剣と魔法の輪廻譚 《Drake-route》

にぃずな

姉と対戦

洞窟に入ってから1週間が経過した。
「ふっ…、よっ…、はっ!」
「頑張ってるね~、剣を手にしてから」
『まぁ、精進することは良いことだしな、良いんじゃないのか?』
「姉としては、無理さえしなければ良いんだけどね…」
剣と話している図は何とも不思議だけど、まぁ、気にしない。
(スキル、試そうかな)
声に出さずに、スキルを発動出来る練習も兼ねて。
《フレアスパーダ》
剣が火を纏い、赤色軌道をつくる。
あんまり回りを気にしてなかったからか、今になって雑音や、声が耳に入った。
「わっ、ちょ、急にスキル使わないでよ。ミフユ」
「あっ、ごめん」
何となくで使っただけなのでスキルを解除して剣を仕舞った。
うーん。思い切り剣を振りたいな…。新しい剣だし。
あ、そうだ。
「ねぇ、お姉ちゃん。対戦してくれる?」
「えっ?まぁ、良いけど…」
敵対はしないけど、対戦とはまた違う。
強くなりたい。それもある。
お姉ちゃんは悩む表情を見せている。
『成る程な。我を使うのか?』
「もちろん、私もお姉ちゃんも実剣だよ」


――シュナside
『良いのか?主』
「ミフユの願いだからね。私は構わないよ」
『そうか、承知した』
クロトが問いかけてきたが、私は迷わず返答する。
(怖い…、でもあの時に比べたら些細なこと…)
「で、ルールはどうするの?」
「ルールは…、1擊どちらかに実剣・・で当てたらで」
「りょーかい、じゃあそれで」
姉としては、正直なんとも言えない。
でも、ミフユが強くなるためなら、別に構わない。
剣も魔法もミフユの方がかなり上だと思う。
足元にも、及ばないかもしれない。
でも、ミフユにして上げられることが、何もないから。
(お願いなら、叶えなきゃね)
今できる、全勢力をとして一撃を当てにいく。


『ならば、審判は我がつとめよう』

ミフユの剣、ラルグレルフが言う。
「うん、任せたよ」
「じゃあ、始めよう」
『あぁ、では、今より試合を始める』
(緊張する…。でも頑張ろう)
生死を賭けた戦いではないけど。
《ストレージ》
私は愛剣…、召喚先で仕えた時に使っていた剣を手にした。
すると、脳裏に言葉が流れる。
『ね…、シュナ!…の…ね…、…の…ん…サブマリア…って……う…名…ど…?』
所々途絶えている声、私はとても懐かしく感じた。
その声は召喚先であれど、今は亡き姫の声だったから。
サブマリアを握り、鞘を腰に付ける。
その時、何でかはわからない。
体が自然と動いて…。
「私は、リスアルリ王国王姫専属騎士、シュナ=シャルティア!」
地に剣を突き立て、片手は剣の柄に、もう片手を胸に、声高らかに名乗る。いわゆる騎士礼をした。
(……何してるんだろ…。もうしなくても良いのに…)
そう思ったけど、別に恥ずかしさはない。
少し、ビックリした表情をしたミフユは…、特に気にしてなさそうだ。
『始め!』
剣を振り抜き一気に距離をつめる。
上から下へ、重く鋭く剣を振り下ろす。
「よっ、と」
ミフユは下から振り上げるようにして、私の剣を迎撃し、足を振るってくる。
《リードアクセル》
私は一旦身を引き、剣を突き出し強く踏み込む。
ミフユは足を蹴り上げたままの状態でスキルを使ってきた。
「我が剣に地の力を、《ブラム=スラッシュ》」
ミフユの剣が紫色に光る。
そして、地に叩きつける。刺さり砕けたところから波のように土の槍が無数に突き出る。
避ければきっとそこをミフユは突いてくる。
(なら、正面突破に限る!)
《フォースブレイド》
剣は突きだしたまま、槍へ突っ込む。
土の槍を砕き、壊す。足は止めない。
「《シールド》」
ミフユの目の前に来たときに、盾を出してきた。
弾かれるが、剣を再び振るう。
「《バスターブレイク》」
盾を砕くが、既に防御体勢をとっているので、防がれる。
(くっ…、でも…!)
ミフユが剣を横に薙ぐ。
私は受け流し、剣を突き出すけど、叩かれ避けられる。
足を振り抜いてきたら、屈んで避け剣を振るう。
「まだっ、だよ!」
そう言っているけど、少し様子が変だ。
(でも、情けは駄目だよね…)
雑念と思い、振り払う私の振った剣は、剣を逆手に持つことで防がれた。
我流故に、色々な場面でも対応が出来る…。
《ツインブースト》
通常の《ブースト》の2倍、私のオリジナルだ。
「《フル=グレイル》」
炎の槍を無数に出し、放つ。
ここで、私はミフユの異変に気付く。むしろ、遅すぎるのかもしれない。
ミフユは、今までに見たこと無いような、狂気的な笑みを浮かべていた。
でも、眼は笑っていない。
ひたすらに私を捉えている。
私は恐怖を感じた。
ただの、一撃当てるだけの模擬戦なのに。
「どうしたの…?」
同じ表情のまま、炎の槍を次々に薙ぎ払っていく。
(こんな…にあっさり…)
今のミフユには、戦闘狂バトルジャンキーという言葉でしか、表せなかった。

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コメント

  • 未硝詩 うい

    ミフユ好き❤

    3
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