剣と魔法の輪廻譚 《Drake-route》

にぃずな

ミフユと邪神

シュナは、警戒心を剥き出しにした状態である。
何故なら、ミフユの口調が完全に変わっているからだ。
「何で…」
「ほぅ?なんのことだね?」
「ふざけないで!」
感情のままをぶつける。
「やっとこの娘が隙を見せてくれたのでな。乗っとることができた」
(隙…?)
ふと、こいつが何者かわかった。
邪神フェリオル。戦闘狂だ。戦い、争い、血を好む。
眼は紫に変わっている。
「やっと、やっとだ。ふ、ははははははは!」
顔が醜いほど歪み、焼き付くような、狂気的な笑みを浮かべている。
高笑いが、弱い私も笑うように聞こえた。


ミフユside
「よっ、と」
さて、どうしよう。
お姉ちゃんが振るう剣を避けながら考えた。
今までずっと我流で通ってきたけど、極められた流派を防ぎきれるわけ無い。
だからといって、すぐに変えれるわけもなく、はなっから変える気すらない。矛盾してる。
(お姉ちゃん、強い…)
少ししかお姉ちゃんの剣を見てないけど、下手をすれば負ける。
そう確信した。
そんなことを考えている時に、お姉ちゃんが剣をつきだし突っ込んでくる。
私は蹴りを入れる。
「我が剣に地の力を、《ブラム=スラッシュ》」
避けられたので、蹴りあげた時の空中にいる状態で、魔法を発動させる。
他の異世界では処刑用に使われてた魔法で、簡単に言えば《アースジャベリン》みたいなものだ。
まぁ、あっさり突破されたけど。
私は即座に防御体制をとる。
「《シールド》」
ブレードと同じ前からずっとお世話になってる魔法だ。
でもお姉ちゃんの剣であっさり壊される。
剣で防ぎ、反撃する。
不意に、頭に激痛が走る。
(でも、顔を歪めれば、戦闘の妨げに…、なる…)
苦しくも、発する事が出来た言葉は、
「まだっ、だよ!」
ここまでで、限界が来た。
『……ふははは、やっと隙を見せたか。いや、準備を怠ったと言うべきか?』
ラルグレルフの声ではない。
私の倒せなかった、の声。
視界が急激に霞む。音が遠ざかる。
私は、とある転生の時に、やむを得ず邪神を体に封じ込めた。
その時の私には、倒せなかったからだ。
(お姉…………ちゃ……ん……)
『我に空け渡せ、全てを』
邪神に全てが飲み込まれ、深く落ちて行く。
ここまでで、私の意識は完全に途絶えた。


シュナは、気付くのに遅れた。
今の私じゃ、倒せない。
絶望的な力の差。
拮抗状態に持ち込まれれば、すぐに殺られる。
(どう…すれば…)
キツく歯を食い縛る。
あの時の過ちを繰り返すわけには、いかない。

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