仮面の英雄

サヤカ ユウノ

混乱と怒り

「……き…て」


  まだ眠いんだ寝させてくれ。


「起き…て」


  あと十……いや五年寝させてくれ。


「ミルクの時間ですよ」


  俺の意識がどんどん覚醒していく。
  ……またか。


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  今たべれるものはミルクしかないから、いっそのこと受け入れてしまおうか……。
  ……今、何時なんだろう。


  そう思って、近くの窓を見てみると、暖かい日光が入って来ている。
  六時……いや、七時か?。まあ、今の季節がわからないんんだしどうでもいいか。


  さーて、暇だし何かするか。
  そうだなー、日本の昔話をミズキに見せるか……?。
  あれ、ニホン……。


  思い出すのは、日本で過ごして来た思い出。そして、自分の……死。
  何で俺はこんな事・・・・にもきづけなかったんだ!。この体が赤ちゃんじゃなかったら、本気で自分の顔を殴っていたところだ。
  ………取り敢えず、頭の中を整理しよう。


  まずなんでここにいるのか、先生に拾われたから。
  じゃあなんで拾われたのか、親?に流されたから。
  なぜ親?に流されたのか、抵抗できなかったから。
  なぜ抵抗できなかったのか、赤ちゃんだったから。
  なぜ赤ちゃんだったのか、この世界に転生?、転移?させられたから。
  なぜ転移?してしまったのか、転移魔法陣を使われたから。
  なぜ……転移魔法陣だとわかったのか、………わから…ない。


  探せばいくらでもおかしな点は出てくるのになぜ気づけなかったんだ?。
  見るもの触れるもの全てが懐かしい、まるで生まれ故郷であるかのような……。




  ……生まれ故郷!?。
  

  


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