剣と魔法の輪廻譚 《Drake-route》

にぃずな

出会いと、猫

今更だけど、ここの学校では試験当日に結果が出るという何とも良い制度がある。
(そういうところは凄いなぁ…)
魔法で一気に採点しているのだろうか。
「ここのベンチで待とうか」
「そうしよう、テルトもそれで良い?」
「主が良いなら良いぜ!」
テルトがニコニコしながら応える。
「あはは、相変わらず、テルトはミフユが好きだね」
「当たり前だ!シュナは好きじゃないのか?」
「え?大好きだよ?」
「あの…本人の前ではやめて…恥ずかしいから」
二人からの好意は嬉しいけど、こうも隠さず言われると恥ずかしい。
なんやかんやで、時間待ちをしていると、何故かはわからない。
私の顔に何かがクリーンヒットした。
「わぅっ?!」
「主っ!?」
「ミフユ!?」
3人それぞれな反応をしている。
私は、顔に当たった何かを掴みあげると同時に声がかかった。
「わああぁ、大丈夫ですか?!」
「全く…」
焦っている女の子の声と、落ち着いている、というか少し呆れが混じった男の声がする。
「あー…大丈夫です…」
掴みあげたものは、なんと、
「にゃう」
猫であった。
「何で、跳んできた…」
「猫であろうがなんだろうが、主に当たったんだ、ただで済むと思うな…」
「テルト、そこまでしなくて良いから…」
「うぅ…」
流石に私もそこまで心は狭くない。
「えと…、あなた達の猫ですか?」
「は、はい…」
返答がきたので掴んでた猫を差し出す。
女の子は大事そうに受けとる。
「このこ、好奇心旺盛で…よく何かあると飛び付きに行っちゃうんです」
「猫にしては、珍しい」
私は苦笑し、名前を尋ねる。
「名前を聞いても良いですか?」
「あ、はい、私はシロハ=シフィアといいます」
「僕は、シフォン=ポワフと言います。よろしくお願いします」
女の子、シロハは少し吃りながら、男、シフォンは慣れているのか、お辞儀までしてくれた。
「私は、ミフユ、ミフユ=シャルティア」
「私は、シュナ=シャルティア、よろしく」
「わっ、私は、テルト=グレルウフですっ!」
テルトは慣れない敬語で挨拶し、お姉ちゃんは挨拶込みで、私は…普通。
そして、無言である。
このままだと気まずい空気が流れそうなので、何か話を切り出す。
「結果楽しみですね」
「そっ、そうですね」
今更気づいた、敬語、堅苦しいわ。
「あ、私は敬語じゃなくていいですよ」
「それなら、こちらも敬語じゃなくて良いです…良いよ!」
「わかった、あ、呼び捨てで良いから」
「じゃあ私の方も呼び捨てで良いよ」
「よろしくね、シロハ」
「うん、よろしくね、ミフユ」
因みに、二人だけで会話している傍らでは。
「おう、話にはいりづれぇ」
「確かに」
「同感です」
3人が同意見になっていたらしい。
「ここの5人で同じクラスになれたらいいね」
お姉ちゃんがそういうと。
「そうですね」
と返答するシフォン。
(自然とタメ口だなぁ、お姉ちゃんは)
多分、シフォンの方は行ってもやめなさそうと思ったので何も言ってない。
「主~」
「どうしたの?」
「あー、えっと…」
尻尾を振っているが、自分が獣人だと言うことを思い出し、目をそらしている。
(従魔の時の癖が抜けないのかな)
何かしらあった後は、撫でてもらいたくなるらしい。
気にすることもないかなぁ…と思うので、撫でると。
「……」
無言で照れながら、尻尾を振っていたのであった。
「…和むね」
小声でお姉ちゃんがこう言っていたことは、置いとくとしよう。

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