セブンスソード
234
「でかいぞ」
赤い線が空に走り巨大な魔法陣を描く。それが完成するとそこから悪魔の群が出てきた。空を飛ぶ悪魔から光の柱を通って地上にも悪魔が現れる。中には建物と同じくらい大きな悪魔もいた。
「隠れろ!」
すぐに建物の影に隠れる。まずい。まさか俺たちがここいにいるのがバレたのか?
危機感を覚えるがしかし悪魔は俺たちの方へは来なかった。建物の角から顔を出してみる。
「あいつらどこへ向かっているんだ?」
悪魔の群は俺たちの方向ではなく別の場所を目指して移動している。どうやらバレてはいないようだ。
「聖治、あいつらの向かってる先、私たちと同じじゃない?」
「ほんとだ」
隣にいた此方に言われて気付く。悪魔たちが進んでいるのは俺たちの行き先と同じだ。
「相棒、あいつら沙城をさらったやつと合流するつもりなんじゃねえか?」
「くそ」
急がないと。なにをするつもりか知らないがもたもたしていたら取り返しのつかないことになる。
「いったいどれだけいるんだ」
「待ってて、私見てくる」
そう言うと日向ちゃんはミリオットを出し身体強化で跳躍、建物の屋上へと移動した。そこから悪魔たちを見てから地面に降りてくる。表情はあまりよくない。
「どうだった?」
「ざっとだけど二百ってところだと思う。それにいろんなのがいた。全員武器持ってるし、でっかいのがやばそう」
「パレードって感じじゃないよな」
「あんな可愛くないパレードなんて最悪なんだけど。どうする聖治さん?」
このまま進めばやつらと鉢合わせになる。急がなければならないが俺たちは香織をさらった悪魔と戦わなければならない。体力は温存しておきたいが、それだと出遅れる。
突破するか、遠回りするか。
俺は悩むがみんなは顔を見合わせている。無言で確認し合い星都が頷いた。
「相棒、お前はさきに行け。やつらは俺たちがやる」
「え」
驚いて星都の顔を見るが星都は真剣だった。星都だけじゃない、みんな俺を真っ直ぐな顔つきで見つめている。
「これは時間との勝負だ。もたもたしてられねえ。安心しろ、道は俺たちが開けてやる。お前は沙城を救え」
「でも、あの数だぞ?」
俺を引けば四人しかいない。あまりにも多勢に無勢だ。
「なに言ってんだ」
なのだが星都は余裕の表情だ。
「俺たちはセブンスソードに集ったスパーダ様だぜ? これから悪魔と戦争だっていうのにこんなところでやられるかよ。むしろ、俺たちの強さを連中に見せつけてやるぜ」
「大丈夫だよ聖治君。言ってくれたよね? 頼りにしてるって。それが今なんだよ」
「ま、私がその気になれば全員ボコだから」
「あんたは香織を助けて。それが目的でしょ」
「みんな」
みんなは強い。でも悪魔と戦うことが危険なのは変わりない。それでもみんなは俺や香織のために集まってくれた。
俺はもう一人じゃない。みんながいる。仲間がいる。一人だった時とは違う。
「ありがとう」
仲間がいるというだけで、こんなにも心強い。
「そうと決まれば行くか」
「ああ、急ごう」
俺たちは走り出した。香織をさらった悪魔はただでさえ強いのにさらに他の悪魔と合流なんてさせられない。その前にたどり着かないと。
町の大通りを走る。廃墟と化した建物が並ぶ車道を進んでいくと先に悪魔たちが見えてきた。黒い行列が並ぶ。
悪魔も俺たちに気づき振り返った。人間である俺たちを見て驚いている。そんな前に俺たちは並んで立つ。悪魔たちも奇声を挙げ威嚇してきた。
「おうおう、連中やる気満々だぜ」
「人間を見るのが懐かしいんじゃない?」
「それはあると思うんだな、この時代にはもう人間はいないかいても少ないはずだし」
「自己紹介でもするか?」
星都が言う。
「それならいい方法思いついた」
日向ちゃんがミリオットを取り出した。聖王剣を片手に前に出る。いったいなにをするつもりだろうか?
そう思っていると、ミリオットを構え刀身に光が集まっていく。そして、
「ミリオットォオオ!」
極大の光線を悪魔に向かって撃ち出した!
「日向ちゃん!?」
自己紹介じゃなかったのか!?
