異世界を楽しみたい転生者
少年期[276]そんな事する訳無いだろ
「相変わらず贅沢の野営ね。私が奴隷になる前の冒険者時代じゃ考えられなかったわ」
「そうなのか? アレナは元Aランクの冒険者だったのだろう。それならば今ゼルートが提供してくれるような状態とまではいかずとも、一般的な冒険者と比べたら良い暮らしなんじゃないのか?」
「確かにそうかもしれないけど、冒険するのにも色々と費用が掛かるからそういったマジックアイテムは売る事が多かったのよ」
武器の修理代、宿代、ポーション代等々、依頼をこなす為にもある程度の費用が必要だったためAランクの冒険者だったアレナでも、今ほど良い暮らしはしていなかった。
「なるほど・・・・・・そう言えばこのテントはゼルートの自作なんだったか?」
「ああ、一応な。モンスターの皮とかを使て後は空間魔法と錬金術のスキルを使ってな」
「・・・・・・何時もの事だけれど、十二歳の子供が言う言葉じゃないわね。それにしても空間魔法ね・・・・・・その魔法を習得している冒険者は本当に数える程しか見た事が無いわね」
「そりゃそうだろうな。空間魔法が使える連中は基本、錬金術ギルドに加入している筈だ。冒険者で稼ぐより、そっちで錬金術を覚えてアイテムポーチやバッグを造る方が断然儲かるからな」
ゼルートの言葉にルウナは全く知らなかった真実に驚いていたが、アレナはどこか納得した表情を浮かべていた。
「あぁ~~・・・・・・そういう事ね。確かに私があった空間魔法持ちの冒険者は仲間とワイワイ騒いで冒険するのが楽しいから冒険者をしているって言っていたわ」
「だろうな。まっ、戦闘で空間魔法を使えれば敵の隙を突く事が容易に出来るからな」
「そういった技があるのか?」
「テレポートって技があるんだよ。スキルレベルをどれだけ上げても転移魔法に距離では敵わないけど、移動する時間だけで言えばテレポートの方が圧倒的に速い。本当に一瞬って言えるレベルで移動するからな。熟練した魔法使いなら高レベルの魔法を詠唱しながら敵の攻撃が迫って来る瞬間にテレポートを使い、背後から攻撃する事が出来る・・・・・・って父さんから聞いた」
自身の攻撃を躱されて背後から迫る高レベルの魔法。ルウナは考えただけでゾッとした。
「ゼルートはそれと同じことが出来るのか?」
「・・・・・・どうだろうな? 俺は空間魔法より錬金術のレベルの方が高いからな。まだそれは無理なんじゃないのか?」
「ゼルートが見せてくれたあの・・・・・・錬金獣? ってのを見れば納得できるわ」
ローガスを殺す際に使われた錬金獣を見て、全くの専門外だがアレナはゼルートの錬金術に関する腕の高さが分かった。
(とは言ってもまだ・・・・・・ねぇ。いつかは出来る、そう考えて良いのよね)
戦術の幅があまりにも広いゼルートにアレナは思わずため息を吐く。
もう自分の主がどんな人脈や技術にマジックアイテムを持っていてもそう驚く事は無いだろうと思っていたが、驚嘆せずにはいられない情報だった。
「・・・・・・ゼルート、あなた一人で錬金術ギルドに喧嘩を売れるんじゃないかしら?」
「いや、流石に無理だから。規模というか人材の量が違い過ぎるし。蟻対像みたいなもんだろ」
「数では敵わなくても、質ならばあなたの方が上でしょう」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・まぁ、それはそうかもしれないな」
かなり長い間があったが、自身が造っていたマジックアイテムやポーションを考えるとあまり自分を卑下出来なかった。
「ただそんな事するつもりは一切ないよ。無意味なだけだし。そんな事より今はあの問題をどう解決するかを考えないと」
「あぁ~~~、それもそうだな。だが、向こうの子爵家はゼルートの事を知っているのだろう。だったら普通に考えて引くと思うんだが」
「俺もそう思った。事実父親の方は娘にゲイルを護衛にする事は諦めようと説得しようとしたらしいけど、娘の方が全く引かなかったらしい」
「それは父親も強くは言えないわね。ゼルートよりも年下なんでしょう。なら尚更ゲイルを諦める事は無いと私は思うわ」
アレナの言葉にゼルートは深く賛同出来た。
(俺も前世の子供の頃は結構我儘だったもんな・・・・・・それが貴族の令嬢っていう、完全に甘やかされる立場で育ってきたんだったら余程の事が無い限り諦める事は無さそうだ)
やはり勝負事で解決するしかないのかと、脳筋提案しか浮かばない自分が悲しかった。
(売られた喧嘩を勿論買うが、やり返す方法をもう少し色々考えないとな・・・・・・・・・・・・転生してもう一度新しい人生を送る事になっても、やっぱり頭はバカ寄りだな)
