転生ウジ虫野郎の毒使い
首都『ピリンキウム』
「あの~そろそろ出て行って欲しいんだけどぉ。」
神はヒロに向かって皮肉を呈した。
あいつ等がここを出て行ってからどれくらい経ったのだろう。一人になってからとても時間が長くなった様に感じる。
神は魂が抜けて抜け殻の様になったヒロの境遇に対して同情したかのように「君に提案がある。」と言葉を投げ掛けた。
「君達の最終的な目的は12人の魔女を殺す事だ。過去三度の召喚で討伐された魔女はたったの一匹、討伐した彼はこの世界で英雄として讃えられている。」
訳もなく良く分からないことをペラペラと語りだした。仮に過去三度の召喚で今回と同じ人数が召喚されたとして倒された魔女はたったの一匹、79人が何も成し遂げずにこの世を去ったという事実。
励ます気どころか更に現実を突きつけてくれるよホントに。
「………それで?……提案って言うのは?」
「君は魔女を殺せ、一匹でも討伐する事が出来たなら、僕は君にご褒美をあげよう。」
打たれ強いなどと言う意味の分からない能力でそんな化物を殺すなんて事が出来るとは思えない。
「ご褒美って?」
「君の願いを何でも一つだけ叶えてあげるよ。元の世界に戻すでもさっきのガラの悪い男を殺してでもいい、何でも……だ。」
とても魅力的な話ではある。『何でも』というだけで動く為の活力にはなる。何も持っていない現在のヒロの状況からしたらその為に生きるのもありだなと希望をもたらした。
「そうか……取り敢えずやってみるよ。……その……気を使ってくれてありがとう。」
「いえいえ、気にせずに僕は神だからね。ご武運を祈るよ、君名前は?」
「ヨネクラ、世根暗 ヒロ…。」
「僕は遊戯神ジュピルその名前覚えていたら覚えいよう。」
(はは…何だよそれ
ヒロは教会を出て近くの街へとあしを運んだ。
❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖
ヒロは教会から程近くの街〈ピリンキウム〉に訪れた。
ここら周辺の簡易な地図と銀貨三枚に銅貨十枚が入った小袋を握りしめていた。この世界に対する金銭の位は知らないが、せいぜい初期装備と宿、ニ、三泊程度の額なのだろう。
【何でも切れる】とか【炎の玉を出す】とか、シンプルな戦闘向きな能力を持っていたら最初は装備等必要ないのだろうが【打たれ強い】等と言う何とも曖昧な能力だと装備が無いと命の保証が無い。
最初は冒険者等と言う危ない職業では無く、そこら編の飲食店等で住み込みで働けないかと思ったがどうやら、この街では流の人間が余り信用されていないらしい。
頼み込んだおじさんには『男なら戦え』と足蹴にされてしまった。
このまま、何も見つからなければ餓死まっしぐらなので、渋々冒険者と言う訳だ。
❖ ❖ ❖ ❖ ❖
組合ギルドにて冒険者登録を済ませたヒロは防具屋に足を運んだ。
ギルドでおすすめされた防具屋には《サリーの防具店》と描かれた杉で出来た看板がドアノブにプラーンとぶら下がっている。
店内には冒険者のご機嫌取りをする一人の爺さん彼がこの店のサリー……さん?だろうか。
ごっつい体格の兄ちゃんがサリーさんの商売トークを交わして外へ出て行く。
「っち、調子乗りやがって」と舌を鳴らすとヒロが店前に立っている事に気が付く。
「いや~冒険者さん、何かお探しですかい?」
「えっと、この小袋の中身で買える防具が欲しいんですけど…。」
袋の中身を見た途端に低姿勢を辞め店中にある丸椅子にドシリと腰をついた。
「けっ…文無しかよ、買えて、武器はそこら編の樽に入ってるロングソード又は#短剣__ダガー__#二本、後は皮の胸当てだな。」
露骨な店員の態度変化にいらつきながらも、ヒロは言われた通り短剣二本と胸当てを購入した。
(登録料の銅貨一枚に今の買い物で残り残金銅貨四枚………うへぇ、今日にでも探索しなきゃ死ぬ………)
ヒロは防具を買ったその足でギルドへと戻った。
❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖
ヒロはクエストが張り出された掲示板を見上げた。そこには多種多様な難易度のクエスト表が掲示されている。
(何か、簡単な仕事……仕事……しご…
「なぁ、あんた今日、初か?」
右隣から肩をポンポンと叩かれた。
そこにはピカピカに磨かれた鉄装備を全身に纏った同じ位の背丈をした少年と杖を持った少女がいた。腰にはさっき店で見た彩色の施されたサーベルをぶら下げていた。
「あ……えっと……はい、そうです。」
(………上級の冒険者か?
