セブンスソード
96
「聞いてくれ! 俺はスパーダの能力で別の世界から来た。そこで星都! お前とは友達だったんだ! だから止めてくれ、こんなことしたくないんだ!」
大声で叫ぶ。思いの丈をぶつける。こうすることでしか俺の願いは叶わないならそれを全力でするだけだ。俺が必要なのはスパーダの能力なんかじゃなくて友達を信じて、訴え続けることだ。
頼む、分かってくれ!
「んだよ、そういうことかよ」
星都の動きが止まる。俺たちから離れてはいるが、正面で立ち止まったのだ。
「星都?」
星都はエンデュラスを下ろしている。
そこで日向ちゃんが身構えた。
「日向ちゃん、撃つな!」
俺は急いで前に出て片手を伸ばす。それで日向ちゃんも構えを解く。
今も星都は攻めいない。それどころかスパーダを下げたまま視線を逸らしている。
「よかった、分かってくれたんだな」
ホッとして息が漏れる。でもよかった、分かってくれたならいいんだ。とりあえずこんな戦いはやめにしよう。
「分かったよ」
星都も分かってくれた。これで衝突は終わったんだ。
「てめえが、心底間抜けだってな!」
瞬間だった。視線を逸らしていた星都が俺を見つめ、突然襲いかかってきた。
「聖治さん!」
星都がエンデュラスを振り下ろす直前、肩を押された。
「が!」
勢いに押され地面に倒れる。すぐに顔を上げた。
そこにいたのは、エンデュラスで胸を貫かれた、日向ちゃんだった。
「あ……」
エンデュラスが引き抜かれる。それにより彼女の小柄な体が地面に倒れる。
「え……」
「日向ぁああ!」
すぐに此方が駆けつける。彼女の顔をのぞき込み必死に傷口を押さえている。
「日向! しっかりして日向!」
なんだよ……。なにが起きたんだ?
日向ちゃんが地面に横になっている。そこから血が流れ出していて、此方が懸命に叫んでいる。
信じていた友が、俺を殺そうとして、それを庇って日向ちゃんが斬られたのか?
「お前えええ!」
立ち上がり星都に掴みかかる。日向ちゃんを斬ったことに意識が固まっている隙にパーシヴァルでエンデュラスを払い胸ぐらを掴む。
「ち!」
しまったという顔に俺は顔を近づけた。
「なんてことをしたんだお前は!」
「ああ!?」
俺からの怒声に星都も反発する。
「敵なら攻撃して当たり前だろうが! 戦わなきゃ、俺たちがやられるんだ! やるしかないんだよ!」
「だから、それをみんなで解決しようって言ってたんだろう! なんで!」
悔しい。こんな気持ち初めてだった。
「それを信じないんだよ!」
俺は星都の顔面を全力でぶん殴った。それで星都が倒れる。
「日向、日向!」
「日向ちゃん!?」
すぐに背後にいる日向ちゃんに駆け寄る。仰向けに寝かされた彼女の胸からは血が流れ出し彼女の白い服を染めていた。
「そんな」
出血がひどい。どんどん血が流れて、此方も両手で押さえているのに止まらない。
「よかっ、た」
「え?」
なのに、彼女は俺を見ると笑ったんだ。
「聖治さん、無事、だったんだ……」
「日向ちゃん、俺は」
彼女の手を握る。両手で抱きしめるように、彼女の小さな手を包む。
その手は、小さく震えていた。
そんな……そんな!
また俺のせいなのか? 戦わなかったから? 見てるだけだったから駄目だったのか? 今度は逃げない、戦うって決めたのに?
でも、それじゃどちらかを切り捨てることになるんだぞ? 星都と香織、それか日向ちゃんと此方を。みんなで生き延びるって決めたのに。
大声で叫ぶ。思いの丈をぶつける。こうすることでしか俺の願いは叶わないならそれを全力でするだけだ。俺が必要なのはスパーダの能力なんかじゃなくて友達を信じて、訴え続けることだ。
頼む、分かってくれ!
「んだよ、そういうことかよ」
星都の動きが止まる。俺たちから離れてはいるが、正面で立ち止まったのだ。
「星都?」
星都はエンデュラスを下ろしている。
そこで日向ちゃんが身構えた。
「日向ちゃん、撃つな!」
俺は急いで前に出て片手を伸ばす。それで日向ちゃんも構えを解く。
今も星都は攻めいない。それどころかスパーダを下げたまま視線を逸らしている。
「よかった、分かってくれたんだな」
ホッとして息が漏れる。でもよかった、分かってくれたならいいんだ。とりあえずこんな戦いはやめにしよう。
「分かったよ」
星都も分かってくれた。これで衝突は終わったんだ。
「てめえが、心底間抜けだってな!」
瞬間だった。視線を逸らしていた星都が俺を見つめ、突然襲いかかってきた。
「聖治さん!」
星都がエンデュラスを振り下ろす直前、肩を押された。
「が!」
勢いに押され地面に倒れる。すぐに顔を上げた。
そこにいたのは、エンデュラスで胸を貫かれた、日向ちゃんだった。
「あ……」
エンデュラスが引き抜かれる。それにより彼女の小柄な体が地面に倒れる。
「え……」
「日向ぁああ!」
すぐに此方が駆けつける。彼女の顔をのぞき込み必死に傷口を押さえている。
「日向! しっかりして日向!」
なんだよ……。なにが起きたんだ?
日向ちゃんが地面に横になっている。そこから血が流れ出していて、此方が懸命に叫んでいる。
信じていた友が、俺を殺そうとして、それを庇って日向ちゃんが斬られたのか?
「お前えええ!」
立ち上がり星都に掴みかかる。日向ちゃんを斬ったことに意識が固まっている隙にパーシヴァルでエンデュラスを払い胸ぐらを掴む。
「ち!」
しまったという顔に俺は顔を近づけた。
「なんてことをしたんだお前は!」
「ああ!?」
俺からの怒声に星都も反発する。
「敵なら攻撃して当たり前だろうが! 戦わなきゃ、俺たちがやられるんだ! やるしかないんだよ!」
「だから、それをみんなで解決しようって言ってたんだろう! なんで!」
悔しい。こんな気持ち初めてだった。
「それを信じないんだよ!」
俺は星都の顔面を全力でぶん殴った。それで星都が倒れる。
「日向、日向!」
「日向ちゃん!?」
すぐに背後にいる日向ちゃんに駆け寄る。仰向けに寝かされた彼女の胸からは血が流れ出し彼女の白い服を染めていた。
「そんな」
出血がひどい。どんどん血が流れて、此方も両手で押さえているのに止まらない。
「よかっ、た」
「え?」
なのに、彼女は俺を見ると笑ったんだ。
「聖治さん、無事、だったんだ……」
「日向ちゃん、俺は」
彼女の手を握る。両手で抱きしめるように、彼女の小さな手を包む。
その手は、小さく震えていた。
そんな……そんな!
また俺のせいなのか? 戦わなかったから? 見てるだけだったから駄目だったのか? 今度は逃げない、戦うって決めたのに?
でも、それじゃどちらかを切り捨てることになるんだぞ? 星都と香織、それか日向ちゃんと此方を。みんなで生き延びるって決めたのに。
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