異世界を楽しみたい転生者

Gai

少年期[241]遠回りをする結果になっても

倒した魔物を回収したゼルート達はその場から出発して進むペースを落とす。

レベルが自身と変わらない魔物と戦ってレベルが短期間で上がったソブル達のずれを直す為、わざと魔物と遭遇して無理のない数と戦って修正していく。

ゼルートがセフィーレに動きのずれのを修正する為にペースを落とすと伝えると、セフィーレはその考えに賛成した。ソブルとかカネルもゼルートの意見に賛成でローガスも仏性面のままだが反対はしなかった。
しかし以外にもリシアが長くダンジョンの中にいるのは良くないのではと、ゼルートの考えに反対であった。

確かに普通の冒険者ならば動きのずれを直すという理由で迷宮の滞在期間を延ばしたりはしない。
食料やポーション等の消耗品の限界もあるが、魔物が一切現れない安全地帯にいなければ何時魔物に襲われるか分からないという恐怖が続くので精神は削られていく。なので冒険者達はあまりダンジョンの中に長く行動したいとは思わない。

しかしそういった心配は無いと、ゼルートは食料やポーションに余裕がある事を伝える。
そしてゼルートとしてはリシアの気持ちも分からなくはないが、焦って下の階層に進んでずれを直さないままボスと戦う方がよっぽど怖いと感じると伝えると、リシアも納得し進むペースを上げる事を承諾した。

無理のないペースで戦い続ける五人の動きはずれを直す事に意識しながら戦っているお陰で、少しずつだが動きに大雑把さが無くなっていく。

二十階層に入ってからローガスも魔物を相手にするのが慣れてきたのか、対人戦で癖が無くなってきており順応し始めている。

(・・・・・・随分魔物を相手にするのに慣れてきたみたいだな。別に才能が無いって訳じゃないんだよな。魔法もしっかりと使えるし。ただ、見下し癖が無ければな・・・・・・まぁ、俺に突っかかる事はもう無いと思うけどな)

そもそも自分の父親が冒険者から位は高くなくても貴族に成ったので、ローガスが貴族以外を見下す理由に全く分からないでいる。

(過去に冒険者や平民絡みで何かあったのか・・・・・・それとも単純に成長するにつれて歪んでしまったのか、はたまた間接的な理由なのか。坊ちゃん貴族自身が何も喋らないから分からないんだけど、だからといってセフィーレさんに聞くのはプライバシー的に良くない・・・・・・よな?)

一先ずこの先自身に影響する事はないので置いておく事に決める。

そして一日に約一階層事に進んでいく中で、ゼルートは二十一階層からの感じている視線をどうするかを考えていた。

(・・・・・・十中八九、店で絡んできた三人組の冒険者だよな。狙いは女性陣と俺への骨を砕かれた恨みを晴らすってところだよな。気配をしっかりと感じられなかったのはそういうマジックアイテムを使っているからか? 未だに襲ってこない所を考えると、向こうも完全に準備が整っていない)

しかしゼルートは疑問に感じる事が二つある。一つ目はラルの存在。
体は小さくしているがドラゴンである事に変わりはない。そんなラルに勝てる勝算はあるのか。
そして二つ目は自分達の戦いを見て勝てる思っているのか。

(俺とラル、ルウナの戦いを見ても本気で勝てると思っているのか? それとも寝込みを襲うつもりか・・・・・・だったらラルがテントの外で寝ると自ら言ったのも理由が繋がる)

ゼルートとしては気になる事がもう少しあるが、不安要素は早めに潰そうと決める。

「・・・・・・あれをどう対処するのかも気になるな。ただ、今度は骨を砕くだけじゃ済ませねぇ。それは決定事項だ」

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