「そうか、俺達も今日が初クエストなんだ!!」
(………なんだ、只のボンボンか…。
「これを気に俺達と同じクエストに行かないか?」
これは、思っても無い提案だ。クエストに潜るにしてもたった一人であるだけでそれ相応のリスクを伴う。ここは大人しくヒモろう。
「……是非お願いします。」
「おう、よろしくな、俺はマックこっちは妹のサチ」
掲示板前の初々しい冒険者達の話を聞き付けたのか後ろで一杯やっている形相の悪い大男がこちらへテクテクと歩いてくる。
「おう、お前ら今日が初か!!だったら初陣は豪快に行かなきゃだな!!」
そう言い一枚のクエストを手に取った。
そこには『迷宮攻略『ガランゴランの討伐』』と描かれていた。
すると、カウンターにいた美人なお姉さんが「グラコスさん、悪ふざけは辞めてください。」と苦言を呈した。
「勧めただけだ。」と言い逃れをしようとした男を横目に鉄装備の少年は「良いですね!!」と申した。
少年はカウンターに申請書を提出しにスタスタと歩いて行く。それにお下げの少女がちょこちょこと付いて行った。
それを必死に「辞めておけ」と忠告するカウンターのお姉さんをマックは「僕には魔剣があるから大丈夫です。」とあしらいクエストを受注した。
お姉さんがランプと地図をヒロに手渡す時に「私は受付員でしかない為止める事は出来ないのです。敵に遭遇した時無理だと感じたらすぐに逃げて下さい。」と残した。
俺は相当ヤバイとこに入ってしまったようだ。
コクっとだけ頷きマックの後を駆け足で追った。
神はヒロに向かって皮肉を呈した。
あいつ等がここを出て行ってからどれくらい経ったのだろう。一人になってからとても時間が長くなった様に感じる。
神は魂が抜けて抜け殻の様になったヒロの境遇に対して同情したかのように「君に提案がある。」と言葉を投げ掛けた。
「君達の最終的な目的は12人の魔女を殺す事だ。過去三度の召喚で討伐された魔女はたったの一匹、討伐した彼はこの世界で英雄として讃えられている。」
訳もなく良く分からないことをペラペラと語りだした。仮に過去三度の召喚で今回と同じ人数が召喚されたとして倒された魔女はたったの一匹、79人が何も成し遂げずにこの世を去ったという事実。
励ます気どころか更に現実を突きつけてくれるよホントに。
「………それで?……提案って言うのは?」
「君は魔女を殺せ、一匹でも討伐する事が出来たなら、僕は君にご褒美をあげよう。」
打たれ強いなどと言う意味の分からない能力でそんな化物を殺すなんて事が出来るとは思えない。
「ご褒美って?」
「君の願いを何でも一つだけ叶えてあげるよ。元の世界に戻すでもさっきのガラの悪い男を殺してでもいい、何でも……だ。」
とても魅力的な話ではある。『何でも』というだけで動く為の活力にはなる。何も持っていない現在のヒロの状況からしたらその為に生きるのもありだなと希望をもたらした。
「そうか……取り敢えずやってみるよ。……その……気を使ってくれてありがとう。」
「いえいえ、気にせずに僕は神だからね。ご武運を祈るよ、君名前は?」
「ヨネクラ、世根暗 ヒロ…。」
「僕は遊戯神ジュピルその名前覚えていたら覚えいよう。」
(はは…何だよそれ
ヒロは教会を出て近くの街へとあしを運んだ。
❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖
ヒロは教会から程近くの街〈ピリンキウム〉に訪れた。
ここら周辺の簡易な地図と銀貨三枚に銅貨十枚が入った小袋を握りしめていた。この世界に対する金銭の位は知らないが、せいぜい初期装備と宿、ニ、三泊程度の額なのだろう。
【何でも切れる】とか【炎の玉を出す】とか、シンプルな戦闘向きな能力を持っていたら最初は装備等必要ないのだろうが【打たれ強い】等と言う何とも曖昧な能力だと装備が無いと命の保証が無い。
