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夏月太陽

68.合同でクエスト 1


 リュウジくんが骸骨剣士に勝ち、十一階層に行こうとしたその時、ハヤトからメッセージが届いた。

『リュウさん今どこに居ますか?』

 そう書かれていたので、『リュウジくんと一緒にダンジョン攻略してる。今、十階層に居る。』と返信した。

 すると、『了解です。そちらに向かいます。』と返ってきたので、ここで待つことにした。

 リュウジくんにその事を言うと、駄々をこねられた。

「えぇ!? まつのぉ!? はやくつぎのかいそうにいこうよぉ!」

 完全に嫌そうな顔をしながら僕に向かってそう言うリュウジくん。

「たぶんすぐ来るからさ、待とうよ? ね?」
「うん、わかった……」

 渋々ながらに待つことを了承してくれたリュウジくんと、ハヤト達が来るのを待った。

 待つこと10分前後、ハヤト達がやって来た。

 すると、ハヤトがリュウジくんを見るなり絶叫した。

「な、なんでスライムが頭の上に!? それに、肩に居るドラゴンも珍しいタイプじゃないですか! どういうことですか!?」

 僕に向かって結構な圧で迫りながらそう言うハヤト。

 なんか怖かったので、宥めてかくかくしかじかと今までのことを順を追って説明した。

 説明を終えると、ハヤトは深いため息をついてから呆れながらこう言った。

「なんでリュウさんの家系の人は、こうも容易くシステム的に高難易度なことを平然とやってのけるんでしょうか……」

 なんと、ハヤトによると、スライムはテイムできるモンスターだけどドラゴンの次に難しいらしい。

 理由はダンジョン内だからだそうだ。……それが理由ってのもどうかと思うけど。

 ドラの方は、ステータスの一時的な底上げができる最近追加された特別なドラゴンらしい。

 それを引き当てるとは、我が従弟ながら運が良い。

 ハヤトが先程の言葉の続きでこう言った。

「そんなところに、痺れもしませんし憧れもしませんけどね」
「あっそう」

 そんなやり取りもそこそこに、この後はリュウジくんが飽きるまでダンジョン攻略をすることになった。

 その間、皆してプルルンに触れまくっていた。

 プルルンは、リュウジくん以外に触られるのが嫌なのか、氷のつぶてを一人一つずつ当てた。

 それから、十一階層,十二階層とリュウジくんを主力に順調に攻略していき、二十階層まで攻略したところでリュウジくんが飽きた。

 なので、メニューから一時撤退を選択しダンジョンを出た。

 ダンジョンを出ると、リュウジくんがまたクエストを受けたいと言うと、ハヤト達が快く了承してくれたので、クエスト受注場所に向かった。

 今気づいたけど、リュウジくんの意見重視で回ってる……。

 僕は良いにしても、ハヤト達は大丈夫だろうか。

 他にやりたいことがあったりしないか心配になる。

 いざとなったら年長者としてちゃんとまとめないとな……。

 そんなことを思いながらクエスト受注場所に着くと、マクロ達がクエストを選んでいた。

「あっ、トッププレイヤー(笑)のマクロとその優秀な仲間達じゃん」
「おい、リュウ、俺に喧嘩売ってんのか?」
「やだなぁ、売るために言ってるんじゃん」
「お前って、優しいのに偶にからかってくるよな」
「こんなことを言うのはマクロだけだよ」
「俺だけかよ!?」

 からかい易いのがマクロの良いところだからね。活かしてあげないと。

「ところで、マクロ達はどんなクエストを探してるの?」
「いいのがあったら受けようかと思ってるんだけど、中々見つからないんだよな」
「じゃあ、ぼくがえらんだこれをいっしょにやろうよ!」

 急に会話に入ってきたリュウジくんが持ってきたのは、『【英雄の台地】のモンスターを10体倒せ』というものだった。

 まぁ、【英雄の台地】はモンスターが物凄く強いからこの人数で行けば、10体は余裕で倒せるはず。

 マクロ達もそう思ったのかリュウジくんの案に乗り、合同でクエストをすることになったので早速【英雄の台地】に向かった。


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