異世界を楽しみたい転生者
第203話少年期[193]とりあえず声を
夕食時にご飯をほとんど食べる事が出来なかったゼルートは、夜にこっそりとテントを抜け出した。
その時にゼルートの動く気配に気づいたラルは、ゼルートを追ってテントの外に出た。
そして、ゼルートは創造スキルで最高級の牛肉を贅沢に使った、ステーキ丼を出し、ラルにはオークキングの肉を焼き、塩コショウと焼き肉のたれをかけた、店で出せばかなりの値段がするものを御馳走した。
そして二人は贅沢な夜食を楽しんだ。
次の日、全員が起きて朝食を済ませると、前日より少しペースを速めながら奥へと進んだ。
進み始めてから二時間程が経ち、十二階層の半分まで来たところで、ソブルが一旦止まった。
「これは・・・・・・戦っている音、というか少し先にいるな」
最小限の護衛中にも拘わらず、全く別の事を考えていた。しかしゼルートは、いくらダンジョンでもこの階層なら何があっても、対処出来るという自信があった。
「冒険者五人と・・・・・・リザードマンが二体ですね」
「ゼルートの言う通りだな・・・・・・それで、助けに行くのか」
ルウナの言葉にゼルートはもう一度、自分達より前の方で戦っている冒険者の状態を確認した。
(まぁ、先ずはこの辺りの階層にリザードマンがいるってのが可笑しいんだけどな。初心者、中堅殺しもいいところだぞ。全員・・・・・・多分Dランクか。前衛二人、斥候一人、後衛一人。魔法使いがいないみたいだけど、理想的なパーティーといえばそうなんだろうな。でも、相手がリザードマンだとちょっと相手が悪いな。一応はドラゴンに片足突っ込んでるわけだし。それに頭も悪くないし、剣を扱うのがゴブリンやオークと比べて上手い。四人のうちに前衛の二人の武器の状態が少し良く無いな。まぁ、とりあえず声をかけてそれからだな)
ゼルートはセフィーレに目の前の件について関わっていいのかを聞いた。
「あそこで戦ってるパーティーを助ける・・・・・・かどうかはまだ分からないので声を掛けても良いですか」
「そうだな・・・・・・助けるにしても、そう大して時間も掛からないだろう。構わないぞ」
「ありがとうございます。一応アレナとルウナは着いて来てくれ。ラルは万が一に備えてセフィーレさん達の傍にいてくれ」
「分かったわ」
「・・・・・・なるほど、その方が良さそうだな」
「グルルルウウゥゥ」
仲間に指示を出し終えると、ゼルートはリザードマン二体を戦っている冒険者達の元に向かった。
その様子を見ていたソブルがぽつりと呟いた。
「ゼルートって、過去の噂だけ聞けば怖い印象しかないけど、実際は良い奴だよな」
「そうだな。用意しなくてもいい、私達の食事まで出してくれ、未知の料理までご馳走してくれる。そして、高価な結界石を惜しむことなく使ってくれる。本当に良い人。いや、冒険者だな」
「ゼルートさんは基本的には良い人ですよ。相手が傲慢で合ったり、調子に乗っていて自分に絡んでくる方でなければ」
「・・・・・・・・・・・・」
リシアは意図して発言したわけではなく、完全に天然が炸裂したわけだが、リシアの言葉を聞いたローガスは何とも言えない顔になっていた。
そんなローガスの顔を見たソブルとカナルは表情には出していないが、心の中で笑っていた。
(確かにゼルートは基本的には優しい。それは本当の事だろう。現に目の前でそういった行動を見た。だが、リシアが言ったと通り傲慢な奴、調子に乗って自分に絡んでくる奴には全くもって容赦はしないだろう。ダンジョンに入る前に私達に絡んできた冒険者三人組が良い例だろう。ゼルートの事を狙って良からぬ事を考えて実行に移す貴族、商人がいないとは言い切れない。と言うより絶対に現れるはずだ。その時の事を考えると・・・・・・胃が痛くなってきたな)
セフィーレはこの先、起こるかもしれない未来を考え、胃を痛めた。
