『元SSSランクの最強暗殺者は再び無双する』
ベルト対盾の魔族 その目的
「いざ、尋常に――――」
「「勝負!」」
などと言ってはいるが、このベルト・グリム……生粋の暗殺者《アサシン》である。
「尋常に」と言う言葉は、潔くとか、正々堂々とか、そういう意味であるが、ベルト・グリムの中には存在しない言葉だ。
ならば、なぜ答えたか? 相手である盾の魔族。
上位魔族にありがちな武人タイプ。
そう判断したベルトは、相手の土俵に合わせた振りをして隙を突く。
そのための戦いに誘導したのだ。
だから――――
序盤は正々堂々真っ向勝負。
武器のように盾を振るう魔族。 聖属性を付加されている盾ではあるが――――
鉄の鈍器としても有効な武器である。
当然、ベルトは受けない。
手にした武器はナイフ。 受ければ武器破壊は免れない。
「おのれ! ちょこまかと!」と魔族は吠える。
そこから伝わるは焦り。 大振りとなった一撃を躱し、懐へ潜り込むと――――
≪致命的な一撃≫
「がぁ!」と魔族は片膝をつく。
まだ、その瞳に闘志が宿っているのは流石と言わざる得ない。しかし――――
「しかし、妙だな。明らかに相性が悪いアンタが……」
相性差。 盾を持ち、防御力の高そうな大柄な魔族。
ならば防御不能の技々を有するベルトを相手にするには相性は最悪のはず。
どうやら、魔族側もベルトがこの場所に来ているとは知らなったとは言え、怨敵であるはずのベルトへ何も対策をしていないのはおかしい。
事実、卑怯とも言える毒を利用した罠を使う間もなく――――
「まさか、アンタは誘導か? 本当は町の中心で聖騎士団を釘付けにするために――――だとしたら!」
ベルトの視線は、この町で一番の建物。
「狙いは大聖堂か!」
そこ言葉と同時に大聖堂から破壊音が響いた。
「くっ!」とベルトは飛び立とうとするも――――
「左様……だれが勇者かわからぬ状態。ならば、手っ取り早く覚醒させればいい」
ベルトへ魔族は盾を振るう。 隙を突かれ、防御が追い付かない。
「ぐぁ!」と吹き飛ばされるベルト。しかし、すぐに立ち上がる。
「まさか……出し抜こうとしていたら、こちらが出し抜かれるとはな」
「あぁ、こちらとしたら、貴殿がいる事が誤算でしたが……これで我らの勝利だ!」
魔族は唯一の武器であるはずの盾をベルトに向けて投擲。
「なにっ!」と驚きながらも回避するベルトへ魔族は抱きついた。
「馬鹿な! タックル……だと!? 忘れたのか? ここは敵地のど真ん中だぞ!」
魔族に取って、ここは敵地。 敵はベルトだけではない。
現に倒れていた聖騎士団が立ち上がってきた。
「このッ! よくも我らを愚弄して!」
1人が魔族の背を刺した。 他の者もそれに続く。
だが、魔族はベルトへの拘束を緩めなどはしない。
「くっくっく……刺すが良い。 我の目的はかく乱。達成するまでは倒れぬぞ」
「コイツ、ここで死ぬつもりか!」
「がっはははっ! ベルト、貴様のせいで我ら同胞は死んだも同じ、ならば……我はここで死ぬのも介せぬわ」
ここでベルトは思考を加速させる。
重要なのは大聖堂と正義の勇者の保護……だったら!
視線をメイルに向ける。
「くっ――――行け! メイル! 大聖堂を守れ」
「はい」とメイルは駆け出した。
「「勝負!」」
などと言ってはいるが、このベルト・グリム……生粋の暗殺者《アサシン》である。
「尋常に」と言う言葉は、潔くとか、正々堂々とか、そういう意味であるが、ベルト・グリムの中には存在しない言葉だ。
ならば、なぜ答えたか? 相手である盾の魔族。
上位魔族にありがちな武人タイプ。
そう判断したベルトは、相手の土俵に合わせた振りをして隙を突く。
そのための戦いに誘導したのだ。
だから――――
序盤は正々堂々真っ向勝負。
武器のように盾を振るう魔族。 聖属性を付加されている盾ではあるが――――
鉄の鈍器としても有効な武器である。
当然、ベルトは受けない。
手にした武器はナイフ。 受ければ武器破壊は免れない。
「おのれ! ちょこまかと!」と魔族は吠える。
そこから伝わるは焦り。 大振りとなった一撃を躱し、懐へ潜り込むと――――
≪致命的な一撃≫
「がぁ!」と魔族は片膝をつく。
まだ、その瞳に闘志が宿っているのは流石と言わざる得ない。しかし――――
「しかし、妙だな。明らかに相性が悪いアンタが……」
相性差。 盾を持ち、防御力の高そうな大柄な魔族。
ならば防御不能の技々を有するベルトを相手にするには相性は最悪のはず。
どうやら、魔族側もベルトがこの場所に来ているとは知らなったとは言え、怨敵であるはずのベルトへ何も対策をしていないのはおかしい。
事実、卑怯とも言える毒を利用した罠を使う間もなく――――
「まさか、アンタは誘導か? 本当は町の中心で聖騎士団を釘付けにするために――――だとしたら!」
ベルトの視線は、この町で一番の建物。
「狙いは大聖堂か!」
そこ言葉と同時に大聖堂から破壊音が響いた。
「くっ!」とベルトは飛び立とうとするも――――
「左様……だれが勇者かわからぬ状態。ならば、手っ取り早く覚醒させればいい」
ベルトへ魔族は盾を振るう。 隙を突かれ、防御が追い付かない。
「ぐぁ!」と吹き飛ばされるベルト。しかし、すぐに立ち上がる。
「まさか……出し抜こうとしていたら、こちらが出し抜かれるとはな」
「あぁ、こちらとしたら、貴殿がいる事が誤算でしたが……これで我らの勝利だ!」
魔族は唯一の武器であるはずの盾をベルトに向けて投擲。
「なにっ!」と驚きながらも回避するベルトへ魔族は抱きついた。
「馬鹿な! タックル……だと!? 忘れたのか? ここは敵地のど真ん中だぞ!」
魔族に取って、ここは敵地。 敵はベルトだけではない。
現に倒れていた聖騎士団が立ち上がってきた。
「このッ! よくも我らを愚弄して!」
1人が魔族の背を刺した。 他の者もそれに続く。
だが、魔族はベルトへの拘束を緩めなどはしない。
「くっくっく……刺すが良い。 我の目的はかく乱。達成するまでは倒れぬぞ」
「コイツ、ここで死ぬつもりか!」
「がっはははっ! ベルト、貴様のせいで我ら同胞は死んだも同じ、ならば……我はここで死ぬのも介せぬわ」
ここでベルトは思考を加速させる。
重要なのは大聖堂と正義の勇者の保護……だったら!
視線をメイルに向ける。
「くっ――――行け! メイル! 大聖堂を守れ」
「はい」とメイルは駆け出した。
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