俺の許嫁は幼女!?
135話 知らなくちゃいけない
「………お恥ずかしいところをお見せしました。」
俺は、ひとしきり泣いたあと、落ち着きを取り戻し2人に向かって土下座するような勢いで頭を下げた。
「ははっ、別に大丈夫だよ。陽一くんのああいう1面も見れて私は嬉しいよ。」
「私もよ。陽一くんのああいう意外な一面ももっと見てみたいわね。」
「忘れてくださると嬉しいのですが……」
「無理だね。」
「無理よ。」
2人に即答され俺は項垂れる。
正直今思い出すだけでもここから走り出したくなるくらい恥ずかしいことをしてしまったと思ってる。
自分の親でもない人に泣いているところを見られただけでなくそれを子どものようにあやされてしまったのだ。いや、ものすごく気持ちよかったけど……
「さて、そろそろ話を戻そうか。」
俺の気持ちを悟ってか、お義父さんが先を促してくれた。
「陽一くん、彼女が出来たってことは美優との今の関係はなくなるってことなんだよね?」
今の関係とはもちろん許嫁関係だろう。
俺は、姿勢を正し、2人の目を見てハッキリと返事をした。
「はい。」
俺がそう返事しても2人は、悲しそうな素振りや怒りを見せなかった。
「そっか。さっきも言った通り、陽一くんが決めたことなら私たちは止めないよ。まぁ、まだ正式に決まったわけじゃなかったから特にすることは無いんだけどね。」
「ちゃんと優奈ちゃんと上手くいくのよ?私、陽一くんには幸せになって欲しいって思ってるんだからね。」
「………ありがとうございます。頑張ります。」
俺は、もう何度目か分からないほど2人に頭を下げている。
そして、頭を上げると俺は2人にお願いしたいと思っていたことを伝える。
「すいません、一つだけお願いしたいことがあるのですが……よろしいでしょうか?」
「別に遠慮なんてしなくていいよ。なんでも言って。」
「………美優の昔を知るためにアルバムなどを見せてはいただけないでしょうか?」
「アルバム?まぁ、別にそれは構わないけど……」
「どうして美優のことを知りたいの?」
お義母さんが少し真剣な表情になってそう尋ねてきた。
そりゃそうだ。もう美優とは許嫁ではないというのに美優を知ろうとする。意味が分からないな。
でも、それでも俺は知らなくちゃいけないんだ。
「俺は、分からないんです。俺という存在が美優にとってどれほど大事なのかを。今の俺には昔の記憶が無いので美優との思い出は何もないんです。それなのに美優は、こんな俺でも好きでいてくれる。その理由を知りたいんです。いや、知らなくちゃいけないんです。そうしないと俺の思いを何も伝えられないんです。」
「………きっと、今陽一くんがアルバムを見ると倒れちゃうと思うの。自分に身に覚えのない記憶を知ってしまうと脳がその記憶を思い出そうと無理やり回転して熱を起こす可能性もあるわ。」
「あっ………」
それは過去にもあったことだ。
家でアルバムを見た時にも倒れてしまった。
あんな事がまた起こるのだろうか?
「だから今無理して知る必要も無いと思うの。陽一くんのためにも。」
もしかして今さっき、俺に真剣な表情で尋ねてきたのは俺のためだったのか?
「私もそう思ってる。陽一くんは、最近大変なことが多く学校を欠席しがちになっている。もしかしたら、卒業にも響く可能性があるよ………って言おうと思ったけど……」
「陽一くんの考えがちゃんと伝わったからね。今しなくてもいいとは思うけど……今したいんでしょ?」
「はいっ!」
俺は、お義母さんの問いかけにハッキリと答えた。
「ふふっ、それなら止めないわ。さて、それじゃ、さっそく行きましょうか。」
「ええ、そうだね。」
2人ともそう言って立ち上がる。
「え?お、お義父さんとお義母さんも来てくださるんですか?」
「ええ、もちろん。陽一くんがもしも倒れた時にすぐに助けがあった方がいいでしょ?それに二人の写真、久しぶりに見たくなっちゃったからね。」
「私もそうだよ。ってことですぐに行こう。」
2人は、そう言って俺を連れてアルバムがある所へと向かったのだった。
俺は、ひとしきり泣いたあと、落ち着きを取り戻し2人に向かって土下座するような勢いで頭を下げた。
「ははっ、別に大丈夫だよ。陽一くんのああいう1面も見れて私は嬉しいよ。」
「私もよ。陽一くんのああいう意外な一面ももっと見てみたいわね。」
「忘れてくださると嬉しいのですが……」
「無理だね。」
「無理よ。」
2人に即答され俺は項垂れる。
正直今思い出すだけでもここから走り出したくなるくらい恥ずかしいことをしてしまったと思ってる。
自分の親でもない人に泣いているところを見られただけでなくそれを子どものようにあやされてしまったのだ。いや、ものすごく気持ちよかったけど……
「さて、そろそろ話を戻そうか。」
俺の気持ちを悟ってか、お義父さんが先を促してくれた。
「陽一くん、彼女が出来たってことは美優との今の関係はなくなるってことなんだよね?」
今の関係とはもちろん許嫁関係だろう。
俺は、姿勢を正し、2人の目を見てハッキリと返事をした。
「はい。」
俺がそう返事しても2人は、悲しそうな素振りや怒りを見せなかった。
「そっか。さっきも言った通り、陽一くんが決めたことなら私たちは止めないよ。まぁ、まだ正式に決まったわけじゃなかったから特にすることは無いんだけどね。」
「ちゃんと優奈ちゃんと上手くいくのよ?私、陽一くんには幸せになって欲しいって思ってるんだからね。」
「………ありがとうございます。頑張ります。」
俺は、もう何度目か分からないほど2人に頭を下げている。
そして、頭を上げると俺は2人にお願いしたいと思っていたことを伝える。
「すいません、一つだけお願いしたいことがあるのですが……よろしいでしょうか?」
「別に遠慮なんてしなくていいよ。なんでも言って。」
「………美優の昔を知るためにアルバムなどを見せてはいただけないでしょうか?」
「アルバム?まぁ、別にそれは構わないけど……」
「どうして美優のことを知りたいの?」
お義母さんが少し真剣な表情になってそう尋ねてきた。
そりゃそうだ。もう美優とは許嫁ではないというのに美優を知ろうとする。意味が分からないな。
でも、それでも俺は知らなくちゃいけないんだ。
「俺は、分からないんです。俺という存在が美優にとってどれほど大事なのかを。今の俺には昔の記憶が無いので美優との思い出は何もないんです。それなのに美優は、こんな俺でも好きでいてくれる。その理由を知りたいんです。いや、知らなくちゃいけないんです。そうしないと俺の思いを何も伝えられないんです。」
「………きっと、今陽一くんがアルバムを見ると倒れちゃうと思うの。自分に身に覚えのない記憶を知ってしまうと脳がその記憶を思い出そうと無理やり回転して熱を起こす可能性もあるわ。」
「あっ………」
それは過去にもあったことだ。
家でアルバムを見た時にも倒れてしまった。
あんな事がまた起こるのだろうか?
「だから今無理して知る必要も無いと思うの。陽一くんのためにも。」
もしかして今さっき、俺に真剣な表情で尋ねてきたのは俺のためだったのか?
「私もそう思ってる。陽一くんは、最近大変なことが多く学校を欠席しがちになっている。もしかしたら、卒業にも響く可能性があるよ………って言おうと思ったけど……」
「陽一くんの考えがちゃんと伝わったからね。今しなくてもいいとは思うけど……今したいんでしょ?」
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