〜幼馴染編〜 5話

旅からの学び(たびまな) 5話


 「師匠ーー！光の魔法について教えてください！」


 僕は、師匠の家まで全力で走った。心がワクワク踊るような気分だったのだ。そして、大きな声で師匠にお願いした。
 師匠は、慌てて入ってきた僕をみてキョトンとしていた。


「光の魔法のことを知りたいのか？」


「はい！父さんに剣士でも少しなら魔法を使えると教えてもらったんです！父さんは、風の魔法を手にまとっていました！僕にもできますか？」


「リードの魔法の性質は光の魔法なんだね。珍しい魔法の１つだよ。この世界で珍しいとされている魔法は他にもある。私が知っているのは、リードの光の魔法と、重力を操る魔法だよ。まだ、他にもあるそうだ。」


 僕の光の魔法は、珍しい魔法の１つであることが分かった。


「光の魔法は、どうやったら使えるの？」


 「光の魔法は、心が綺麗な人や目的をしっかりともっている者に与えられるそうだ。その光の魔法は、身の回りにある魔法とは違い使い方が異なるんだよ。すぐに扱えるものではないんだ。」


 僕は、少し悲しくなった。実は、ずっと魔法に憧れていたんだ。アクシスの魔法やリラの回復魔法もすごく羨ましかったんだ。


「肩をおとさないでくれ。魔法が使えるんだ。今はまだ使えないだけで。必ず使えるようになる。大丈夫だよ。その光の魔法は、多くの人を助ける力だよ。」


「僕が多くの人を助けられるの？人の役に立つことができるんだ！」


 僕は、前を向こうと強く決心した。必ずこの光の魔法を扱えるようになってやる。


「今は、まだ使えないが、使い方は教えてあげよう。」


 僕は、目を見開いた。心臓がドクドクいっている。使い方がずっと気になっていた。教えて欲しいことだったのだ。


「使い方は、みんなの力が必要だ。1人でも使えるが力は弱いだろう。」


「1人だけでは、光の魔法をあまり活かせない？」


「そういうことだ。みんなの力が必ず必要になる魔法。そして、強大な力をもつ魔法。それが、光の魔法の正体だ。そのうち、使い方が分かるさ。」


 師匠の話を聞いてはいたが、今の僕には少し難しい話だった。とにかく、人を助けられる魔法であり、強大な魔法であるということかな？


 この日は、師匠との訓練はなく。幼馴染のみんなは、それぞれ勉強をしているだろう。僕は、お気に入りの場所に行きゆっくりすることにした。


 この場所は、大好きな村が一望できる僕だけ知っている場所だ。風が気持ちよく静かな所だ。


 でも、最近は、魔物？に似たような気配がするんだ。危険な感じはしないからいいんだけど見られているような感覚になる。いったい何なのだろうか。


 それしにしても、光の魔法をはやく扱えるようになりたい。どうしたらいいのかな？はやく扱えるようになって多くの人を助けたい。お爺ちゃんのように。




つづく。