剣と魔法の輪廻譚 《Drake-route》

にぃずな

シュナ

「____はぁ、言っちゃったなぁ」

シュナは暗黒魔術騎士。
随分、厨二病的な役職だなと思うかもしれないけど、これは称号。
私がこの称号を得たとき、もう死ねないと分かっていた。
別名世界を旅する者ワールドトリッパーと呼ばれるこの称号は貰うと不死になる。
戦死したらそれは死んじゃうけど、寿命では死なない。
それに。

(私よりも強い人なんて、少数しかいない、だろうなぁ)

討ってくれるのならば討ってほしい、けど、その時は今じゃない。
話は戻って、暗黒魔術騎士の称号を得ると、姿は一切変わらないし、どの能力スキルでも手にできる。
その上、固有能力スキル次元移動ワールドトリップでどの世界にも行ける。
だから、ミフユが《ブレード》を使った時に転生者ってすぐに分かった。
私の旅したことある世界の英雄が使っていた固有魔法だったから。
このことを知った以上、敵対することが絶対無いとは言えない。

(おねーちゃんは、敵対したくないけどなぁ…)

意見の食い違いだけで戦いが起こるこの世界だと、戦わないことは難しいかもしれない。
私はこの世界で生まれた。10歳になったときに異世界に召喚された。
そして、その世界で生き残る為に死に物狂いで戦った。
習ったばかりの上級魔法を一心不乱に使い、我流の剣術で魔物を殺し続け、
いつの間にか、狂戦士バーサーカーの称号をもっていた。
それと、上位魔法使い。
魔物の討伐は、狼や獅子にとどまらず、竜までも。
恐らく、上級冒険者もあっさり倒せてしまうだろう。
何だかんだ、こっちではは20歳位まで過ごした。
で、暗黒魔術騎士の称号を貰ったのは18歳位の時だ。
でも、それらの称号を貰ったのは、ミフユが生まれる前。
どの世界でも時の進みは同じではない。

(違う世界を旅した時ですらこっちでは、1分も経って無かったし)

異常に時間感覚が狂い、実質、年齢は500歳を超える。
いろんなところに旅をしても、実際10分程度だったりもするし。
因みに、こっちでの年齢は来たとき10歳だったので幻術で誤魔化してる。
(幻術無くしたら、傷だらけなんだよね)
とても、ミフユに見せられる体ではない。
ぐだぐだ歩いてるうちに、公園へ付いた。
ベンチに座り、ため息を吐く。

(転生者ってこと、バレたく無かっただろうな…)

あの動揺っぷりは、確信犯だろう。
罪悪感があるけど、今更どうしようもない。
そんなことを思っていると。

「おい、嬢ちゃん。こんなことにいないで遊ぼうぜ」

男共が話しかけてきた。

(嫌だなぁ、はぁ)

「御断りします」

「んなかてぇ事言わないで、俺達と、遊ぼう、ぜっ!」

私の腕を掴んで引っ張ってきた。
反射的に蹴飛ばそうとして、止まった。

(お父さんの子供だから、暴力何なんしたら、駄目だよね…)

しかし、このまま連れていかれるわけにもいかない。
すると、私の中にいる従魔が、

『私に任せてくれぬか?我が主』

「うん、任せたよ!」

「何言ってやが………る?!」

男は目を見開いている。
それもそのはず。
私と男の間に、黒い虎が出てきたのだから。

『主に触れるな外道共が!』

「うわっ、何だこの魔物は?!」

「逃げるぞっ!」

(とっとと逃げてくれて良かった…)

ふぅ、と一息吐くと。

『久しいな、主』

「うん、そうだね。クロト」

すると、クロトは顔を擦りよせてきたのでその頭を撫でる。

『傷は、平気なのか?』

「うん、大丈夫だよ。」

心配そうな顔をしてきたので、笑って応える。

『何かあったら、呼んでくれ。我が主』

「ありがとう。心配してくれて」

『何、当たり前の事だろう?というか、心配位させてくれ。私には、願うことしかできないからな』

「あ、はは…。うん、ごめんね」

『謝るな、そういう性っていうことを承知の上で一緒にいるのだ』

そう言って私の中に入っていった。

「………。帰ろ」

そう言って、来た道を戻った。

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