動物ブリーダーの僕が異世界でモンスターブリーダーとして活躍してるんだけど。

マナマナ

二十八話 僕&コロvsグリザル part3 sideコロ

「なかなかにやるではないか狼の子よ。」

「ま、まあね。」
(やばいな、体力が。そろそろきつい)

コロは圧倒的なセンスによりグリザルの攻撃を紙一重でかわし続けていたが、防戦一方だったため体力を相当消費していた。

(主は?)

コロは自分の主の方を見ると打開策を見つけようと血眼で探していた。

(主も頑張ってる。僕も頑張らなきゃ!)

「ワォーーーン!!!!」

コロは大きく叫び大地を震わした。

「いくよー。悪魔さん!」
「こい!狼の子よ!」

コロはグリザルの打つ魔法を避けながら接近して光のような速さでグリザルに突進した。

「ぐぅほぉ!...なーんてな。」
「なんだって!?」
悪魔の斬撃デビルスラッシュ
「ぐわー!!」


グリザルはコロの突進をまともに受け効いたようにも見えたその一撃だったが、それはグリザルの演技で隙をつかれたコロはグリザルの一撃をまともに食らってしまった。

(やばい。さすがにレベルとステータスの差がありすぎる。もっと…もっと…もっと強く!)

「最強の血」発動。

コロの受けた傷は何もなかったように消えた。そして、コロは立ち上がると明らかにさっきよりも佇まいが良くなっているように見えた。

「ほう?まだ奥の手を隠していたか…。
だが、それでは追いつけないぞ!」

「知らねーよ。俺はさっきまでのコロじゃねえ。もう一つの人格だ。」

そこにいたのは緩いコロではなく、全く違うコロだった。

「なに?もう一つの人格など、聞いたことが...」

「うるせ〜なー。お前の右腕見てみろよ。」

「なに?」

グリザルの右腕は無くなり噛みちぎられたような跡だけが残っていた。

「グワァァァァ!血!血!血がー!!」

「だから、うるせーって。そんな隙見せてると、次は首だぞ?」

「ひぃぃ!た、助けてー!」

「はぁぁ、腰抜けや...なに?」

「かかったなぁぁー!怠慢狼がぁー!俺の痛みをしれー!」

コロは突然動けなくなり、下に魔法陣が浮かび上がるのが見えた。その攻撃はさすがのコロでも避けられなかった。
すごい轟音と共にコロは沢山の血を流して、横に倒れていた。

「はは、はははは!やったぞ!大地の支配者を殺したのだ!」

(ま、死んでないんだけどな。なあ、もう一人の俺。俺はここまでだが、お前はもう一つの壁をこえれるはずだ。最終形態だ。俺と同化するんだ。そしたら、もう誰にも負けない。)

コロの本来の人格は、

(僕も強くなりたい...もう一人の僕...一緒になってくれ...)
コロが心の中で言い切る前に、自分の主から名前を呼ばれ話を遮られてしまった。だが、主の様子がおかしい。

「コロ?なぁ、コロ?生きてるよな?なぁ、なぁ、なぁ、なぁ、なぁ、なぁ、なぁ、なぁなぁなぁなぁなぁなぁ...。
お前か?お前がやったのか?なぁぁ!!」

(これは、ダメだな。最終形態はまた今度だ。血はすぐに止まる。主が暴走を止めれなくなったらお前が立ち上がって止めろ。それなら、止められる。)

(待って!また会えるんだよね?)
(ああ。いつかな。)

そういうとコロは僕の意識に戻った。
主から禍々しいオーラが出ている。明らかにそこの悪魔さんよりも黒く、底が知れない闇だった。

「そのオーラは...魔王さま?なのか。いや、別物だ。じゃー、何故?」

グリザルは困惑していた。目の前にいるさっきまで戦っていた、少年がいきなり魔王級のオーラを纏ったからだ。

「コロ...ちょっと待っててね。今からあいつを消してくるから。」

その時の主はとても優しそうな顔をしてそう言ってくれた。

「ふ、ふん!ちょっと強いオーラを纏ったから強くなるとは限らんのだぞ!喰らえ!」

グリザルが放った魔法は、主を直撃した。だけど、その魔法は一切効いていなかった。

「殺す。殺す。殺すコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス...」

主の周りの闇はさらに深くなり、晴天だった空も雨雲でいっぱいになっていた。

「な、なんだ。こいつは。」

すると、主に雷が落ち、その光で一瞬目が眩んでしまった。
(やばい!主!)
目のくらみが終わり主の安否を確認すると、そこには黒い鎧を身に纏った男が立っていた。

(主?)

コロはまだ知らなかった。自分の主が真の王の資格の持ち主だと。闇の王と光の王の資格者だと。





part3はコロ目線と僕目線での話があります。
コロの()は心での声なので口では発していません。そこだけ認識していてください。

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