セブンスソード
23
沙城さんから言われ星都は落ち着くがまだ興奮醒めやらぬといった感じで顔がまだ輝いている。
「じゃあ、僕もやってみるんだな」
すると今度は力也が試すために目をつぶる。スパーダを出すために集中している。
「おう力也、先輩である俺が伝授してやってもいいんだぜ?」
「説明は力也も聞いてたんだから必要ないだろ」
さっきまで半信半疑だったやつがもう先輩面かよ。
力也の表情に小さなヒビが入る。なにか掴んだようだ。
それをたぐり寄せるように、力也は告げた。
「くるんだな、鉄塊王、グラン!」
力也の叫びのあと、それは光の中から現れた。
力也の正面には緑色の大剣が浮いていた。でかい。力也の身長くらいあるから百八十センチ以上はある。力也は恐る恐る大剣に手を伸ばした。
「力也、気をつけろよ」
剣のことは詳しくないがただでさえ重いんだ。こんなの持つどころか押しつぶされてもおかしくない。
「う、うん」
力也は緊張した面もちで柄を両手で掴み、自分へと引き寄せた。
「あれ?」
「ん? どうした?」
固くなっていた力也の表情がなくなり、むしろ不思議そうに大剣を見つめている。
それから、片手で大剣を持ってみせた。
「おおお! マジかよ力也、お前そんな力持ちだったのか。今までただでかいだけだと思ってたぜ!」
「星都君ひどいんだなぁー」
「星都はちょっと黙ってろ。それよりも力也、それ重くないのか?」
百キロや二百キロは余裕でありそうなものだが。力也は片手で軽々持ち上げている。
「それが、まったく重くないんだなぁ」
「まったく?」
「んだよ、見かけ倒しかよ」
力也はうちわをゆっくり扇ぐように大剣を振っている。力也の言うとおり重くはないようだ。それにがっかりしたように星都が刀身の横に手を伸ばす。
「駄目!」
それに沙城さんが叫ぶが星都の手は揺れる鉄塊王、グランに触った。
「いってぇえええ!」
星都の手が弾かれる。まるでバットで殴られたようだったぞ!
「大丈夫か星都!?」
星都は手を抱えて座り込んでいる。
「無闇に触れちゃ駄目だよ」
「くぅ~、どういうことだよ。すごい衝撃だったぞ、軽いなんて嘘だろ!」
「鉄塊王グランは力を司るスパーダ。それで重力の影響を操っているのよ。それなら重くても簡単に持てるし」
「説明書くらいつけとけよなッ」
「いや、軽率なお前が悪い」
「んだよ冷たいぞ相棒!」
座り込んだまま星都が見上げてくる。
「待ってて」
星都の正面に沙城さんが座ると、スパーダの刀身を星都の手に近づけた。
「ディンドラン」
刀身が放つ桃色の光が星都の手を包む。
「お、おお」
しばらくして星都は立ち上がった。手のひらを開閉している。もう痛みは引いたようだ。
「これがさっき言っていた回復の能力。怪我はもう大丈夫?」
「お、おう、ありがとな」
まったく、人騒がせなやつだ。星都は自分の手を不思議そうに見ていたがこれで信じたようだ。
「詳しいんだね」
俺は沙城さんに振り向いた。見ただけでは今の現象は理解できなかったはずだ。前もって知っていたとしか思えない。
「うん、まあね」
やっぱり、彼女は特別な存在なんだな。
「じゃあ、今度は聖治君の番だね」
「俺?」
力也が俺に促してくる。そうだよな、今度は俺の番か。
最後になってしまったが俺もスパーダの一人なんだ。星都も力也も出来た。なら俺だって出来るはず。
俺も三人に倣って目を閉じた。意識を集中させる。
スパーダは念じるだけで出せる、か。
「じゃあ、僕もやってみるんだな」
すると今度は力也が試すために目をつぶる。スパーダを出すために集中している。
「おう力也、先輩である俺が伝授してやってもいいんだぜ?」
「説明は力也も聞いてたんだから必要ないだろ」
さっきまで半信半疑だったやつがもう先輩面かよ。
力也の表情に小さなヒビが入る。なにか掴んだようだ。
それをたぐり寄せるように、力也は告げた。
「くるんだな、鉄塊王、グラン!」
力也の叫びのあと、それは光の中から現れた。
力也の正面には緑色の大剣が浮いていた。でかい。力也の身長くらいあるから百八十センチ以上はある。力也は恐る恐る大剣に手を伸ばした。
「力也、気をつけろよ」
剣のことは詳しくないがただでさえ重いんだ。こんなの持つどころか押しつぶされてもおかしくない。
「う、うん」
力也は緊張した面もちで柄を両手で掴み、自分へと引き寄せた。
「あれ?」
「ん? どうした?」
固くなっていた力也の表情がなくなり、むしろ不思議そうに大剣を見つめている。
それから、片手で大剣を持ってみせた。
「おおお! マジかよ力也、お前そんな力持ちだったのか。今までただでかいだけだと思ってたぜ!」
「星都君ひどいんだなぁー」
「星都はちょっと黙ってろ。それよりも力也、それ重くないのか?」
百キロや二百キロは余裕でありそうなものだが。力也は片手で軽々持ち上げている。
「それが、まったく重くないんだなぁ」
「まったく?」
「んだよ、見かけ倒しかよ」
力也はうちわをゆっくり扇ぐように大剣を振っている。力也の言うとおり重くはないようだ。それにがっかりしたように星都が刀身の横に手を伸ばす。
「駄目!」
それに沙城さんが叫ぶが星都の手は揺れる鉄塊王、グランに触った。
「いってぇえええ!」
星都の手が弾かれる。まるでバットで殴られたようだったぞ!
「大丈夫か星都!?」
星都は手を抱えて座り込んでいる。
「無闇に触れちゃ駄目だよ」
「くぅ~、どういうことだよ。すごい衝撃だったぞ、軽いなんて嘘だろ!」
「鉄塊王グランは力を司るスパーダ。それで重力の影響を操っているのよ。それなら重くても簡単に持てるし」
「説明書くらいつけとけよなッ」
「いや、軽率なお前が悪い」
「んだよ冷たいぞ相棒!」
座り込んだまま星都が見上げてくる。
「待ってて」
星都の正面に沙城さんが座ると、スパーダの刀身を星都の手に近づけた。
「ディンドラン」
刀身が放つ桃色の光が星都の手を包む。
「お、おお」
しばらくして星都は立ち上がった。手のひらを開閉している。もう痛みは引いたようだ。
「これがさっき言っていた回復の能力。怪我はもう大丈夫?」
「お、おう、ありがとな」
まったく、人騒がせなやつだ。星都は自分の手を不思議そうに見ていたがこれで信じたようだ。
「詳しいんだね」
俺は沙城さんに振り向いた。見ただけでは今の現象は理解できなかったはずだ。前もって知っていたとしか思えない。
「うん、まあね」
やっぱり、彼女は特別な存在なんだな。
「じゃあ、今度は聖治君の番だね」
「俺?」
力也が俺に促してくる。そうだよな、今度は俺の番か。
最後になってしまったが俺もスパーダの一人なんだ。星都も力也も出来た。なら俺だって出来るはず。
俺も三人に倣って目を閉じた。意識を集中させる。
スパーダは念じるだけで出せる、か。
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