『元SSSランクの最強暗殺者は再び無双する』
目的地は?
「ふぅ~」とため息を1つ。
メイルは、「なんとか倒せましたね」と少し疲れた様子だった。
もっとも、その原因は戦闘による疲労だけではなかったようだ。
「うむ、我が弟子が開発した技か。面白い使い方だが、ここを、こう変えてみたら、実質的に技が2種類に増えるのでは?」
「へぇ~ 面白い考えね。 どうせなら、この部分を火力に特化させて……」
「なるほど、なるほど……」
給仕《エルマ》と姉《カレン》はベルトの技を魔改造しながら八岐大蛇を討伐させていたのだ。
「でも、これどうします?」とメイルは倒れた八岐大蛇の亡骸を指さした。
「う~ん このクラスの魔物だったら、解体して持っていったらマリアちゃん、大喜びしそうだけど……」とカレン。
「町のすぐ前だからな……注目がすごい。時間がかかりそうだ」とエルマ。
「注目されているのは衣装のせいでは?」
メイルは自分たちが着ている服を指さした。
彼女たちは着替える間もなく戦闘服ではなく給仕《メイド》服で戦っていたのだ。
「では着替えるか」とエルマは慣れた手つきで――――
「いや、待ってください! ここで着替えようとしないでください!……なんで姉さんまで着替えようと!?」
「え? だって、メイルちゃんが早く着替えろって言うから……」
「せっ、せめて物陰で! いえ、どうせだったら完全に見えない場所でやってください」
八岐大蛇との戦いを見守っていた門番たちや旅人たちがざわついている。
「あー えっと、どなたかフランチャイズ家に連絡していただけませんか? お礼は出せると思うのですが……」
「おぉ!」と歓声が上がる。 貴族が、それも冒険者ギルドとは商売の別ルートを持つ事で有名なフランチャイズ家が来るというのだ。
八岐大蛇の解体が始まればご祝儀代わりに、様々な素材をお裾分けとして配られる。
「2人ともドタバタされている間に行きましょう。いえ、着替えは休憩時に天幕を張ってからです」
「「は~い!」」
 ・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
そして着替えた3人。
メイルは普段通り、聖女としての正装。
カレンは、ベルトの恰好を似ている。軽装の暗殺者ファッション。
エルマは……あまり変わっていない。
「え? エルマさん?」
「どうした?」
「あの……服装が変わっていないような気がするのですが?」
「心配するな。これは戦闘用給仕服だ」
「戦闘用……メイド服……ですか?」
「うむ、特殊繊維により、対刃効果&対衝撃効果&対魔法効果et.cetc 私が持っている限り、最高峰の防具だ」
「そう……ですか」とメイルは諦め始めた。
あのベルト・グリムの師匠だ。 あらゆる局面において規格外なのはわかっていた。
「えー 私のも同じ服がほしい!」と駄々をこねる姉を横目に見ながら……
「それにしても妙だな。こんな町付近に魔物が出現するなんて……」
「急に真面目になるのですね、お師匠さま」
「もしや魔王復活によって魔物の活性化が起こっているのではないだろうか?」
「給仕服で真面目な話をされても耳に残りませんよ」
「うむ……そう言えば、なぜお前は私の事をお師匠さまと呼んでいるのだ?」
「……今更ですか? お師匠さまと呼んでいる事を後悔し始めたタイミングで」
「まぁいいだろう。この旅の最中に指南をしてやろう!」
「はい、ご指導ご鞭撻の方を宜しくお願いします」
「うむ、若干、死んだ目をしている気もするが……いいだろう。私の指導は厳しいぞ……それと」
「はい?」
「私たちの目的地はどこだ?」
メイルは深いため息をついた。
メイルは、「なんとか倒せましたね」と少し疲れた様子だった。
もっとも、その原因は戦闘による疲労だけではなかったようだ。
「うむ、我が弟子が開発した技か。面白い使い方だが、ここを、こう変えてみたら、実質的に技が2種類に増えるのでは?」
「へぇ~ 面白い考えね。 どうせなら、この部分を火力に特化させて……」
「なるほど、なるほど……」
給仕《エルマ》と姉《カレン》はベルトの技を魔改造しながら八岐大蛇を討伐させていたのだ。
「でも、これどうします?」とメイルは倒れた八岐大蛇の亡骸を指さした。
「う~ん このクラスの魔物だったら、解体して持っていったらマリアちゃん、大喜びしそうだけど……」とカレン。
「町のすぐ前だからな……注目がすごい。時間がかかりそうだ」とエルマ。
「注目されているのは衣装のせいでは?」
メイルは自分たちが着ている服を指さした。
彼女たちは着替える間もなく戦闘服ではなく給仕《メイド》服で戦っていたのだ。
「では着替えるか」とエルマは慣れた手つきで――――
「いや、待ってください! ここで着替えようとしないでください!……なんで姉さんまで着替えようと!?」
「え? だって、メイルちゃんが早く着替えろって言うから……」
「せっ、せめて物陰で! いえ、どうせだったら完全に見えない場所でやってください」
八岐大蛇との戦いを見守っていた門番たちや旅人たちがざわついている。
「あー えっと、どなたかフランチャイズ家に連絡していただけませんか? お礼は出せると思うのですが……」
「おぉ!」と歓声が上がる。 貴族が、それも冒険者ギルドとは商売の別ルートを持つ事で有名なフランチャイズ家が来るというのだ。
八岐大蛇の解体が始まればご祝儀代わりに、様々な素材をお裾分けとして配られる。
「2人ともドタバタされている間に行きましょう。いえ、着替えは休憩時に天幕を張ってからです」
「「は~い!」」
 ・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
そして着替えた3人。
メイルは普段通り、聖女としての正装。
カレンは、ベルトの恰好を似ている。軽装の暗殺者ファッション。
エルマは……あまり変わっていない。
「え? エルマさん?」
「どうした?」
「あの……服装が変わっていないような気がするのですが?」
「心配するな。これは戦闘用給仕服だ」
「戦闘用……メイド服……ですか?」
「うむ、特殊繊維により、対刃効果&対衝撃効果&対魔法効果et.cetc 私が持っている限り、最高峰の防具だ」
「そう……ですか」とメイルは諦め始めた。
あのベルト・グリムの師匠だ。 あらゆる局面において規格外なのはわかっていた。
「えー 私のも同じ服がほしい!」と駄々をこねる姉を横目に見ながら……
「それにしても妙だな。こんな町付近に魔物が出現するなんて……」
「急に真面目になるのですね、お師匠さま」
「もしや魔王復活によって魔物の活性化が起こっているのではないだろうか?」
「給仕服で真面目な話をされても耳に残りませんよ」
「うむ……そう言えば、なぜお前は私の事をお師匠さまと呼んでいるのだ?」
「……今更ですか? お師匠さまと呼んでいる事を後悔し始めたタイミングで」
「まぁいいだろう。この旅の最中に指南をしてやろう!」
「はい、ご指導ご鞭撻の方を宜しくお願いします」
「うむ、若干、死んだ目をしている気もするが……いいだろう。私の指導は厳しいぞ……それと」
「はい?」
「私たちの目的地はどこだ?」
メイルは深いため息をついた。
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