旅からの学び

RYO

〜幼馴染編〜 6話

旅からの学び(たびまな)  6話


 僕のお爺ちゃんは、この村を救った数々の英雄の1人である。実は、師匠は僕のお爺ちゃんの弟子だったのだ。


 僕は、お爺ちゃんに会ったことがない。僕が生まれる前に亡くなったのだ。この村、『ビュート』は、この世界の『始まりの地』と言われていた。


 綺麗な水が流れる川や、緑でいっぱいの山があり環境がとても良かった。水や山菜を取ることができ、狩を行えば肉も手に入る最高の土地だったのだ。平和な環境を得られたのは、ある伝説の影響を受けたためだとも言われているが、それは後々話そう。


 こうして、平和な環境なため、人々が集まりビュート村は繁栄していった!


 そんな平和なビュート村に、ある出来事が襲いかかる。時渡りをしている魔物『ディース』が訪れる土地でもあったのだ。人々は、そのディースを追い払うために全力をつくした。多くの犠牲を払い、ディースを追い払うことはできたが、仕留めることは出来ずにいた。この、ディースは、時折村に来るそうだ。僕のお爺ちゃんの時にも来ていたそうだ。ディースとの戦いで、僕のお爺ちゃんは命を落としたと聞いている。


 ディースが来たのは、ちょうど15年前だ。僕が生まれる1年前。今度は、いつ村に来るか分からない。


 ビュート村は、その最悪な事態にいつも備えている。その1つとして、僕たち(子どもたち)がそれぞれの師匠のところで修行をしているのだ。そう、僕たちは、この村の上位者にあたる。


 この村の子どもたちは、「上位」「中位」「下位」の3つに分けられる。昇格システムは、下位の者同士で昇格試験を行い合格した者のみが中位に昇格できるのだ。中位の昇格システムも同じである。上位は、このような試験により選ばれた者がなれる地位なのである。


 僕たち4人は、特例として上位に入っているため昇格試験は免除なのである。村の長である「セレク」により、特例として選ばれたのだ。僕たちは、特別に魔力が強い訳でもなく、剣術が優れているわけでもない。普通の子どもなのだ。なぜ、選ばれ上位にいるのか正直分からないのだ。


 お気に入りの場だけあって、長々と考え事をしてしまったようだ。


 僕の光の魔法のことは、少しずつ考えて行こう。よし、家に帰って父さんに剣術を教えてもらおう。


 「父さん!剣術を教えて!」


「良いだろう!さぁ、構えろ!」


 僕は、父さんに一泡吹かせてやろうという意気込みで向かっていった。


 キン、カン、カッ、キン、カン、キキン。


 「父さん。流石だね。隙がないや。」


「太刀筋はよくなったぞ!あとは、足の動きや体の向きを考えながら打ち込むべきだな。」


 僕は、諦めずもう一度向かっていった。今度は、足の動きと体の向きを修正して果敢に挑戦していった。


 父さんが、少し体制を崩した。僕は、逃さず攻め込んだ。


 その時、一瞬、ある事を思い出していた。7年前、こうやって剣術の練習を一緒にしていた『オルデン』のことを思い出していた。僕は、オルデンと仲が良く親友の1人だった。村に迷い込んで来た魔物と出くわし狩ろうとしたが、返り討ちにあい命からがら2人で僕の家に戻って来たことがあった。僕は助かったが、オルデンは、僕をかばい深い傷をおってしまい。そのまま、静かに眠っていった。あの時、僕が魔物を狩れるほど強ければオルデンは助かっていた悔しい。
 だから、もう二度と同じことはしたくない。僕が、守るよ!この村を世界を!
 そして、オルデンの夢でもあり僕の夢でもあった『人を守る剣士』になるよ!


 オルデンの事を思い出しながら、父さんに攻め込んだ!!その時、僕の剣が光で覆われていた。そして、その一撃を父さんに当てようとしたが、父さんは、素早く体制を整え僕の剣を受け止めた。


「ガキーーーーーーン!!!」


 凄い音がした。ふと、父さんの剣をみると折れていた。父さんは、目を丸くして驚いていた。


「まさか。今のは!」






つづく。



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