A Living One
1話
いつの頃からか、物心がついた時には僕は彼と住んでいた。彼、ゾーア・ドルグ。ゾーアは僕の育て親、若しくは祖父のような人だ。
ゾーアは2000年以上を生きる”古き者”だ。古き者は人智を超えた力を有するとされる。事実彼もその話に相応しい力を持っている。古き者は皆等しく上位種族へと成る為それもそのはずだが。
そんな彼と僕は机1つを跨いで向き合って座っている。
「話って何?ゾーア」
僕は聞く。
「ユールお前はいくつになる?」
「推定でいいのなら15にはなるよ」
「そうか…もうそんな歳か…」
ゾーアが神妙な面持ちになる。一体何の話なんだろう?
「ユールよ、お前は外を知るべきだ。今まで私と暮らしてきたがこの島を出たことも無いだろう。15ともなれば立派な成人だ。だから私はお前を外へやる。王都へ向かえ、そして冒険者となれ。それが外を知る為に1番いいだろう。だが、その為にはある程度の力がいる。明日から訓練を始めたいと思う。お前はどうだ?やろうと思うか?」
ゾーアから聞かされたのは予想していない事だった。確かに成人にもなって外を知らないのはまずい。それに冒険者という者にも興味はある。
危険であるからゾーアも一応聞いてきているのだろう。僕はゾーアの目を見てはっきりと答える。
「やるよ」
そう言った僕の目をゾーアはじっと見つめる。そしてゆっくりと目を閉じて頷く。
「そうか、分かった。早速準備を始めるか」
ゾーアはそう言った。ただ気になることがある。
「訓練は明日からではないの?」
「ああ、明日からだ。今日はフラワのところへ行く。ギルドへ出す書類等の作成を奴に頼むつもりだからな。あとは報告だ」
「そーなんだ。ならその為の準備をしてくるよ」
僕はそう言って部屋へ行く。
ゾーアがフラワと言っていたが、フラワもまた古き者だ。フラワはゾーア程生きてはいないものの魔法においてはゾーアを凌ぐほどだ。それもフラワはエルフ種の古き者であるからだ。ゾーアは人種の古き者の為多くを卒なくこなせるが、ゾーアの場合は単純な戦闘能力が特化している。
支度を終えて戻るとゾーアも着替え終わっていた。
「僕の方が遅かったかな?お待たせ」
「準備はいいか?では行くぞ」
そうして家を出て行く。
僕、ユール・シープの物語がこの時、始まった。
ゾーアは2000年以上を生きる”古き者”だ。古き者は人智を超えた力を有するとされる。事実彼もその話に相応しい力を持っている。古き者は皆等しく上位種族へと成る為それもそのはずだが。
そんな彼と僕は机1つを跨いで向き合って座っている。
「話って何?ゾーア」
僕は聞く。
「ユールお前はいくつになる?」
「推定でいいのなら15にはなるよ」
「そうか…もうそんな歳か…」
ゾーアが神妙な面持ちになる。一体何の話なんだろう?
「ユールよ、お前は外を知るべきだ。今まで私と暮らしてきたがこの島を出たことも無いだろう。15ともなれば立派な成人だ。だから私はお前を外へやる。王都へ向かえ、そして冒険者となれ。それが外を知る為に1番いいだろう。だが、その為にはある程度の力がいる。明日から訓練を始めたいと思う。お前はどうだ?やろうと思うか?」
ゾーアから聞かされたのは予想していない事だった。確かに成人にもなって外を知らないのはまずい。それに冒険者という者にも興味はある。
危険であるからゾーアも一応聞いてきているのだろう。僕はゾーアの目を見てはっきりと答える。
「やるよ」
そう言った僕の目をゾーアはじっと見つめる。そしてゆっくりと目を閉じて頷く。
「そうか、分かった。早速準備を始めるか」
ゾーアはそう言った。ただ気になることがある。
「訓練は明日からではないの?」
「ああ、明日からだ。今日はフラワのところへ行く。ギルドへ出す書類等の作成を奴に頼むつもりだからな。あとは報告だ」
「そーなんだ。ならその為の準備をしてくるよ」
僕はそう言って部屋へ行く。
ゾーアがフラワと言っていたが、フラワもまた古き者だ。フラワはゾーア程生きてはいないものの魔法においてはゾーアを凌ぐほどだ。それもフラワはエルフ種の古き者であるからだ。ゾーアは人種の古き者の為多くを卒なくこなせるが、ゾーアの場合は単純な戦闘能力が特化している。
支度を終えて戻るとゾーアも着替え終わっていた。
「僕の方が遅かったかな?お待たせ」
「準備はいいか?では行くぞ」
そうして家を出て行く。
僕、ユール・シープの物語がこの時、始まった。
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