セブンスソード
140
「どうした聖治、ぼーとしてるぜ」
「ん? いや、なんでもない。それよりほら、これからの方針を決めないと」
仲間になれたのはいいことだ。でもそれで終わりじゃない。ちょうど第二段階が終わっただけで課題は残されている。
「俺たちはこれから水戸市から脱出しなければならない。問題はその方法だ」
それが俺たちのゴールなんだ。そのゴールラインを通らない限り本当の終わりはない。
「確認するけどよ、今までの失敗ってもう一人の参加者に倒されるか管理人にやられてきたんだよな?」
「ああ。それをどうにか出来ればいいんだがな」
俺たちが逃げようとして失敗してきたのは星都が言った通り魔来名か管理人との戦闘によって敗北したからだ。逆を言えば倒せるのなら問題ない。
「私たちはそこら辺分からないけど、出来そうなの?」
此方が聞いてくる。
「六人、か」
ここには六人のスパーダがいる。それぞれ特異な能力を持った剣士たちの集まりだ。弱いことはない。俺が直に戦ってきてそう思う。
ただ、敵も油断ならない相手だ。
「分からないけど、やってみるしかないと思う」
勝てるかどうか、それは正直分からないが勝機はある。これだけの人数で挑めば打開策はあるかもしれない。まずはやるしかない。
「結局戦いは避けられない、ってこと?」
「そう、だな。ただ俺たちとやるよりは幾分やりやすいんじゃないか? それに数なら勝ってる」
「仲間が多いんだもん、こっちの方がいいよ~」
「別に抜けるなんて言ってないでしょ」
日向ちゃんの忠告にもうと嘆息しながらも此方は表情を引き締める。
「相手の特徴は?」
「そうそう、俺たちもそこは聞いてないぜ」
「そうだな。判明しているだけでも相手の容姿と能力を説明しておくよ」
空間を操り槍を出したり消したり出来る粗暴な管理人、原理は不明だがあらゆる方向から投擲を行ってくる半蔵、そして最後のセブンスソードの剣、魔刀天黒魔(あくま)を振るう男、魔堂(まどう)魔来名(まきな)。この男に斬られた傷は治らない。
誰が容易とか誰なら楽なんてことはない。全員が強敵で三人とも勝てる保証なんてない。
だけど、やるしかないんだ。みんなで力を合わせてこの障害を乗り越えていくしかない。
「とりあえず、当面はこの三人が敵になるはずだ」
「でもでも、全員を倒す必要はないんですよね!?」
「うん。あくまでも目的は逃走だ。それを阻まれたら戦うしかないが、全員を倒さなくちゃいけないってことではないよ」
「ふぅー」
三人の説明を聞いて慌てていた日向ちゃんだったが胸をなで下ろしている。
「となると、問題は相手か。選ぶことはできるの?」
「それぞれ出会った場所は違うな。最初の槍男は登下校途中の通学路、半蔵は高速道路、魔来名は駅前と校門だ。それぞれ出現場所が決まっているのなら選ぶことは可能かもしれない。ただ、これに関しては確信が持てないな。まずこの世界でも同じと確認が取れたわけじゃないしたまたまの可能性だってある」
「そっか」
事前に選べるなら多少は楽なんだろうけど。備えも出来るしある程度イメージも湧く。ただなんとも言えないのが現状だ。
「管理人に関しては私たちが逃げようとしたから現れただけでたまたまかもしれないわね。そういう意味では駅前に出てきた魔来名は確実性があるんじゃない? もし人を捜すなら大勢集まる駅前に陣取るでしょうし、この世界でもそうしている可能性はあるんじゃない?」
此方の言葉に星都が続く。
「でもよ、魔来名を倒したところで、だろ。逃げようとすれば管理人が動くんだから倒すのは管理人だろ?」
「じゃあ半蔵か? また高速道路に行けば出てくるかもしれない」
「でも聖治君、この人数じゃ同じタクシーには乗れないよ?」
「う~ん」
腕を組む。なかなかうまくいかないものだな。せっかく仲間ができたのに敵が誰か分からなければ対策が取れない。
「なあ、考えてても仕方がなくないか? どの道確実な答えなんて出ないんだろ? どうしようが出たとこ勝負になるのは同じだろ」
「僕はみんなと一緒ならどこでもいいんだなぁ」
「私も! お姉ちゃんもいるし、みんながいる。誰が相手だろうと敵じゃないって感じ?」
「おうよ。俺たち六人は最強で無敵なドリームチームよ。負けるわけない。むしろ敗北を知りたい」
「お前らなあ」
力也はともかくとして日向ちゃんと星都の悪のりがひどいぞ。
「日向、調子に乗らない」
「あははは……」
此方が刺すような視線を向けている。香織は微妙な笑顔で愛想笑いだ。
