異世界生活は突然に〜いきなりチートになりました〜

カズヤ

領地開発は突然に⑤

リンの調査結果を待つ間、皆の意見を聞く為に各自の面談を行う事にした。

場所は城の中の俺が泊まっている部屋だ。

(まずはアリシアだな。)

アリシアには内務を任せようと思っている。
内務と一言で言ってもその仕事は多岐に渡る。
人、金、産業、などなど領地の殆どの政策や実務に関わってくる仕事である。

勿論俺も手伝うつもりだし、補佐も付けるつもりだが多忙を極めるであろうこの仕事はアリシア以外には思い付かない。
まぁあいつとは1番付き合いが古いし、1番信頼出来るからな。

そう考えてながら待っていると部屋のドアがノックされた。

ドアを開けるとアリシアが立っている。
ただなんかモジモジしている様に感じるのは気のせいだろうか?

「ゴメンな、突然。入ってくれ。」

アリシアに入室を促す。

「は、はい。し、失礼します。」

何でそんなに緊張してるんだ?

そう思ったがその理由は直ぐに分かった。

「あ、あの、いきなりで戸惑いましたが、嬉しいです。は、初めてなのでよろしくお願いします。」

壮大な勘違いをしていただけだった。

普段はしっかりしているくせに本当に色恋沙汰が絡むとポンコツになる。
アリシアの場合、色恋沙汰とはまぁ俺の事なんだが。
俺としてもこんな美人に好意を持ってもらえて嬉しいが、今はそんな場合ではない。

「何を勘違いしてんだよ!そんなつもりで読んだんじゃねぇよ!ガリアの今後の事を話し合おうと思っただけだ!」

アリシアの顔がみるみる内に赤くなっていく。穴があったら入りたいってのはこういう状況の事を言うんだろうな。

少し時間をおいて、アリシアが落ち着いたので本題へ入る。
まだ若干気不味そうではあるが、何とかいつもの感じに戻っている。

「アリシア、お前には内務全般を任せたいんだが引き受けてくれるか?勿論サポートはするし、補佐も付けるから。」

するとアリシアは凛とした表情に戻り、即座に了承してくれた。

「勿論です。何なりとお申し付け下さい。」

前々から思っていたのだが、どうしてこうも俺なんかを支持してくれるのだろう。

アリシアと会ったのは1年前だが、一緒に行動し始めたのはつい先日だ。

俺はアリシアには恩がある。魔法の基礎を教えてくれたのは彼女だし、今もこうやって支えて貰っている。
しかし彼女は俺に感謝する事なんて何も無いはずだ。なのにいつも支えてくれる。
この忠誠心はいったい何処から来るんだろうか?

そんな事を考えながら早速ガリアの新体制を話し合う。

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