Regulus

嘉禄(かろく)

ArK



「…デビュー前の曲をリメイク?」
「ああ、あの2曲をな。あとMVも撮ってみないか」


Regulusを結成した時に作った最初の2曲をリメイクして、1曲はMVも撮らないかと兄貴から打診があった。
あれがきっかけでRegulusは知名度が出たというのもあるけど、それを除いても思い入れのある曲だ。


「…そのMV、どんな風にしたいとか口出し出来るのか」
「やりたいならそうしたらいい」
「…メンバーと話してみる」


そう答えて事務所を後にし、皆に連絡した。
どうリメイクするのかも気になるところではあるけど、何となくいいモノになる予感はしていた。
それに、あれがRegulusのものとしてCD等いつでも皆が聴ける型式で出ていないのは確かに勿体ないと思った。
メンバーの返答によっては直ぐにでも取り掛かりたいところではある。

そしてメンバーのいる所に行くと、真っ先に由真が声をかけてきた。


「あ、お疲れー」
「お、来たか」


続いて遥も俺に気づいた。


「お疲れ様、慶」
「ああ、ありがとう」
「で、リメイクとMVだって?」


由真はどうやら乗り気なようで、前のめりに問いかけてきた。


「ああ、どうやらやろうと思えば口出しもさせてもらえるって。どんな風にしたいとか」
「まあ俺らの曲だしなあ」


そこで由真が思いついたようにぽつっと口を開いた。


「…そーいや、俺たち今までストーリー仕立てっぽいMV作ったことなくない?」
「…確かに」
「じゃあ今回はさ、リップシーンとストーリー込にしようよ」
「いいねそれ!」


志輝も乗り気なようで、MVの方向性は決まった。
絶対いいものになる。
予感はその時確信に変わり、俺は内心期待を膨らませていたのだった 。


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