『元SSSランクの最強暗殺者は再び無双する』
大聖堂の最上階
メイルが最上階にたどり着いた。
なぜなら、そこは大聖堂の象徴である前聖女 プリエの部屋。
メイルは考える事すらしないが……彼女《プリエ》さえ無事なら、大聖堂も、教会も、いくらでも再起はできる。
だから、敵は当然、そこを狙う。 敵に取っての大将首はプリエ、ただ1人。
どーん! 大きな音を上げメイルは扉を開いた。
「ま、間に合いましたか!」
見ればプリエは敵と交戦中だった。 メイルの予想に反して敵はただ1人。
大将の相手は、大将が行うべきと考え、この男にあるのか、ないのか、想像すらできないが――――
「やはり、君が来たか。私の計画通りに」と男は――――
ソルは言った。
「ソルさん! 貴方は!」
「私たち、魔に属する者が恐怖するのは対極たる聖なる者。それらが集まる大聖堂は、最大の難敵……けれども、それはいい。大した問題ではない」
「何を……何を言っているのですか?」
「真の恐怖は、貴方ですよメイルさん、かつて魔王すら怯えさせた聖なる者よ」
「私が恐怖?」
「えぇ、だから……」
「駄目です! メイルさん、この男の話を聞いては!」
プリエが飛び出す。
神聖なる力を宿した杖をソルへ向かい投擲。それと同時に自身は手にしたナイフに聖属性の魔力を付加させて、突進していく。
「同時攻撃……脅威ですが、技の繋ぎが甘い!」
「なっ!」とプリエは驚いた。
どんな魔物でも一撃で倒す聖属性の杖。それを避けずに自らソルはぶつかりにいったからだ。
「私には聖属性の効果は薄い……と言ってもこのダメージですか。 ですが、耐えきれる! 取ったぞ、旧聖女!」
杖の一撃を避けず、自ら受け……なおかつ前進。 突進してくるプリエに対してソルは――――
「旧式は旧式らしき、新しい者への礎になってくださいね」
無慈悲に剣を彼女の体に――――そして、舞い散る鮮血は、メイルが見た誰の血よりも鮮やかな深紅に見えた。
「あっ……あああぁぁぁぁぁぁ!? い、いやあああああああぁぁぁ!」
その直後、メイルの魔力が彼女を白く包み込む。
「やはり暴走。しかし、このレベルとなると……私も逃げ出したくなりますね」
そんな台詞とは裏腹にソルは笑った。 それは自分を奮い立たすための偽りの笑いかも知らなかった。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「ここは?」とメイル。
彼女の視界は全て白い。 まるで死後の世界へ迷い込んでしまったように不安に襲われる。
「もしかして、私も死んでしまったのでしょうか?」
プリエが斬られた直後の記憶はない。 その直後、メイルによってこの白い世界は構築されたのだが、それは彼女の知る由はなかった。
だから、彼女は驚く。 なぜなら――――
「やはり、ここは死後の世界なのですね。 だから、ここに貴方がいる」
彼女が話しかけた存在は首を横に振った。
「違うのですか? では、どうして?」
そんな質問に、そこに存在していた彼――――あるいは彼女は答える。
「私はずっと君の中にいて君を見守っていたよ。けど、そろそろ私も、僕らも戦う決意ができたみたいだ」
「戦う……ですか? でも、貴方は、貴方たちは――――」
「大丈夫、私たちと僕たちを信じて、この手を取ってよ。そうすれば、君は――――」
メイルは、最後まで聞かず、その手を握り返した。
なぜなら、そこは大聖堂の象徴である前聖女 プリエの部屋。
メイルは考える事すらしないが……彼女《プリエ》さえ無事なら、大聖堂も、教会も、いくらでも再起はできる。
だから、敵は当然、そこを狙う。 敵に取っての大将首はプリエ、ただ1人。
どーん! 大きな音を上げメイルは扉を開いた。
「ま、間に合いましたか!」
見ればプリエは敵と交戦中だった。 メイルの予想に反して敵はただ1人。
大将の相手は、大将が行うべきと考え、この男にあるのか、ないのか、想像すらできないが――――
「やはり、君が来たか。私の計画通りに」と男は――――
ソルは言った。
「ソルさん! 貴方は!」
「私たち、魔に属する者が恐怖するのは対極たる聖なる者。それらが集まる大聖堂は、最大の難敵……けれども、それはいい。大した問題ではない」
「何を……何を言っているのですか?」
「真の恐怖は、貴方ですよメイルさん、かつて魔王すら怯えさせた聖なる者よ」
「私が恐怖?」
「えぇ、だから……」
「駄目です! メイルさん、この男の話を聞いては!」
プリエが飛び出す。
神聖なる力を宿した杖をソルへ向かい投擲。それと同時に自身は手にしたナイフに聖属性の魔力を付加させて、突進していく。
「同時攻撃……脅威ですが、技の繋ぎが甘い!」
「なっ!」とプリエは驚いた。
どんな魔物でも一撃で倒す聖属性の杖。それを避けずに自らソルはぶつかりにいったからだ。
「私には聖属性の効果は薄い……と言ってもこのダメージですか。 ですが、耐えきれる! 取ったぞ、旧聖女!」
杖の一撃を避けず、自ら受け……なおかつ前進。 突進してくるプリエに対してソルは――――
「旧式は旧式らしき、新しい者への礎になってくださいね」
無慈悲に剣を彼女の体に――――そして、舞い散る鮮血は、メイルが見た誰の血よりも鮮やかな深紅に見えた。
「あっ……あああぁぁぁぁぁぁ!? い、いやあああああああぁぁぁ!」
その直後、メイルの魔力が彼女を白く包み込む。
「やはり暴走。しかし、このレベルとなると……私も逃げ出したくなりますね」
そんな台詞とは裏腹にソルは笑った。 それは自分を奮い立たすための偽りの笑いかも知らなかった。
・・・
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「ここは?」とメイル。
彼女の視界は全て白い。 まるで死後の世界へ迷い込んでしまったように不安に襲われる。
「もしかして、私も死んでしまったのでしょうか?」
プリエが斬られた直後の記憶はない。 その直後、メイルによってこの白い世界は構築されたのだが、それは彼女の知る由はなかった。
だから、彼女は驚く。 なぜなら――――
「やはり、ここは死後の世界なのですね。 だから、ここに貴方がいる」
彼女が話しかけた存在は首を横に振った。
「違うのですか? では、どうして?」
そんな質問に、そこに存在していた彼――――あるいは彼女は答える。
「私はずっと君の中にいて君を見守っていたよ。けど、そろそろ私も、僕らも戦う決意ができたみたいだ」
「戦う……ですか? でも、貴方は、貴方たちは――――」
「大丈夫、私たちと僕たちを信じて、この手を取ってよ。そうすれば、君は――――」
メイルは、最後まで聞かず、その手を握り返した。
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