異世界生活は突然に〜いきなりチートになりました〜

カズヤ

領地開発は突然に④

俺達は国王の前まで行き、片膝をつき頭を垂れる。

「国王陛下に恐れながら申し上げます。ワタル、アリシア、カシン、リン以上4名、お申し付けにより参上仕りましてございます。なお、この度より新たにこの者達の仲間としてキールと申す者が拝謁を申し出ておりますがいかが致しましょう?」

側付の大臣がそう言うと、

「ほう、また懐かしい名を聞いた。構わん、通せ。」

国王の許可が出たのでキールが入室する。

キールは俺達の横へ並び同じ姿勢で頭を垂れる。

「そなたたち、面を上げよ。」

国王からの許しを得て全員顔を上げる。

「キールよ。懐かしいな。息災か?」

やはり昔馴染みなんだな。国王はキールの顔を見て少し嬉しそうだ。
対してキールはガチガチに緊張している。

「はっ、有り難きお言葉恐悦至極にございます。国王陛下に置かれましてもお変わりなく。」

「うむ。まさかそなたがワタル殿達の仲間になるとは思いもよらんかったわ。」

そう言って高笑いをする。
本当に嬉しそうだ。

一頻り挨拶も済んだところで本題へ入る。

「さて、昨日そなた達から頼まれた件だが、我が国の役人から選りすぐりの者達を選んだ。気に入って貰えると良いが。」

国王がそう言うと大臣が1人ずつ名前を呼び上げる。

「財務担当、ユリウス・ベイル、
司法担当、ロベルト・サントス、
国土担当、カートン・マルホイ、
内務担当、カイザル・ハープ、
外務担当、ハリー・トーマス、
以上5名にございます。」

うーん、選ぶって言っても今初めて会ったばかりで人柄も良く知らないしな。

役柄で選ぶなら、2万枚の金貨の管理をしなければならない為財務は必須、町の復興が関係する国土も確定だな。逆にいらないものといえば、内務はアリシアに頼むつもりだから要らないし、外務はカシンに頼もうと思っていたのでこれも必要無い。問題は司法だが、これは微妙だな。独自の法律を運用するならともかく、基本的には国家の法律に従う訳だし、裁判なんかは王都にお願いする事も出来るだろうから今のところは必要無いだろう。

しかし皆の意見も聞いてみたかった為、一度持ち帰って検討したいと申し出た。
少し失礼だったかも知れないのだが、これから苦楽を共にする仲間を選ぶ訳なのでそうさせて貰ったのだ。

ひとまず全員の素性を知らなければならない為、リンに全員分の調査をお願いした。

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