セブンスソード
227
「裏切り者がああ!」
「いいじゃねえかよ別に~」
「ちょっと、そこ止めなさいよ」
「そうだよ星都君、食事の時くらい静かにしないと」
「ったくよぉ」
星都の両手から解放される。あぶねえな、弁当落とすかと思ったぞ。
「やーい、星都さん叱られてやんの~」
「こいつ~……」
「うける~」
「てめえええ」
「あっはははは」
「あんたも挑発しない!」
「いたい!」
此方が日向ちゃんの頭を上から叩く。日向ちゃんは嘘泣きしながら頭をさすっていた。面白い力関係だ。
賑やかだ。みんなわいわいとしながら食事をしている。楽しい。この雰囲気の中にいるだけで幸せだ。
俺たちは食事を終える。今日も香織の弁当はおいしかった。本音を言えば此方たちのコロッケも気になってはいたんだが次の機会があれば交渉してみようか。
「そういえば日向ちゃんいつもこっち来てるけど友達とかにはなんて言ってるんだ?」
「ん?」
お茶を飲んでいる日向ちゃんがこっちを向く。
「俺たちの仲だから一緒に食事をするのは変だとは思わないけどさ、知らない人からしたら学年が上の人たちに混じって昼食って不思議に思うんじゃないかなって」
「うん、よく言われる」
日向ちゃんはケロっとしている。あまり気にしていないようだ。
「お姉ちゃんの友達と一緒に食べてるのもうみんな知ってるし。仲いいね~って」
「そうか」
普通先輩の中に混じって食事なんて抵抗があるもんだが俺たちにそんなものはない。日向ちゃんの性格もあるんだろうが仲がいい証拠だ。
「友達とはうまくいってるのか? 最初は戸惑っただろう」
日向ちゃんもそうだが此方ももともとはここの生徒じゃなかったんだ。突然ここの学生になり見知らない人たちに囲まれ、なおかつ友人らしき人たちからはそれが当たり前のように接してくるのだから驚いたはずだ。二人もそれは言っていた。いきなり知らない人に話しかけられたって。
「いや~、びっくりしたよね。いきなり話しかけてくるから誰? って思ったよ」
「なんていうか、あんたの気持ちがようやく分かったわ」
「だろ?」
いきなり人間関係がリセットされて始まるっていうのはキツいんだよ。
「おまけにあんたは友人だった人が初対面になってたんだからなおさらだろうし。今更だけど、よくやってたわよね」
「そうしなきゃならなかったからな」
俺も戸惑ったし辛かったけどやらなくちゃならなかった。仕方がなかったんだ。
「此方はどうだったんだ? やっぱり大変だったろ?」
「正直慣れないわね。初対面なのに普通に話しかけてくるのよ? 相手は私のこと知ってるかもしれないけど私はぜんぜん知らないから話を合わせるのも大変だし。相づち打ったりなんとか合わせたりで大変だったわ」
分かる。私たちは初対面で友達ではありません、なんて言うわけにもいかないし。そうするしかないよな。
「日向ちゃんはどうだった? 大変だったろ?」
「私? 私はいぇーいって感じで乗り切ってたよ?」
「マジかよ……」
すげーな。なんだよそれ。無敵かよ。
「よくそれでいけたな」
「まあ私の友達だからね」
すげー説得力だ。
「まあ、今ではうまくやれてるようでよかったよ」
「うん。みんな楽しいし新しい学校生活もレッツエンジョイって感じ」
「まあ、そこは私も問題ないかな」
「そうか」
二人とも馴染めてきているようでよかった。それは少し心配だったからな。それについて大丈夫そうで安心できた。
「二人がうまくいってるようでよかったよ。問題は」
現状の生活に支障はない。なら俺たちに残された問題は一つしかない。
「これからどうするかだな」
俺の一言でこの場の雰囲気が引き締まる。それは俺だけじゃない、みんなが抱いている共通の問題だからだ。
「うん。問題はそこなんだよね」
「いいじゃねえかよ別に~」
