シンリーは龍族の子に呪われた
緑の丘のおままごと
『お姫さまケーキが焼けましたよ』
空のお皿にハンカチを盛り付けて、私はテーブル代わりのお盆の上に置いた。
向かいに座るサラが嬉しそうに笑って、私もつられて笑顔になる。
『まあ、ありがとうシンリーいただくわ。わあ、とってもおいしい』
『お姫さま、今日は龍族の王子さまがお迎えにきますよ』
頭一つ小さい年下の女の子がエプロンの端を摘んで、澄まし顔で告げる。
『あら、大変。ローラ、ドレスを用意してちょうだい』
『人間国一番のデザイナー、ローラにお任せください』
サラの言葉に、ローラは畳んであった大きなスカーフを取り出してサラの体に巻き付ける。くるりと回ってローラは得意げにポーズを決めた。
『どうです、お姫さまとっても綺麗ですよ』
『それでは私は、王子さまに踊りを見せてくるわね』
スカーフをひらひらと揺らし、サラは空想の王子さまに踊りを見せている。最後に一礼で踊りを終えたところに、私とローラが拍手をする。
『今度はあたしがお姫さまがいい!』
今回の役は終わったとばかりに、ローラが飛び跳ねた。
『それじゃあ、私はまたコックさんね』
私はいつもコックさんを選ぶ。お母さんみたいに、おいしい料理を作ってみんなに喜んでもらいたいから、人間国一番の料理人、シンリーになる。
『それじゃあ、私は宝石でアクセサリー作る人ね。それでお花が宝石ね』
『うん。やろう』
お姫さまをやっていたサラが役を決めて、私たちは笑顔で第二幕に取り掛かる。
『うわ、女たちがまた弱いことやってる』
『げー弱くなる』
『離れようぜ、端っこまで競走な。よーいスタート!』
『はやいっ』『ずるい』
男の子達が私達をからかって、丘の草を蹴って駆けて行く。
落ちていた木の枝を拾って、駆けっこがいつの間にかチャンバラに変わる。
穏やかな風に吹かれながら、揺れる緑の草に囲まれて、私達子供はのどかな午後を過ごしていた。
空のお皿にハンカチを盛り付けて、私はテーブル代わりのお盆の上に置いた。
向かいに座るサラが嬉しそうに笑って、私もつられて笑顔になる。
『まあ、ありがとうシンリーいただくわ。わあ、とってもおいしい』
『お姫さま、今日は龍族の王子さまがお迎えにきますよ』
頭一つ小さい年下の女の子がエプロンの端を摘んで、澄まし顔で告げる。
『あら、大変。ローラ、ドレスを用意してちょうだい』
『人間国一番のデザイナー、ローラにお任せください』
サラの言葉に、ローラは畳んであった大きなスカーフを取り出してサラの体に巻き付ける。くるりと回ってローラは得意げにポーズを決めた。
『どうです、お姫さまとっても綺麗ですよ』
『それでは私は、王子さまに踊りを見せてくるわね』
スカーフをひらひらと揺らし、サラは空想の王子さまに踊りを見せている。最後に一礼で踊りを終えたところに、私とローラが拍手をする。
『今度はあたしがお姫さまがいい!』
今回の役は終わったとばかりに、ローラが飛び跳ねた。
『それじゃあ、私はまたコックさんね』
私はいつもコックさんを選ぶ。お母さんみたいに、おいしい料理を作ってみんなに喜んでもらいたいから、人間国一番の料理人、シンリーになる。
『それじゃあ、私は宝石でアクセサリー作る人ね。それでお花が宝石ね』
『うん。やろう』
お姫さまをやっていたサラが役を決めて、私たちは笑顔で第二幕に取り掛かる。
『うわ、女たちがまた弱いことやってる』
『げー弱くなる』
『離れようぜ、端っこまで競走な。よーいスタート!』
『はやいっ』『ずるい』
男の子達が私達をからかって、丘の草を蹴って駆けて行く。
落ちていた木の枝を拾って、駆けっこがいつの間にかチャンバラに変わる。
穏やかな風に吹かれながら、揺れる緑の草に囲まれて、私達子供はのどかな午後を過ごしていた。
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