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じゃくまる

第19話 依頼物の採集とスライム


「さっきからダンジョンブラウンウルフがうるさいね」
 コノハちゃんが弓を引き絞ると、近づいてきたダンジョンブラウンウルフの頭を撃ち抜く。

「さっきから単体に出くわすことが多いせいか、コノハちゃんだけで済んでるね」
「だよな~。弓の適正すごいな、コノハちゃん」
「それは思った。眼もいいし勘も鋭いんだよね」
「記憶力もいいんだよね、コノハは」
 みんな口々にコノハちゃんを褒めるけど、コノハちゃんは気にすることなく、また一頭のダンジョンブラウンウルフを仕留めていた。

「多く出てきたらみんなの出番だから、単体くらい任せてよ。そろそろレベルも上がりそうだから、連射や二射とか覚えられそうなんだよ」 
 コノハちゃんの殲滅力アップが近いかもしれない。

「高級な弓でもないのに、結構強いよね?」
 コノハちゃんの弓は初心者用でも店売りの低級弓でもなかった。
 手作り感のある弓だから、自作かな?

「あぁ~、その弓なら、弓スキルと同時に木工スキル取った時のだね~。ついでに弓矢製作も一緒に取ったんだよね」
「弓の自作したかったから、自分のオリジナルで最強目指したい」
 リーンさんに言われたからか、コノハちゃんがそう言いつつ、ちょっとだけドヤ顔に。
 弓好きなんだね。

「いいな~。ボクは職的に装備自作しなきゃいけないし、まず売ってるのがごく一部なんだよね」
 ボクの装備は刀鍛冶やそれに対応した縫製スキルを持った職人に頼むか、自分でスキルを取って自作する必要があった。
 店ではまず売っておらず、武蔵にでもいかない限りは簡単に手に入らない。
 素材の集める場所がない上に、弁慶さんの所で余ってるものを買うくらいしか出来なかった。
 なので、今は普通に要所要所にレザーアーマーを貼り付けた絹製ワンピースを装備している。

「特殊職は素材を選ぶらしいから大変そう。絶対人気でないよね」
「言えてる」
 この職業、絶対人増えないよ!!
 増えるとしても、武蔵国実装してからだと思う。
 装備が不遇職なんて、人気出るわけないですもんね?

「お、採掘ポイント発見っと。ん~、どれどれ?」
 一応採掘スキルは初級ならみんなデフォルトで持っていたりする。
 ただみんな採掘をしないと表示されないというだけで、熟練度が入ればちゃんとステータスに表示されることになる。
 でも、最初から表示されていないのはなんでなんだろう?

「おぉ! 魔力結晶鉱脈か。20個ゲット!!」
 アーク兄大はしゃぎ。
 そして依頼的にも大成功だった。
 アーク兄素敵!

「採掘スキルなんていつ覚えたの?」
「そうそう、表示されてないから知らなかったよ」
「あれ? 知らないのか? 採掘や採集ってのはやり方を教えてもらうか、自分で実行することで自動取得するんだぞ? 同じ要領で、釣りもそうだな。自分で試して覚えることでもスキルってのは増えるんだぞ」
 釣りスキルなんてものもあるのか……。
 まったく知らなかったよ。

「不親切ね? でもなんでそんな」
「理由は生活に主眼を置いてるからだな。薪割りをすれば薪割りスキル、木こりなら木こりスキルが手に入る。試行錯誤して覚えて、熟練度を上げていけば色んな木が短時間で切れたりな。コンセプトにならって、色々と試せっていうのがあるんだ。ベータ組はもう色々と覚えてるぞ?」
 アーク兄もベータ組なだけあって、色々と知っているみたいだ。
 今度ボクもちょっと試してみようかな?

「へぇ~、物知りね」
「あれ? あのあたりの草むら光ってない?」
 カレンさんが頷いていると、リーンさんが何かを見つけたようで、ある場所を指さしていた。

「あれは、薬草採取ポイントか。キノコかもしれないけど、行ってみるか」
 ボク達は光っている草むらに足を延ばした。


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 うっすらと光るその場所は、少しだけ光る花が咲いた草が何本かあった。
 光の原因はこれかな?

「ちょっと試してみていい?」
「おう、いいぞ? 教えるからゆっくりやってみろ」
 ボクは恐る恐る、アーク兄の指示通りに、茎から草を採集していく。
 根っこごと持って行かないのは、また生えてくるかもしれないからだ。

「合計15本か。ムーンリーフだな、これは。見てみろ? 天井からうっすらと光が差して見えるだろ?」
 アーク兄の指し示す方向、天井の一部には何やら穴が開いていた。

「穴?」
「うん、そう。ダンジョンにはこうして外の光がちょっとだけ差し込んでくる隙間みたいな場所がたまにある。洞窟ダンジョンみたいに、完全に埋まっていない場合はこういう光景を見ることが出来るんだ。歩いてるときは分からなかったけど、おそらくそういう場所を通ってたんじゃないかな? ほら」
 アーク兄の話の最中に、一瞬光が消えて、少ししてから再び光が差し込んでくる。
 どうやら誰かが遮ったようだ。

「でも、声は聞こえない?」
「そう、不思議だろ? さて、依頼のアイテムもゲットしたし、そろそろ戻るか?」
 アーク兄がそう言うと、立ち上がったので、ボクも慌てて立ち上がろうとした。

「あっ、まって! って、うわっ」
 手をついて立ち上がろうとしたその時、ボクの手元にぐにゃりとした感触があった。

「えっ? なに?」
 ボクが慌てていると、そのボクの下にあったであろう物がぐにょぐにょと動き出した。

「気を付けろ! スライムだ!!」
 アーク兄がそう言うも、時すでに遅し。
 ボクはスライムに巻き込まれて包み込まれてしまった。

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