その時にゼルートの動く気配に気づいたラルは、ゼルートを追ってテントの外に出た。
そして、ゼルートは創造スキルで最高級の牛肉を贅沢に使った、ステーキ丼を出し、ラルにはオークキングの肉を焼き、塩コショウと焼き肉のたれをかけた、店で出せばかなりの値段がするものを御馳走した。
そして二人は贅沢な夜食を楽しんだ。
次の日、全員が起きて朝食を済ませると、前日より少しペースを速めながら奥へと進んだ。
進み始めてから二時間程が経ち、十二階層の半分まで来たところで、ソブルが一旦止まった。
「これは・・・・・・戦っている音、というか少し先にいるな」
最小限の護衛中にも拘わらず、全く別の事を考えていた。しかしゼルートは、いくらダンジョンでもこの階層なら何があっても、対処出来るという自信があった。
「冒険者五人と・・・・・・リザードマンが二体ですね」
「ゼルートの言う通りだな・・・・・・それで、助けに行くのか」
ルウナの言葉にゼルートはもう一度、自分達より前の方で戦っている冒険者の状態を確認した。
(まぁ、先ずはこの辺りの階層にリザードマンがいるってのが可笑しいんだけどな。初心者、中堅殺しもいいところだぞ。全員・・・・・・多分Dランクか。前衛二人、斥候一人、後衛一人。魔法使いがいないみたいだけど、理想的なパーティーといえばそうなんだろうな。でも、相手がリザードマンだとちょっと相手が悪いな。一応はドラゴンに片足突っ込んでるわけだし。それに頭も悪くないし、剣を扱うのがゴブリンやオークと比べて上手い。四人のうちに前衛の二人の武器の状態が少し良く無いな。まぁ、とりあえず声をかけてそれからだな)
ゼルートはセフィーレに目の前の件について関わっていいのかを聞いた。
「あそこで戦ってるパーティーを助ける・・・・・・かどうかはまだ分からないので声を掛けても良いですか」
「そうだな・・・・・・助けるにしても、そう大して時間も掛からないだろう。構わないぞ」
「ありがとうございます。一応アレナとルウナは着いて来てくれ。ラルは万が一に備えてセフィーレさん達の傍にいてくれ」
「分かったわ」
「・・・・・・なるほど、その方が良さそうだな」
「グルルルウウゥゥ」
仲間に指示を出し終えると、ゼルートはリザードマン二体を戦っている冒険者達の元に向かった。
その様子を見ていたソブルがぽつりと呟いた。
「ゼルートって、過去の噂だけ聞けば怖い印象しかないけど、実際は良い奴だよな」
「そうだな。用意しなくてもいい、私達の食事まで出してくれ、未知の料理までご馳走してくれる。そして、高価な結界石を惜しむことなく使ってくれる。本当に良い人。いや、冒険者だな」
「ゼルートさんは基本的には良い人ですよ。相手が傲慢で合ったり、調子に乗っていて自分に絡んでくる方でなければ」
「・・・・・・・・・・・・」
リシアは意図して発言したわけではなく、完全に天然が炸裂したわけだが、リシアの言葉を聞いたローガスは何とも言えない顔になっていた。
そんなローガスの顔を見たソブルとカナルは表情には出していないが、心の中で笑っていた。
(確かにゼルートは基本的には優しい。それは本当の事だろう。現に目の前でそういった行動を見た。だが、リシアが言ったと通り傲慢な奴、調子に乗って自分に絡んでくる奴には全くもって容赦はしないだろう。ダンジョンに入る前に私達に絡んできた冒険者三人組が良い例だろう。ゼルートの事を狙って良からぬ事を考えて実行に移す貴族、商人がいないとは言い切れない。と言うより絶対に現れるはずだ。その時の事を考えると・・・・・・胃が痛くなってきたな)
セフィーレはこの先、起こるかもしれない未来を考え、胃を痛めた。
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