菊の花は闇夜に狂い咲く

彗麗

菊の花

私は星柃菊[セイ リョウキ]父は薬師だ。

父から薬の作りかたや治療の仕方を沢山習った。
なのにこれはなんだ!?

急に、家に星家のものだと名乗る男が入ってきて、私と父を牛車に無理やり入れると走り出した。
「父さんこれ何?!」
「いやぁ、見つかっちゃったみたいだ」
元々こんな感じだが、いつもと変わらぬ態度にため息が出る。まぁ、危なくはないのは確かだろう。
父は自らのことを話し出した。
父、星明隺[セイ ミョウゴク]は星家という地方ではあるが貴族の次男坊で、薬師の夢を家族に反対されたので家出したのだという。事の詳細を聞き父の性格は元々こうだったのかと呆れていると、牛車が止まった。どうやら屋敷に着いたようだ。
客室らしきところに案内されると父にそっくりだが優しそうな雰囲気をしている父の兄だろうと思われる中年の男性が出てきた。

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