『元SSSランクの最強暗殺者は再び無双する』
ベルト対アルク
「武器ならこれを使え」とフォルス団長は、ベルトとアレクに一本づつ剣を投げた。
「刃は潰されているが……真剣か。お前ら、訓練にこんなもの使っているのか?」
「まさかだろ。刃引きしても鉄の鈍器に変わらない。こんなの訓練に使うのはうちの幹部連中だけだ」
「やっぱり、イカれてるよ。お前の所」
「ふん、誉め言葉として見逃してやる」
ベルトは確かめるように、手にした剣を振る。
名刀の部類。 おそらく、長年使っていた名刀の刃を潰したもの。
「あえて不満があるとしたら、重すぎるか」
ベルトは構える。それに合わせるようにアレクも構えた。
(下段の構え。不要な力が抜かれている……いい鍛錬を積んでいる)
ベルトは片手持ちで半身の構え。 アレクに攻撃を促すように剣先を上下に揺らして圧力をかけていく。
「~~~ッ! この!」とアレクは我慢比べに耐えきれず前に出る。
下段の構えから剣を跳ね上げていく。
だが、ベルトは簡単に受ける。 それどころか、弾いてアレクのバランスを崩した。
(ここで剣を降ろせば、まずは一撃入る)
だが、それを実行せずに静かに後ろに下がる。
アレクも早々に一本目を取られた事を理解して立ち上がる。
「さて、一本取られてから、どう動きが変わるかな?」
ベルトは再び、片手半身の構え。
圧力は放ちながら、煽り、誘っていく。
「きぇいえぇぇ!」と奇声のようなかけ声。 今度のアレクは剣を高く上げ、素早く前に出る。
(上段から相手の一刀両断を狙う剛剣。格下が格上に勝つための剣術……か)
その剛剣をベルトはバックステップで避けていく。
(流石に、その剛剣を片手で受けてやるわけにはいかないからなぁ)
アレクの剣を鋭かった。
上からの振り。 それを避けられても、勢いのまま地面に付けた剣を上へ。
一歩の踏み込みから上下の連携を繰り出してくる。しかし――――
「あ、当たらない!」とアレク。
連続の上下攻撃。 隙が無いはず……だが、アレクが攻撃を振るう間にベルトは蹴りを放っていた。
前蹴り。
軽い蹴りに見えて、一歩、二歩とアレクは後退する。
内臓が暴れているような苦しさ。 呼吸ができない。
だが……だからと言って倒れるわけにはいかない。 ノーダメージを装って構えは解かない。
(けど……僕の苦しさは気づかれているだろうなぁ……いや、弱気になるな! 相手は格上。負けて当然の戦い! だったら……)
爛とアルクの瞳に何かが光った。
(むっ! 雰囲気が変わった)
ベルトは警戒心を強める。それまでの構えを変え、両手で剣を握り直して防御を強める。
しかし――――
「……いや、何か来る」
ベルトは構えを解いた。 そのまま空を見上げる。
つられて、その場にいた全員が空を見るが、何も異変は――――
いや、黒い点が徐々に大きくなっている。空から――――
「空から何かが降ってきている!」
誰かが叫ぶ。 そして、その正体に気づく。
「あれは……魔族! 敵襲だ!」
「刃は潰されているが……真剣か。お前ら、訓練にこんなもの使っているのか?」
「まさかだろ。刃引きしても鉄の鈍器に変わらない。こんなの訓練に使うのはうちの幹部連中だけだ」
「やっぱり、イカれてるよ。お前の所」
「ふん、誉め言葉として見逃してやる」
ベルトは確かめるように、手にした剣を振る。
名刀の部類。 おそらく、長年使っていた名刀の刃を潰したもの。
「あえて不満があるとしたら、重すぎるか」
ベルトは構える。それに合わせるようにアレクも構えた。
(下段の構え。不要な力が抜かれている……いい鍛錬を積んでいる)
ベルトは片手持ちで半身の構え。 アレクに攻撃を促すように剣先を上下に揺らして圧力をかけていく。
「~~~ッ! この!」とアレクは我慢比べに耐えきれず前に出る。
下段の構えから剣を跳ね上げていく。
だが、ベルトは簡単に受ける。 それどころか、弾いてアレクのバランスを崩した。
(ここで剣を降ろせば、まずは一撃入る)
だが、それを実行せずに静かに後ろに下がる。
アレクも早々に一本目を取られた事を理解して立ち上がる。
「さて、一本取られてから、どう動きが変わるかな?」
ベルトは再び、片手半身の構え。
圧力は放ちながら、煽り、誘っていく。
「きぇいえぇぇ!」と奇声のようなかけ声。 今度のアレクは剣を高く上げ、素早く前に出る。
(上段から相手の一刀両断を狙う剛剣。格下が格上に勝つための剣術……か)
その剛剣をベルトはバックステップで避けていく。
(流石に、その剛剣を片手で受けてやるわけにはいかないからなぁ)
アレクの剣を鋭かった。
上からの振り。 それを避けられても、勢いのまま地面に付けた剣を上へ。
一歩の踏み込みから上下の連携を繰り出してくる。しかし――――
「あ、当たらない!」とアレク。
連続の上下攻撃。 隙が無いはず……だが、アレクが攻撃を振るう間にベルトは蹴りを放っていた。
前蹴り。
軽い蹴りに見えて、一歩、二歩とアレクは後退する。
内臓が暴れているような苦しさ。 呼吸ができない。
だが……だからと言って倒れるわけにはいかない。 ノーダメージを装って構えは解かない。
(けど……僕の苦しさは気づかれているだろうなぁ……いや、弱気になるな! 相手は格上。負けて当然の戦い! だったら……)
爛とアルクの瞳に何かが光った。
(むっ! 雰囲気が変わった)
ベルトは警戒心を強める。それまでの構えを変え、両手で剣を握り直して防御を強める。
しかし――――
「……いや、何か来る」
ベルトは構えを解いた。 そのまま空を見上げる。
つられて、その場にいた全員が空を見るが、何も異変は――――
いや、黒い点が徐々に大きくなっている。空から――――
「空から何かが降ってきている!」
誰かが叫ぶ。 そして、その正体に気づく。
「あれは……魔族! 敵襲だ!」
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