「ん? いや、なんでもない。それよりほら、これからの方針を決めないと」
仲間になれたのはいいことだ。でもそれで終わりじゃない。ちょうど第二段階が終わっただけで課題は残されている。
「俺たちはこれから水戸市から脱出しなければならない。問題はその方法だ」
それが俺たちのゴールなんだ。そのゴールラインを通らない限り本当の終わりはない。
「確認するけどよ、今までの失敗ってもう一人の参加者に倒されるか管理人にやられてきたんだよな?」
「ああ。それをどうにか出来ればいいんだがな」
俺たちが逃げようとして失敗してきたのは星都が言った通り魔来名か管理人との戦闘によって敗北したからだ。逆を言えば倒せるのなら問題ない。
「私たちはそこら辺分からないけど、出来そうなの?」
此方が聞いてくる。
「六人、か」
ここには六人のスパーダがいる。それぞれ特異な能力を持った剣士たちの集まりだ。弱いことはない。俺が直に戦ってきてそう思う。
ただ、敵も油断ならない相手だ。
「分からないけど、やってみるしかないと思う」
勝てるかどうか、それは正直分からないが勝機はある。これだけの人数で挑めば打開策はあるかもしれない。まずはやるしかない。
「結局戦いは避けられない、ってこと?」
「そう、だな。ただ俺たちとやるよりは幾分やりやすいんじゃないか? それに数なら勝ってる」
「仲間が多いんだもん、こっちの方がいいよ~」
「別に抜けるなんて言ってないでしょ」
日向ちゃんの忠告にもうと嘆息しながらも此方は表情を引き締める。
「相手の特徴は?」
「そうそう、俺たちもそこは聞いてないぜ」
「そうだな。判明しているだけでも相手の容姿と能力を説明しておくよ」
空間を操り槍を出したり消したり出来る粗暴な管理人、原理は不明だがあらゆる方向から投擲を行ってくる半蔵、そして最後のセブンスソードの剣、魔刀天黒魔(あくま)を振るう男、魔堂(まどう)魔来名(まきな)。この男に斬られた傷は治らない。
誰が容易とか誰なら楽なんてことはない。全員が強敵で三人とも勝てる保証なんてない。
だけど、やるしかないんだ。みんなで力を合わせてこの障害を乗り越えていくしかない。
「とりあえず、当面はこの三人が敵になるはずだ」
「でもでも、全員を倒す必要はないんですよね!?」
「うん。あくまでも目的は逃走だ。それを阻まれたら戦うしかないが、全員を倒さなくちゃいけないってことではないよ」
「ふぅー」
三人の説明を聞いて慌てていた日向ちゃんだったが胸をなで下ろしている。
「となると、問題は相手か。選ぶことはできるの?」
「それぞれ出会った場所は違うな。最初の槍男は登下校途中の通学路、半蔵は高速道路、魔来名は駅前と校門だ。それぞれ出現場所が決まっているのなら選ぶことは可能かもしれない。ただ、これに関しては確信が持てないな。まずこの世界でも同じと確認が取れたわけじゃないしたまたまの可能性だってある」
「そっか」
事前に選べるなら多少は楽なんだろうけど。備えも出来るしある程度イメージも湧く。ただなんとも言えないのが現状だ。
「管理人に関しては私たちが逃げようとしたから現れただけでたまたまかもしれないわね。そういう意味では駅前に出てきた魔来名は確実性があるんじゃない? もし人を捜すなら大勢集まる駅前に陣取るでしょうし、この世界でもそうしている可能性はあるんじゃない?」
此方の言葉に星都が続く。
「でもよ、魔来名を倒したところで、だろ。逃げようとすれば管理人が動くんだから倒すのは管理人だろ?」
「じゃあ半蔵か? また高速道路に行けば出てくるかもしれない」
「でも聖治君、この人数じゃ同じタクシーには乗れないよ?」
「う~ん」
腕を組む。なかなかうまくいかないものだな。せっかく仲間ができたのに敵が誰か分からなければ対策が取れない。
「なあ、考えてても仕方がなくないか? どの道確実な答えなんて出ないんだろ? どうしようが出たとこ勝負になるのは同じだろ」
「僕はみんなと一緒ならどこでもいいんだなぁ」
「私も! お姉ちゃんもいるし、みんながいる。誰が相手だろうと敵じゃないって感じ?」
「おうよ。俺たち六人は最強で無敵なドリームチームよ。負けるわけない。むしろ敗北を知りたい」
「お前らなあ」
力也はともかくとして日向ちゃんと星都の悪のりがひどいぞ。
「日向、調子に乗らない」
「あははは……」
此方が刺すような視線を向けている。香織は微妙な笑顔で愛想笑いだ。
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