「そうなのか? アレナは元Aランクの冒険者だったのだろう。それならば今ゼルートが提供してくれるような状態とまではいかずとも、一般的な冒険者と比べたら良い暮らしなんじゃないのか?」
「確かにそうかもしれないけど、冒険するのにも色々と費用が掛かるからそういったマジックアイテムは売る事が多かったのよ」
武器の修理代、宿代、ポーション代等々、依頼をこなす為にもある程度の費用が必要だったためAランクの冒険者だったアレナでも、今ほど良い暮らしはしていなかった。
「なるほど・・・・・・そう言えばこのテントはゼルートの自作なんだったか?」
「ああ、一応な。モンスターの皮とかを使て後は空間魔法と錬金術のスキルを使ってな」
「・・・・・・何時もの事だけれど、十二歳の子供が言う言葉じゃないわね。それにしても空間魔法ね・・・・・・その魔法を習得している冒険者は本当に数える程しか見た事が無いわね」
「そりゃそうだろうな。空間魔法が使える連中は基本、錬金術ギルドに加入している筈だ。冒険者で稼ぐより、そっちで錬金術を覚えてアイテムポーチやバッグを造る方が断然儲かるからな」
ゼルートの言葉にルウナは全く知らなかった真実に驚いていたが、アレナはどこか納得した表情を浮かべていた。
「あぁ~~・・・・・・そういう事ね。確かに私があった空間魔法持ちの冒険者は仲間とワイワイ騒いで冒険するのが楽しいから冒険者をしているって言っていたわ」
「だろうな。まっ、戦闘で空間魔法を使えれば敵の隙を突く事が容易に出来るからな」
「そういった技があるのか?」
「テレポートって技があるんだよ。スキルレベルをどれだけ上げても転移魔法に距離では敵わないけど、移動する時間だけで言えばテレポートの方が圧倒的に速い。本当に一瞬って言えるレベルで移動するからな。熟練した魔法使いなら高レベルの魔法を詠唱しながら敵の攻撃が迫って来る瞬間にテレポートを使い、背後から攻撃する事が出来る・・・・・・って父さんから聞いた」
自身の攻撃を躱されて背後から迫る高レベルの魔法。ルウナは考えただけでゾッとした。
「ゼルートはそれと同じことが出来るのか?」
「・・・・・・どうだろうな? 俺は空間魔法より錬金術のレベルの方が高いからな。まだそれは無理なんじゃないのか?」
「ゼルートが見せてくれたあの・・・・・・錬金獣? ってのを見れば納得できるわ」
ローガスを殺す際に使われた錬金獣を見て、全くの専門外だがアレナはゼルートの錬金術に関する腕の高さが分かった。
(とは言ってもまだ・・・・・・ねぇ。いつかは出来る、そう考えて良いのよね)
戦術の幅があまりにも広いゼルートにアレナは思わずため息を吐く。
もう自分の主がどんな人脈や技術にマジックアイテムを持っていてもそう驚く事は無いだろうと思っていたが、驚嘆せずにはいられない情報だった。
「・・・・・・ゼルート、あなた一人で錬金術ギルドに喧嘩を売れるんじゃないかしら?」
「いや、流石に無理だから。規模というか人材の量が違い過ぎるし。蟻対像みたいなもんだろ」
「数では敵わなくても、質ならばあなたの方が上でしょう」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・まぁ、それはそうかもしれないな」
かなり長い間があったが、自身が造っていたマジックアイテムやポーションを考えるとあまり自分を卑下出来なかった。
「ただそんな事するつもりは一切ないよ。無意味なだけだし。そんな事より今はあの問題をどう解決するかを考えないと」
「あぁ~~~、それもそうだな。だが、向こうの子爵家はゼルートの事を知っているのだろう。だったら普通に考えて引くと思うんだが」
「俺もそう思った。事実父親の方は娘にゲイルを護衛にする事は諦めようと説得しようとしたらしいけど、娘の方が全く引かなかったらしい」
「それは父親も強くは言えないわね。ゼルートよりも年下なんでしょう。なら尚更ゲイルを諦める事は無いと私は思うわ」
アレナの言葉にゼルートは深く賛同出来た。
(俺も前世の子供の頃は結構我儘だったもんな・・・・・・それが貴族の令嬢っていう、完全に甘やかされる立場で育ってきたんだったら余程の事が無い限り諦める事は無さそうだ)
やはり勝負事で解決するしかないのかと、脳筋提案しか浮かばない自分が悲しかった。
(売られた喧嘩を勿論買うが、やり返す方法をもう少し色々考えないとな・・・・・・・・・・・・転生してもう一度新しい人生を送る事になっても、やっぱり頭はバカ寄りだな)
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