『元SSSランクの最強暗殺者は再び無双する』
砂漠の地下通路
意識を取り戻したドワーフの青年はキョロキョロと見渡し、状況を把握すると――――
「とう!」とジャンプをする。 まるで軽業師のように、空中で体を反転。 頭から地面に――――
「な! なにをしてるんですか!」と止めるメイルの声は間に合わない。
なぜなら、すでにドワーフの左右にはエルマとカレンが手を伸ばし、束縛していたからだ。
「なるほど……私とカレンが気配を読み違えた絡繰りも見えて来た」とエルマ。
ドワーフを捕まえたまま、足を強く地面に叩きつけた。
すると、地面に穴が開き―――― 4人を飲み込んだ。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・・
「うむ……やはり私の推測通り、一定の力が加われば地下への入り口が現れる仕掛けになっていたか」
あのドワーフがカレンとエルマの気配察知能力を無効化にできた理由は簡単だ。
2人が想定していなかった砂漠の地下に隠れていたからだ。
「それは良いけどエルマちゃん? いきなり試すんじゃなくて事前に伝えておいてね」
「……それはすまなかったカレン。 メイルもすまなかったな」
「い、いえ、それはいいのですが……いつの間にか逃げてしまいましたね。ドワーフの方……」
「うむ、真っ暗だ。灯りの準備を頼めるか?」
「はい」とメイルは、暗闇の中で慣れたようにランタンを取り出し、火を灯した。
光が周囲に広がり、辺りが照らされる。 するとここは――――
「地下通路……ですかね?」
「そうだな。流石ドワーフと言ったところだ。こんな砂漠でも地下の隠し通路を作るなんてな。1人でどのくらいの年月をかけて作ったのだろうか?」
「これを、先ほどの方1人で……!?」
メイルは驚きの声を上げる。
「そうね、どうやら水の力を使った痕跡があるわ」とカレンは壁に手を当てて調査していた。
「水の勇者……それもドワーフならば、可能という事でしょうか?」
「うん、面白いわね。 水の勇者であるドワーフが人工ダンジョンという所ね。 この先、何がでるか楽しみだわ」
本気で楽しんでいるカレンに対して、不安を隠せない妹……それに対して師匠《メイド》は――――
「2人とも気を付けろ。どうやら罠が作動しているぞ!」
エルマが指を差した先、轟音が迫ってくる。果たしてその正体は――――
それに気づいたメイルが叫んだ。
「て、鉄砲水です!」
通路全体を覆いかねない水量が勢いよくメイルたちに襲い掛かってくる。
3人を乗り込もうとした直前――――
≪不可侵なる壁≫
メイルの結界。 人工的自然災害である鉄砲水の衝撃ですら、完全に抑え込んでみせた。
「――――勢いはなくなりましたが……勢いを失った水が結界の前で池のように貯まってしまいました。どうしましょうか?」
「ん~ だったら、横に壁を開けて進みましょう」とカレンは鉄などで補強されている地下通路の壁を――――いともたやすく穴を開けるのだった。
「うむ、あのドワーフ……何のつもりか知らないが……完全に私たちを害するつもりだった。……ただでは済まさぬぞ」
なにやら、エルマが凶悪な顔を見せている。
「お、お手柔らかにしてあげてくださいね」とメイルは言うしかなかった。
「とう!」とジャンプをする。 まるで軽業師のように、空中で体を反転。 頭から地面に――――
「な! なにをしてるんですか!」と止めるメイルの声は間に合わない。
なぜなら、すでにドワーフの左右にはエルマとカレンが手を伸ばし、束縛していたからだ。
「なるほど……私とカレンが気配を読み違えた絡繰りも見えて来た」とエルマ。
ドワーフを捕まえたまま、足を強く地面に叩きつけた。
すると、地面に穴が開き―――― 4人を飲み込んだ。
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「うむ、真っ暗だ。灯りの準備を頼めるか?」
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「水の勇者……それもドワーフならば、可能という事でしょうか?」
「うん、面白いわね。 水の勇者であるドワーフが人工ダンジョンという所ね。 この先、何がでるか楽しみだわ」
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「2人とも気を付けろ。どうやら罠が作動しているぞ!」
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