赤い線が空に走り巨大な魔法陣を描く。それが完成するとそこから悪魔の群が出てきた。空を飛ぶ悪魔から光の柱を通って地上にも悪魔が現れる。中には建物と同じくらい大きな悪魔もいた。
「隠れろ!」
すぐに建物の影に隠れる。まずい。まさか俺たちがここいにいるのがバレたのか?
危機感を覚えるがしかし悪魔は俺たちの方へは来なかった。建物の角から顔を出してみる。
「あいつらどこへ向かっているんだ?」
悪魔の群は俺たちの方向ではなく別の場所を目指して移動している。どうやらバレてはいないようだ。
「聖治、あいつらの向かってる先、私たちと同じじゃない?」
「ほんとだ」
隣にいた此方に言われて気付く。悪魔たちが進んでいるのは俺たちの行き先と同じだ。
「相棒、あいつら沙城をさらったやつと合流するつもりなんじゃねえか?」
「くそ」
急がないと。なにをするつもりか知らないがもたもたしていたら取り返しのつかないことになる。
「いったいどれだけいるんだ」
「待ってて、私見てくる」
そう言うと日向ちゃんはミリオットを出し身体強化で跳躍、建物の屋上へと移動した。そこから悪魔たちを見てから地面に降りてくる。表情はあまりよくない。
「どうだった?」
「ざっとだけど二百ってところだと思う。それにいろんなのがいた。全員武器持ってるし、でっかいのがやばそう」
「パレードって感じじゃないよな」
「あんな可愛くないパレードなんて最悪なんだけど。どうする聖治さん?」
このまま進めばやつらと鉢合わせになる。急がなければならないが俺たちは香織をさらった悪魔と戦わなければならない。体力は温存しておきたいが、それだと出遅れる。
突破するか、遠回りするか。
俺は悩むがみんなは顔を見合わせている。無言で確認し合い星都が頷いた。
「相棒、お前はさきに行け。やつらは俺たちがやる」
「え」
驚いて星都の顔を見るが星都は真剣だった。星都だけじゃない、みんな俺を真っ直ぐな顔つきで見つめている。
「これは時間との勝負だ。もたもたしてられねえ。安心しろ、道は俺たちが開けてやる。お前は沙城を救え」
「でも、あの数だぞ?」
俺を引けば四人しかいない。あまりにも多勢に無勢だ。
「なに言ってんだ」
なのだが星都は余裕の表情だ。
「俺たちはセブンスソードに集ったスパーダ様だぜ? これから悪魔と戦争だっていうのにこんなところでやられるかよ。むしろ、俺たちの強さを連中に見せつけてやるぜ」
「大丈夫だよ聖治君。言ってくれたよね? 頼りにしてるって。それが今なんだよ」
「ま、私がその気になれば全員ボコだから」
「あんたは香織を助けて。それが目的でしょ」
「みんな」
みんなは強い。でも悪魔と戦うことが危険なのは変わりない。それでもみんなは俺や香織のために集まってくれた。
俺はもう一人じゃない。みんながいる。仲間がいる。一人だった時とは違う。
「ありがとう」
仲間がいるというだけで、こんなにも心強い。
「そうと決まれば行くか」
「ああ、急ごう」
俺たちは走り出した。香織をさらった悪魔はただでさえ強いのにさらに他の悪魔と合流なんてさせられない。その前にたどり着かないと。
町の大通りを走る。廃墟と化した建物が並ぶ車道を進んでいくと先に悪魔たちが見えてきた。黒い行列が並ぶ。
悪魔も俺たちに気づき振り返った。人間である俺たちを見て驚いている。そんな前に俺たちは並んで立つ。悪魔たちも奇声を挙げ威嚇してきた。
「おうおう、連中やる気満々だぜ」
「人間を見るのが懐かしいんじゃない?」
「それはあると思うんだな、この時代にはもう人間はいないかいても少ないはずだし」
「自己紹介でもするか?」
星都が言う。
「それならいい方法思いついた」
日向ちゃんがミリオットを取り出した。聖王剣を片手に前に出る。いったいなにをするつもりだろうか?
そう思っていると、ミリオットを構え刀身に光が集まっていく。そして、
「ミリオットォオオ!」
極大の光線を悪魔に向かって撃ち出した!
「日向ちゃん!?」
自己紹介じゃなかったのか!?
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