激補助のショートリリック

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トリニティ:『俺とサラダと邪神龍 営業編』

お題: 邪神龍 和風ドレッシング サラダアブラ
ジャンル:SF ???



 正直、何から話した方がいいのかわからない。答えを得られる訳も無い。

 最初は…ただの悪ふざけだったんだ。

 誰もそんな事態想像も出来なかった。

 回避出来ないリスクだった。

 存在さえ知る由もなかったのに。



 …いくらでも言い訳は思いつく。だが現実は変わらない。悪夢は冷めない。どうしてこうなってしまったんだろう。


『お皿に残った和風ドレッシングに浮いたサラダアブラを箸で繋げて遊んでたら、その円の重なりがまさかの召喚陣となり邪神龍を呼び出してしまう』なんて。


 何度目をつぶって開いても。目の前のクトゥルフ宜しくのその不定形生物は消えてくれなかった。頬も両手で抓った。ドッキリですかと声を出して辺りに確認するも何の返答も無かった。

「我ハ封印サレシ邪神龍。サァ!アルガママノ望ミヲ言エ!!全テヲ滅ボスノモ容易イ事ダゾ?召喚者ヨ。」

 いくら耳を塞いでもその割れ鐘を叩いたような声が頭に響く。現実は変えられない。




「…帰って頂く事は、可能でしょうか?」




「…ハァ?」



「いえ、ですので…望みは帰って頂くという事で、何とかなりませんか?」

「…エ?…エッ??」


「呼び出したの、こちらの手違いなんですッッ!!謝りますから!謝りますからぁっ!!」


「イヤ、手違イッテ…アンナ12次元ノ破滅ノ因果律ヲ使ッタ究極ノ魔法陣ナンテ、間違イ用ガ…」

「…アブラなんです。」


「ハイ?」


「和風ドレッシングの!サラダアブラなんです!!あなた出て来たの!!」

「和風…エ?……エ?出テ来タノ、アブラナノ?」

「ここです!見て下さい!!」

 さっきまで大根とキャベツのシャキシャキ和風サラダを食べていた皿を指差す。

「あなたここから出ましたッ!!ドレッシングに使った、サラダアブラの浮いてる部分の小さいのを箸で誘導して集めて大っきくしてたら!ここから!!」



「……アチャ〜完成シテルネ。コリャ。マジカァ…」



「御理解頂けたようで何よりですが、そもそもこちらが間違えて先方を呼び出してしまった事に非があります。ですが、無礼を承知で言わせて貰います!帰って頂く事はッ可能でしょうか!!」



「アァ〜。エーットデスネェ。ア、礼儀正シイ対応アリガトウゴザイマス。私、コノ次元デ邪神龍ヤラセテモラッテマスケド、ソノーナント言イマスカ、800万年周期デココニ現レルトイウ、契約ナンデスヨ。」

「800、万年、ですか…お疲れ様です!!」ビシッ


「イエイエ!ソウ立チ上ガラズトモ!イインデスコッチノ都合ナンデ!!」ペコペコ

「それで…その、検討頂けますか!?」

「イヤーチョット、私モ長年邪神龍ヤラセテモラッテマスケド、サラダアブラカラノ召喚トイウノハ…少シ上ノ方ト話合ワナイト決メラレナイ立場デシテ…オ手数カケシマス。」

「いえいえ、邪神龍さんからの誠意は充分伝わってますよ!」

「イエイエコチラコソスミマセン!」

「そこでー、折り入った話なんですが、今回の召喚は無かった事になりませんかね?」


「アーデモデスネェ…イヤー困ッタナァ。」

「邪神龍さんって、もし今回正式にお断りさせて貰った場合、始末書ってどこから纏めてられるんですか?」


「エッ!?!?ソリャ…マァ…800、万年前ニ…ナリマス…ケド…」

「それって結構な手間ですよねぇ?」

「ハイ…チョットソウナリマスネ。」

「今回、正式にお断りしない方が今後のお互いの為になるんじゃ無いかと思いましてね。」

「アー。ソウ…デスネェ。ハイ。」

「じゃあ今回の召喚契約は破棄って形で宜しいですか?」

「ハイ…ハイ!コチラコソオ願イシマス。スイマセンデシタ。アポモ取ラズニ出テ来テシマッテ…」

「いやーお互い熱入るとそうなる事ありますよねぇ。ま、でも今回邪神さんときっかけ持てて嬉しいっすよ!今度また話上がったらその時絶対邪神さんの所に連絡させて貰いますんで!」

「エェ〜!?イヤイヤコッチガ迷惑掛ケテタノニソンナ、悪イデスヨ!!」

「いーんですってそんくらいさせて下さいよ〜〜このこのっ!!」

「スイマセンネェ!!イヤァ嬉シイナァ。ソレジャアコノ辺デオイトマサセテモイマス。」

「あ!!待って!邪神龍さん!コレ!」

「エ?何デス?コレ?」

「ほら、例の奴ですよっ」

「アー!!和風ドレッシング!?残ッタノクレルンデスカ!?」

「邪神さんだけ特別っすよ??」

「ウレシイナァ!今日ハ本当、何カラ何マデスミマセンデジタ!オ身体ニオ気ヲ付ケテ!!ソレジャア!!」





 こうして、邪神龍は気分良くして帰って行き、宇宙は平和に満たされましたとさ。めでたしてめでたし。



 あなたにも、きっとこんな事が起こりえるかもしれない。信じるか信じないかは、あなた次第です。


END…!?




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コメント

  • ノベルバユーザー377783

    面白過ぎてたまらない

    1
  • サラダアブラ

    ツッコミたい

    1
  • 激しく補助席希望

    さて、ここで質問です。


    主人公は『男性』だと思いましたか?それとも『女性』だと思いましたか?


    …答えは何処にも書いてません。それが、1話限りの『トリニティ』。

    0
  • 激しく補助席希望

    帆桜→こんなお題でカオス以外の何を書けと!?笑

    1
  • 帆楼

    カオスすぎw

    2
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