか悩み、先程の説明で使ったおじいちゃんを利用することにした。


「俺のおじいちゃんが昔冒険者をしてたらしいんだ。だから戦い方とかは、ほとんどおじいちゃんから教わったんだ。魔法とかはたまに遊びに来る、おじいちゃんが昔パーティーを組んでた人が教えてくれたんだ。それに山の中にいたからモンスターとは戦い慣れていたからな。後、武器とかもじいちゃんの冒険者時代のを貰ったからね」


俺の説明を聞いて四人は、どうやら納得してくれたようだ。


(ほっ、即席の嘘がつうじて良かった。これからもこの設定でいくとしよう)


「そういえばその剣はなんていう種類の剣なんだい? 僕は一応剣士なわけだから、街の図書館などを利用して件について学んでいるんだけど君が持っている剣の形状は初めてみるよ。一体なんていう剣なんだい」


アガレスの質問に俺はなんて答えたらいいのか、そもそも答えていい物なのか迷った。



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