異世界を楽しみたい転生者
第169話少年期[159]国を敵に回してでも
心の中でルウナにアレナはツッコんだが、それを直ぐに否定した。
(別にゼルートが悪い訳ではないのよね。悪いのはゼルートに絡んでくるアホや変にプライドの高い貴族達。まぁ、だからと言って真っ向からやり返すのはどちらかと言えば良くない。というより悪い結果しか返ってこない筈。でも、ゼルートの場合はそれを正面からねじ伏せる力がある。それが悪いことかは正直分からないわね)
アレナは売られた喧嘩は基本的になんでも買ってしまい、最終的に勝ってしまうゼルートの事で悩んでいた。
自分達がバカにされたり、体目当てで近寄られたりしたときに、相手をボコボコにしてくれるのは素直に嬉しいと思っていた。
だが、その事で起こる問題がアレナの悩みの種だった。
(でも・・・・・・その問題も力ずくで解決しちゃいそうな気がするのよね。いや、絶対にしそうね)
アレナは自分だけでは考えがまとまらないのでルウナの意見を聞くことにした。
「ねぇ、ルウナはゼルートの相手が売って来た喧嘩をなんでも買ってしまうところをどう思う」
「・・・・・・ゼルートのなんでも喧嘩を買ってしまうところか」
アレナの質問にルウナは目を瞑りながら少し考えた。
(旨い料理を用意してくれる。寝床を用意してくれる。しっかりとした武器を用意してくれる。奴隷だからと言って、戦いの最中に盾の様な扱いをしない。一人の仲間として見てくれている。何より、仲間思いで家族思い。文句のつけようのない最高の主だろう。確かにどんな喧嘩も買ってしまうことは最終的に大きな敵を作ってしまいそうな気がするが・・・・・・)
考えがまとまったルウナはニヤッと笑いながら答えた。
「私はすごくいいところだと思うぞ」
ルウナのストレートな言葉に、アレナは眼を見開き固まった。
アレナとしては完璧に予想外な言葉だった。
「確かにそれ故に大きな問題を引き起こしそうだが、私はそれを逆に考えてみた」
一拍置いてルウナは言葉を続けた。
「ゼルートなら、私達の主なら、貴族を敵に回しても、国を敵に回しても私達を守ろうとしてくれるんじゃないかとな」
ルウナの言葉にアレナは、流石にそこまでは・・・・・・、と思ったがオークとゴブリンの群れを討伐するときの、息の馬車での会話を思い出した。
「そう、ね。確かにゼルートなら、例え国を敵に回しても私達を守ってくれそうね」
「そうだろう。なんといったって、子供ながらに侯爵家を潰してしまうような主なんだからな」
「ふふ、確かにそうね」
その後、二人は時間になるまでちょっとした料理をつまみながら、楽しく談笑していた。
「さてと、とりあえず時間まで色々話し合いたいんだがいいか?」
ソブルはカネルとリシアに訪ね、二人は勿論、といった様子で答えた。
「ああ、問題ないぞ」
「私も問題ありません」
「おし、それじゃぁ~~~まずはあのバカの事についてから話し合うか」
今この場には、ソブルとカネルとリシアの、ローガスを除いた三人しかいない。
勿論ソブルが言ったあのバカとはローガスの事だ。
そして、まだ話し合いを始めて三十秒も経っていないのにもかかわらず、三人とも深いため息をついた。
「なんというか・・・・・・私としてはもう、今回はダンジョンには入らずに宿で待っておいて欲しいと思うんだが」
「まぁ・・・・・・それは少し無理があるんじゃないとは思うが、正直俺もカネルと同意見だな。リシアはどうだ」
リシアは性格ゆえに、あまり人の悪口を言えないタイプだが今回は、おどおどしながら答えた。
「さ、流石に宿で待機は良くないと思いますけど、ダンジョン内では必ず誰かが監視しておくべきだと思います」
三人は自分以外の二人の意見が殆ど一緒な事に対して、もう一度深い溜息を吐いた。