「ちょっと、そこ止めなさいよ」
「そうだよ星都君、食事の時くらい静かにしないと」
「ったくよぉ」
星都の両手から解放される。あぶねえな、弁当落とすかと思ったぞ。
「やーい、星都さん叱られてやんの~」
「こいつ~……」
「うける~」
「てめえええ」
「あっはははは」
「あんたも挑発しない!」
「いたい!」
此方が日向ちゃんの頭を上から叩く。日向ちゃんは嘘泣きしながら頭をさすっていた。面白い力関係だ。
賑やかだ。みんなわいわいとしながら食事をしている。楽しい。この雰囲気の中にいるだけで幸せだ。
俺たちは食事を終える。今日も香織の弁当はおいしかった。本音を言えば此方たちのコロッケも気になってはいたんだが次の機会があれば交渉してみようか。
「そういえば日向ちゃんいつもこっち来てるけど友達とかにはなんて言ってるんだ?」
「ん?」
お茶を飲んでいる日向ちゃんがこっちを向く。
「俺たちの仲だから一緒に食事をするのは変だとは思わないけどさ、知らない人からしたら学年が上の人たちに混じって昼食って不思議に思うんじゃないかなって」
「うん、よく言われる」
日向ちゃんはケロっとしている。あまり気にしていないようだ。
「お姉ちゃんの友達と一緒に食べてるのもうみんな知ってるし。仲いいね~って」
「そうか」
普通先輩の中に混じって食事なんて抵抗があるもんだが俺たちにそんなものはない。日向ちゃんの性格もあるんだろうが仲がいい証拠だ。
「友達とはうまくいってるのか? 最初は戸惑っただろう」
日向ちゃんもそうだが此方ももともとはここの生徒じゃなかったんだ。突然ここの学生になり見知らない人たちに囲まれ、なおかつ友人らしき人たちからはそれが当たり前のように接してくるのだから驚いたはずだ。二人もそれは言っていた。いきなり知らない人に話しかけられたって。
「いや~、びっくりしたよね。いきなり話しかけてくるから誰? って思ったよ」
「なんていうか、あんたの気持ちがようやく分かったわ」
「だろ?」
いきなり人間関係がリセットされて始まるっていうのはキツいんだよ。
「おまけにあんたは友人だった人が初対面になってたんだからなおさらだろうし。今更だけど、よくやってたわよね」
「そうしなきゃならなかったからな」
俺も戸惑ったし辛かったけどやらなくちゃならなかった。仕方がなかったんだ。
「此方はどうだったんだ? やっぱり大変だったろ?」
「正直慣れないわね。初対面なのに普通に話しかけてくるのよ? 相手は私のこと知ってるかもしれないけど私はぜんぜん知らないから話を合わせるのも大変だし。相づち打ったりなんとか合わせたりで大変だったわ」
分かる。私たちは初対面で友達ではありません、なんて言うわけにもいかないし。そうするしかないよな。
「日向ちゃんはどうだった? 大変だったろ?」
「私? 私はいぇーいって感じで乗り切ってたよ?」
「マジかよ……」
すげーな。なんだよそれ。無敵かよ。
「よくそれでいけたな」
「まあ私の友達だからね」
すげー説得力だ。
「まあ、今ではうまくやれてるようでよかったよ」
「うん。みんな楽しいし新しい学校生活もレッツエンジョイって感じ」
「まあ、そこは私も問題ないかな」
「そうか」
二人とも馴染めてきているようでよかった。それは少し心配だったからな。それについて大丈夫そうで安心できた。
「二人がうまくいってるようでよかったよ。問題は」
現状の生活に支障はない。なら俺たちに残された問題は一つしかない。
「これからどうするかだな」
俺の一言でこの場の雰囲気が引き締まる。それは俺だけじゃない、みんなが抱いている共通の問題だからだ。
「うん。問題はそこなんだよね」
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