異世界生活は突然に〜いきなりチートになりました〜

カズヤ

領地運営は突然に⑥

ブランがガリアへ来て数日後、カシンが冒険者を連れて帰って来た。

連れて来た人数は、あれ?何かギルドに凄い行列が出来ているんだけど?

俺はカシンを慌てて屋敷の執務室へ呼び出す。

俺の執務室は、旧伯爵邸があった場所に新たに建てた俺とアリシアの屋敷の2階に作った。
旧伯爵邸と同じ2階建の造りで、1階には食堂と調理場、ちょっとしたパーティーが開ける広いパーティルームがあり、2階は執務室の他に会議室と俺達の寝室、客間が5部屋と中々の大豪邸に仕上がった。

因みにアリシアは多忙を極めており、執行部が仕事をしている建屋で寝泊まりしている。

なのでまだこの屋敷には入った事がない。
甘いラブラブ生活はまだまだお預け状態なのである。

ギルドはこの執務室から見える位置に建っているのだが、俺の目に映っている光景は、そのギルドの受付から伸びる長蛇の列である。

何でインフラも整っておらずいつ魔族が攻め込んで来るかも分からないこの街に、これ程までの冒険者が集まって来たのか、いくら考えても理由が分からなかった。

「兄者ー!、今帰りましたー。
どうでっかー?凄いでしょー!」

意気揚々とカシンが執務室へ入って来る。

「凄いでしょじゃねえ!お前報告の時少数だって言ってたじゃねぇか!?
何であんなにいるんだよ!?」

「いやー、ブランの旦那ですわ。あの人がこっちへ移るって聞いてまとまった数の冒険者が移籍を希望したんです。
それまでは人間の冒険者は殆ど話聞いてくれへんかったのに、あの旦那ああ見えて、結構人望厚いですからね。」

カシンが言うには、ブランがこちらへ赴任した事により冒険者達もこちらへの移籍を希望したのだと言う。

とすれば、ブランはこれを狙ってガリアへ移ったと考える方が自然だ。

あの男が何を考えているのか、少し調査が必要だな。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品