(別にゼルートが悪い訳ではないのよね。悪いのはゼルートに絡んでくるアホや変にプライドの高い貴族達。まぁ、だからと言って真っ向からやり返すのはどちらかと言えば良くない。というより悪い結果しか返ってこない筈。でも、ゼルートの場合はそれを正面からねじ伏せる力がある。それが悪いことかは正直分からないわね)
アレナは売られた喧嘩は基本的になんでも買ってしまい、最終的に勝ってしまうゼルートの事で悩んでいた。
自分達がバカにされたり、体目当てで近寄られたりしたときに、相手をボコボコにしてくれるのは素直に嬉しいと思っていた。
だが、その事で起こる問題がアレナの悩みの種だった。
(でも・・・・・・その問題も力ずくで解決しちゃいそうな気がするのよね。いや、絶対にしそうね)
アレナは自分だけでは考えがまとまらないのでルウナの意見を聞くことにした。
「ねぇ、ルウナはゼルートの相手が売って来た喧嘩をなんでも買ってしまうところをどう思う」
「・・・・・・ゼルートのなんでも喧嘩を買ってしまうところか」
アレナの質問にルウナは目を瞑りながら少し考えた。
(旨い料理を用意してくれる。寝床を用意してくれる。しっかりとした武器を用意してくれる。奴隷だからと言って、戦いの最中に盾の様な扱いをしない。一人の仲間として見てくれている。何より、仲間思いで家族思い。文句のつけようのない最高の主だろう。確かにどんな喧嘩も買ってしまうことは最終的に大きな敵を作ってしまいそうな気がするが・・・・・・)
考えがまとまったルウナはニヤッと笑いながら答えた。
「私はすごくいいところだと思うぞ」
ルウナのストレートな言葉に、アレナは眼を見開き固まった。
アレナとしては完璧に予想外な言葉だった。
「確かにそれ故に大きな問題を引き起こしそうだが、私はそれを逆に考えてみた」
一拍置いてルウナは言葉を続けた。
「ゼルートなら、私達の主なら、貴族を敵に回しても、国を敵に回しても私達を守ろうとしてくれるんじゃないかとな」
ルウナの言葉にアレナは、流石にそこまでは・・・・・・、と思ったがオークとゴブリンの群れを討伐するときの、息の馬車での会話を思い出した。
「そう、ね。確かにゼルートなら、例え国を敵に回しても私達を守ってくれそうね」
「そうだろう。なんといったって、子供ながらに侯爵家を潰してしまうような主なんだからな」
「ふふ、確かにそうね」
その後、二人は時間になるまでちょっとした料理をつまみながら、楽しく談笑していた。
「さてと、とりあえず時間まで色々話し合いたいんだがいいか?」
ソブルはカネルとリシアに訪ね、二人は勿論、といった様子で答えた。
「ああ、問題ないぞ」
「私も問題ありません」
「おし、それじゃぁ~~~まずはあのバカの事についてから話し合うか」
今この場には、ソブルとカネルとリシアの、ローガスを除いた三人しかいない。
勿論ソブルが言ったあのバカとはローガスの事だ。
そして、まだ話し合いを始めて三十秒も経っていないのにもかかわらず、三人とも深いため息をついた。
「なんというか・・・・・・私としてはもう、今回はダンジョンには入らずに宿で待っておいて欲しいと思うんだが」
「まぁ・・・・・・それは少し無理があるんじゃないとは思うが、正直俺もカネルと同意見だな。リシアはどうだ」
リシアは性格ゆえに、あまり人の悪口を言えないタイプだが今回は、おどおどしながら答えた。
「さ、流石に宿で待機は良くないと思いますけど、ダンジョン内では必ず誰かが監視しておくべきだと思います」
三人は自分以外の二人の意見が殆ど一緒な事に対して、もう一度深い溜息を吐いた。
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コメント
ノベルバユーザー298925
「息の馬車」となってる部分がありますね