最初は冒険者等と言う危ない職業では無く、そこら編の飲食店等で住み込みで働けないかと思ったがどうやら、この街では流の人間が余り信用されていないらしい。
頼み込んだおじさんには『男なら戦え』と足蹴にされてしまった。
このまま、何も見つからなければ餓死まっしぐらなので、渋々冒険者と言う訳だ。
❖ ❖ ❖ ❖ ❖
組合ギルドにて冒険者登録を済ませたヒロは防具屋に足を運んだ。
ギルドでおすすめされた防具屋には《サリーの防具店》と描かれた杉で出来た看板がドアノブにプラーンとぶら下がっている。
店内には冒険者のご機嫌取りをする一人の爺さん彼がこの店のサリー……さん?だろうか。
ごっつい体格の兄ちゃんがサリーさんの商売トークを交わして外へ出て行く。
「っち、調子乗りやがって」と舌を鳴らすとヒロが店前に立っている事に気が付く。
「いや~冒険者さん、何かお探しですかい?」
「えっと、この小袋の中身で買える防具が欲しいんですけど…。」
袋の中身を見た途端に低姿勢を辞め店中にある丸椅子にドシリと腰をついた。
「けっ…文無しかよ、買えて、武器はそこら編の樽に入ってるロングソード又は#短剣__ダガー__#二本、後は皮の胸当てだな。」
露骨な店員の態度変化にいらつきながらも、ヒロは言われた通り短剣二本と胸当てを購入した。
(登録料の銅貨一枚に今の買い物で残り残金銅貨四枚………うへぇ、今日にでも探索しなきゃ死ぬ………)
ヒロは防具を買ったその足でギルドへと戻った。
❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖
ヒロはクエストが張り出された掲示板を見上げた。そこには多種多様な難易度のクエスト表が掲示されている。
(何か、簡単な仕事……仕事……しご…
「なぁ、あんた今日、初か?」
右隣から肩をポンポンと叩かれた。
そこにはピカピカに磨かれた鉄装備を全身に纏った同じ位の背丈をした少年と杖を持った少女がいた。腰にはさっき店で見た彩色の施されたサーベルをぶら下げていた。
「あ……えっと……はい、そうです。」
(………上級の冒険者か?
「そうか、俺達も今日が初クエストなんだ!!」
(………なんだ、只のボンボンか…。
「これを気に俺達と同じクエストに行かないか?」
これは、思っても無い提案だ。クエストに潜るにしてもたった一人であるだけでそれ相応のリスクを伴う。ここは大人しくヒモろう。
「……是非お願いします。」
「おう、よろしくな、俺はマックこっちは妹のサチ」
掲示板前の初々しい冒険者達の話を聞き付けたのか後ろで一杯やっている形相の悪い大男がこちらへテクテクと歩いてくる。
「おう、お前ら今日が初か!!だったら初陣は豪快に行かなきゃだな!!」
そう言い一枚のクエストを手に取った。
そこには『迷宮攻略『ガランゴランの討伐』』と描かれていた。
すると、カウンターにいた美人なお姉さんが「グラコスさん、悪ふざけは辞めてください。」と苦言を呈した。
「勧めただけだ。」と言い逃れをしようとした男を横目に鉄装備の少年は「良いですね!!」と申した。
少年はカウンターに申請書を提出しにスタスタと歩いて行く。それにお下げの少女がちょこちょこと付いて行った。
それを必死に「辞めておけ」と忠告するカウンターのお姉さんをマックは「僕には魔剣があるから大丈夫です。」とあしらいクエストを受注した。
お姉さんがランプと地図をヒロに手渡す時に「私は受付員でしかない為止める事は出来ないのです。敵に遭遇した時無理だと感じたらすぐに逃げて下さい。」と残した。
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