旅からの学び

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〜成人の儀編〜3話

旅からの学び(たびまな)  成人の儀編  3話


  霧が濃い中、森の精霊に案内してもらい『暗闇の洞窟』の前に着いた。洞窟の中から、冷んやりとした空気が流れてきた。


「着いたよ。ここが暗闇の洞窟だ。中は、迷路みたいになっているから気をつけて。最後のフロアには、この洞窟の番人がいるよ。」


  僕は、息をのみながら頷いた。洞窟の中に入ると少し肌寒い。そして、前が真っ暗で何も見えない。


「光球!」


  僕は、掌から光の球を出した。光の魔法を工夫できるようになったのだ。この光を頼りに進んでいくと二つの分かれ道が現れた。


「風の流れがある方に進んで。」


  森の精霊が教えてくれた。でも、どっちだろうか。風の流れなんてよく分からない。すると、


「キュルーー。」


  キトが、右の道の入口まで走って行った。僕は、キトの考えに頼り進んだ。暗い中、進み続けると広い場所に出た。そこには、道が三つに分かれていた。


「どの道を行けば良いかなー。何かヒントがあれば・・・。」


「グォォォーーー!」


  地響きのような唸り声が聞こえた。番人の唸り声だ。


「キト!今の声は、どの入口から聞こえたか教えてくれ。」


「キュルキュル。キュルーー。」


  一番左の入口に向かって走って行った。キトを追いかけて走った。道に沿って行くと、そこには大きな扉があった。


「ここだ。」


  遂に、番人のところまで来た。この先にいる番人を倒し先に進めば女王様に会える。覚悟を決めて扉を開けた。


  このフロアは、壁の両側に松明がある。緑色の炎がメラメラと燃えている。
  目線を中央に向けた時、目の前に飛び込んで来たのは、剣を二本持った竜人だった。唸り声のように聞こえていたのは、竜人の咆哮だったのだ。肌は、緑でとても硬そうな鱗が光沢を帯びている。二本足で立ち、こちらを見ている。


  竜人は、叫ぶと同時に腰にある二本の剣を取り向かって来た!


  竜人が、剣を振りかざすと僕は右に避け岩陰に隠れた。


「森の精霊!この竜人は、どうやって倒したらいいんだ?」


「竜人は、攻撃の後に少し硬直時間があった!その隙を狙うんだ。」


  頷くと竜人の方に走っていった。竜人は、剣を振りかざしてきた。僕は、剣で防ぎ軌道を変えて懐に入った。


「今だ!」


  森の精霊が叫ぶと僕は、全身全霊の力を剣に込めた一撃を放った。


「ウォォー!光一閃!」


  竜人に全身全霊の技をぶつけると、竜人は倒れ動かなくなった。僕は、息を切らしながら森の精霊とキトと顔を見合わせて頷いた。


  竜人が守っていた扉を開けて階段を登るとそこには・・・。


つづく。

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