Regulus
The birthday that is an adult 2
数時間後、俺は袋詰めした大量のチョコレートを両腕に提げて戻ってきた。
「…重い、腕死ぬ…」
よたよたしてるのを二匹に心配されながらキッチンに運び一息ついた。
「…ベースより重いんじゃないのこれ」
休憩がてらアイスコーヒーを淹れ、涼んでから作業に取り掛かる。
ボウルにチョコレートを入れていき、湯煎にかけて溶かしていく。
一見バレンタインの準備をしているようにしか見えないだろうけど。
また数時間かけて全部のチョコレートを溶かしきり、目の前にボウルが複数個並んだ。
今更だけど、遥は甘いものが得意じゃないのでカカオ80%のものを使ってある。
「…一つは真面目に作るか」
なんせ大量にあるんだ、一つくらい真面目に作ったって俺のアイデアに支障は出ない。
と考えてまず一つチョコレートマカロンを作った。
「…やばい、チョコレート冷えてきた」
慌てて残った大量のチョコレートを溶かし直す。
時計を見ると、夕方になっていた。
「ジャストタイミング、もうすぐ遥が帰ってくる。
じゃあ本命の準備に取り掛かろう」
俺はにやーっと笑い、チョコレートを持ってでかい方の風呂に向かった。
客を招いた時にしか使わない、言わば大浴場。
でも常に使用人に清掃させているから清潔だ。
俺はデカすぎる浴槽にお湯を入れ始めた。
半分ほどたまったところでチョコレートを投入する。
もうここまでくれば誰もが分かるだろう。
「チョコレート風呂、豪華だよねー」
お湯とチョコレートを半々になるように流し込み、いい感じに混ぜていく。
正直かなり大変だったけど、なんとかいい感じになった。
「テレビで見た通りになった、大成功?
よし、あとは先に入って遥待ってよーっと。
ローエンとロイ、遥帰ってきたらここに引っ張ってきてね」
二匹の威勢のいい返事を聞いてから俺は服を脱いで中に入り、遥を待つことにした。
「驚くだろうな、今回の誕プレは俺だよってね」
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