異世界を楽しみたい転生者

Gai

第60話少年期[50]やっぱいり公開処刑は面白いな


「え~~~、これからドウガンさんとゼルート君による決闘を行います。審判は私、イルーネが勤めさせてもらいます。
それでは両者共に準備は良いでしょうか?」

「ああ、いつでも構わねえぜ」

「こっちも大丈夫ですよ」

さっき鋼鉄のドウガンって聞こえたから防御が得意なタイプってことかな。

「ドウガン、お前に今日の稼ぎ全部賭けたんだから絶対勝てよおおお!!!」

「少年!! 俺はお前の噂を信じて、お前に銀貨三枚賭けるぞ!!!」

「ドウガン!!!! Dランクの冒険者がそんな小僧に嘗められるな!!! 半殺しにしちまえ!!!!!」

「ゼルート君!! 私達の今日の酒代のために絶対に勝ってね!!」

皆思い思いのこと言ってるな。それにしても声からするとドウガンが七割と俺が三割って感じか。三割は・・・たぶん昨日酒場にいた連中かな。

あの光景見ていないと俺みたいな見た目弱そうな子供に賭けたり普通しないしな。

「それでは・・・・・・始め!!!!」

イルーネの合図により俺とツルツル顔真っ赤の決闘が始まった。

「死ねくそガキイイイイイイイ!!!!」

ツルツル顔真っ赤は長さ一メートル半くらいのハルバードで切りかかってきた。

鑑定を使ってハルバードを見たが一応ランクは4とそこそこ良い武器だった。

でも特殊効果がないのは惜しいな。

まぁ、持ち主がこんなんじゃ、あっても意味ないか。

「なっ! くそ!! ちょろちょろ動き回りやがって!!」

「おじさんがもう歳だから俺の速さに着いてこれないじゃないの」

「だから俺はまだおじさんじゃねーーー!!!」

ツルツル顔真っ赤は力任せにハルバードを振り回して俺に迫ってきた。

もちろん全部避けるんだけどね。

にしても、本当にからかいがいのあるおっさんだな。

というか・・・このおっさん身体強化を持ってるくせに、使わないで俺に勝つ気か?

さすがにこの状況で使わないとか嘗めすぎだろ。

「なあなあおっさん。もしかして俺に奥の手を使わないで勝つ気なの?」

「っ!!!」

おーおー、なんで知ってるんだって顔してんな。
鑑定持ちだからそれくらい一発でわかるんだよ。

「くそガキ、どうやら本当に死にたいらしいな。もう後悔しても遅いぞ!!」

「その台詞さっきも聞いた気がするんだけど。
でも、ようやく使う気になったんだね。これでちょっとは楽しめるかもしれないね」

俺は悪意一杯の笑みで返してあげた。

するとツルツル顔真っ赤はさらに顔が赤くなった。おいおい頭から血の噴水が出てきそうだな。

「うおおおおおおお!!! くたばりやがれーーーーー!!!!」

「そーそー、やればできるじゃん! そうこなくっちゃね」

ツルツル顔真っ赤は身体強化を使ったお陰で、身体能力は一点五倍ぐらいにはなったかな。

でも、こっちもスピード上げれば避けられんだよな。

これは・・・・・・あれだな。魔物相手にする戦い方と、人間を相手にする戦い方があんまり変わんないんだろうな。

今も俺の体をぶった斬ろうとしかしてないし。
あっ、でも突きを入れてきたから多少は冷静になったのかな。

でも、そろそろ飽きてきたしな。そろそろ終わりにしようかな。

「これで終わりだ!! 火炎大切断!!!!」

ドウガンはこれで勝負を終わらせようとして自分が出せる最大の技を放ってきた。

周りの冒険者の達も「おい! さすがにやりすぎだぞドウガン!!!」や「おいおい、あのガキ本当に死んじまうぞ!!!」など「ゼルート君!!避けてえええ!!!!」イルーネさんの悲鳴の様な声まで聞こえてきた。

イルーネさんはドアンを倒したところ見たことがあるから、そんなに心配しなくても良いと思うんだけどな。

でも、心配させるのも悪いしそろそろ終わらせるか。

俺は当たり前の様に火炎大切断? を避けてから・・・。

「ツルツル顔真っ赤おじさんのドウガンさん。最後の技はなかなか良かったけどスピード不足だよ。 スタン!」

「があっ!! が、・・・お、お前。俺に何を・・・・」

「答えるわけないだろ。五連、ブレット」

五発のブレットがツルツル顔真っ赤の股間に放たれ・・・・・・。

「っ~~~~~~~~~~~!!!!!!!!」

ドアンと同じように転げ回って、あまりに痛かったのかそのまま気絶してしまった。

周りの男の冒険者達も股間を押さえていた。

そして今回の結果があまりにも予想外だったのか周りがシ~ンとなっていた。

とりあえず俺は勝利宣言が欲しかったのでイルーネさんに声をかけた。

「イルーネさん。決着がつきましたよ」

「・・・・・・へっ!? あっ、そ、そうですね。こ、今回の決闘の勝者はゼルート君です!!」


「「「「「・・・・・ウオオオオオオオーーーーーーーー!!!!!!!」」」」」

耳を押さえていないと鼓膜が破れてしまいそうな歓声が訓練所に鳴り響いた。

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