チートじみた転生ボーナスを全て相棒に捧げた召喚士の俺は、この異世界を全力で無双する。

ジェス64

番外編第3話、日常メルトダウン

 ミーたちは現在、優の帰宅ルートを眺め歩いてる最中にゃ。
 道中の防犯カメラの数も数えつつ、学校から優の自宅までの道のりを辿ってるのにゃ。と言ってもまぁ、もう直ぐ優の家に着くけどにゃー。
「…美依、知ってるだろうが、ここが優の家だ。つまり、私の案内はここで終わりだ」
「にゃ、分かったにゃ。ありがとにゃ…んにゃ、ミーが目星を付けたカメラから取り外して行くかにゃー」
 カメラは全部で5個見つけられたにゃ。一生懸命探したから、見逃しは無いと思うにゃ。たぶん。
「その…大丈夫なのか?」
「ん…何がにゃ?」
 リーダーは倫理観がちょくちょくおかしいから、今更になって犯罪って事を指摘することは無いと思うんにゃけど。
「カメラを取り外す事についてだが…ああいう物は、基本的には固定されていて、取り外しが難しいのではないか?」
 リーダーにしてはマトモな指摘にゃ。
「別に平気にゃ。だって取り外すのはミーの仕事にゃし」
 これは自慢にゃけど、ミーはゲームなんかで言う所の、シーフの才能があると自負してるにゃ。
 窃盗とか隠密に関しては、化学部の誰よりも優れてる自信あるにゃー。
 にゃから当然、防犯カメラの1つや5つぐらいバレずに掠め取るにゃんて、楽勝にゃ。
 なんで普通の猫系女子高生にそんな特技があるのか、ってなるかも知れにゃいけど……昔色々あっただけにゃ。気にするにゃ。
「そうか…!よし、美依は何処のカメラから確認するんだ?」
「一見して分かりにくい場所に設置されてる防犯カメラから回収して行くにゃ」
 優が誰かに攫われたと仮定するにゃら、目立つ防犯カメラが有る場所で攫う馬鹿は居ないハズにゃ。
 しかもカメラ自体がこっそり取り外すのもバレにくい位置にあるから、万が一にもバレないハズ…と言う利点も!
 にゃへへ…ミーの作戦は完璧にゃ…我ながら惚れ惚れする程の敏腕っぷりにゃ。
「つまり、優の家から2つ先のカメラ……ここから回収して行くにゃ」
 このカメラに優が攫われているシーンが写っているのはもはや確定的に明らか…!
 にゃんだこれはたまげたにゃぁ…天才にゃ…今ミーは優と同じぐらい賢い判断を下したにゃ。
 ふふん、間違いなくミーは今輝いてるにゃ。





「うにゃー!映像が確認出来にゃい!!」
 カメラ本体だけを回収しても、ケーブルしかにゃいからモニターで映像が出力出来ニャオォン!!
 クソ、何が天才にゃ…こんな簡単な事にも気づけないにゃんて…優が居ないだけでミー、焦り過ぎかも知れないにゃ…。
「美依、どうした?」
 リーダーが心配そうにミーを見てくるにゃ…うぅ、そんな目で見るにゃ。
「う、にゃぁ…っと……」
 ここまでわざわざ歩いて来たけど、実は帰宅ルートのカメラ、結局全部回収するハメになったにゃん!……言えるかバカ!
 な、何とかして誤魔化さにゃいと…!
「えと…や、やっぱり、資料は多ければ多い程良いとミーは思うにゃ?だから、あの…引き返すことになるけど、カメラは全部回収するにゃ!ミーが目星を付けたとか言ってたのは忘れてしまって良いにゃ!」
 …く、苦しい!言い訳が苦しすぎにゃ…これは幾らリーダーでも……。
「ふむ、確かに……優を確実に見つけなければならないのだから、全て回収するのも…やぶさかでないな!」
 ……うん!やっぱリーダー最高にゃ!
「えへへ…あ、そういうことにゃ〜。身体も寒くなって来たし、ちゃっちゃと済ませるにゃんね」
 ……リーダーは誤魔化せてもブタオとかにはバレそうにゃし、冷静に考えて行動するべきにゃ。
 何はともあれ次に生かすにゃ。反省点を見つけられるのは良い奴の証にゃ。

 それからにゃんとかしてカメラを全回収して、部室に戻った時には、時刻は9時を過ぎてたにゃー。
 これでやーっと優が見つかるにゃんね、よしよし。まさか、まさかだけど……見つからないにゃんて…無いと思うけど、にゃ。
 その時は……にゃはは、どうしようかにゃ?

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