異世界生活は突然に〜いきなりチートになりました〜

カズヤ

ゴールドルーキーは突然に30

城へ到着し早々、王への謁見を願い出る。

応接間で待っていると直ぐに側仕えの人が俺達を呼びに来てくれた。

謁見の間へ通され、国王と王妃にガリアを奪還した事を報告した。

「まさか本当にたった4人で奪還してしまうとは。まさに女神イリスの思召しか。」

確かにイリス様が絡んでいるのは間違いない。国王と言っているのとは少しだけ意味が違うが。

「約束通りお主達にガリアの統治を任せようぞ。いや、是非お主達に今後もガリアを守ってほしい。頼まれてくれるか?」

うーん、領地の運営かぁ。
正直イメージが湧かないんだよなぁ。

会社でも経営に関わった事なんてないし、学生の時も学級委員とか生徒会とかやった事ないしなぁ。

そうやって困っていると、アリシアが発言を始めた。

「恐れながら国王陛下、私に発言のお許しを。」

こういう礼儀はしっかりしている。
さすがは元天使(今も種族は天使だが)

「うむ、許そう。何なりと申してみよ。」

国王からの許しが出て、アリシア発言する。

「ありがたき幸せ。では申し上げます。我々は冒険者故に政にはあまり経験がございません。もし可能であればこの国の官僚を数名私共にお預け頂けませんか?」

なるほど。それだと領地運営の経験が無くてもある程度回していけそうだな。

「なるほどな。よし分かった。明日にでも何名か城へ出向かせ、そなた達に会わせよう。その中から好きな者を選ぶが良い。」

「お聞き届け頂き、有難う存じます。」

そんな感じで国王への報告が終わり、俺達は昨晩宿泊した客間へ戻って来た。

今は俺の部屋へみんな集まってこれからの事を話し合っている。

「しかし本当に領地が貰えちゃったなぁ。これからどうすんだ?アリシアはなんか考えてんだろ?」

イリス様がこのクエストが出された時点でこの2人には何か思惑があった筈だ。
そもそも国王を動かしてまでやりたかった事ってなんだ?

「流石はワタルさん、お察しが良いですね。でも正直イリス様はここから先は何も考えていません。このクエストを思いつかれた時もあなたの実力を見てみたかっただけですから。あの方はあなたお1人でも現魔王を倒せるとお考えですから。」

過大評価も甚だしいな。
確かに前魔王の側近で、今でも魔王以外では魔族最強の男は倒せた。

しかし魔王も俺と同じ異世界人である。
俺と同じで規格外の強さを持っているのは間違いないのだ。
更にこの数年での魔族の侵攻のスピードを考えると統率力もあるのだろう。
言ってみればカリスマである。

そんな奴と将来戦う為には俺自身更に強くなる必要があるし、魔族にも負けない軍団を作らなければならない。

「あっ!そうか!」

軍団を作るための拠点にするって事か!

「流石はワタルさん。
そうです。ワタルさん1人に無理をさせる訳にはいきませんからね。
この問題はこの世界の人間の問題でもありますし。ガリアの地を拠点に対魔族軍を作ります。」

アリシアから何とも壮大な計画が発表された。

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